下まぶたの老化に対して自分自身の脂肪から抽出された液体の有効性が示された。
中国の研究グループが2024年12月に美容皮膚科誌で発表した。
下まぶたの老化に「CEFFE」
下まぶたの皮膚の老化には、コラーゲンの減少や弾力性の低下、色素沈着、シワの増加といった特徴がある。これまで多くの治療法が検討されたが、それらの効果や安全性にはばらつきが見られた。
研究グループは、脂肪からの抽出液について「自家由来無細胞脂肪抽出液(CEFFE)」と呼ぶ。CEFFEは、脂肪組織から細胞の成分や油分を除去した細胞を含まない抽出液で、成長因子を豊富に含む。これにより、コラーゲン増生や血管新生が促進され、若返り効果が期待される。
研究では、31~58歳の健康な女性10人を対象として、腹部から脂肪を採取し、CEFFEを抽出。その後、2週間おきに計5回、1.8mLずつ下まぶたに注射した。効果の評価は、治療前および治療後3、6、12カ月後に実施され、皮膚の質感や弾力性、バリア機能を客観的および主観的に分析した。
きめが細かく、シワが改善
結果として、CEFFEは、下まぶたの老化に効果を発揮した。
具体的には、治療後3カ月目から皮膚のきめが細かくなり、シワが改善。6カ月目には皮膚弾力性が最も大きく向上した。また、TEWL(経表皮水分蒸散量)の低下によりバリア機能の改善も確認された。
改善効果は12カ月後まで保たれ、満足度調査では約70%が「満足」または「非常に満足」と回答した。副作用は一時的な痛みや軽度のあざ程度で、重篤な有害事象は報告されなかった。
さらに検証が必要だが、下まぶたの若返りの新たな手段として注目される可能性がある。