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飲むミノキシジル、塗るタイプを上回る効果は確認されず 6カ月比較で改善率に差なし 内服では多毛症が目立つ

カレンダー2026.10.2 フォルダー最新研究

 低用量の内服ミノキシジルは、外用薬と6カ月後の改善率に明確な差が見られなかった。一方、体毛が濃くなる多毛症は内服で多かった。

 パキスタンの研究グループが2026年9月、美容皮膚科学誌で報告した。

男女100人を内服と外用に分け、6カ月間比較

医師が診察室で男性の頭皮を確認している様子。

男性型脱毛症では、頭皮や毛髪の状態を確認しながら治療法を検討する。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 男女100人を24週間比較→ AGA患者を低用量の内服ミノキシジル群と外用ミノキシジル群に分け、医師の写真評価や本人の満足度、副作用を調べた。
  • 内服量は男女で調整→ 男性は1日2.5mg、女性は1日1.25mgを服用し、外用では男性5%、女性2%を1日2回使用した。
  • 二重盲検で検証→ 本人も医師もどちらの治療を受けているか分からないようにし、100人中90人が24週間の治療を完了した。

 AGA(男性型・女性型脱毛症)は、毛が徐々に細く短くなり、薄毛が進んでいく代表的な脱毛症だ。ミノキシジルの外用は広く使われているが、毎日頭皮に塗る必要があり、頭皮の刺激や使用の手間などが続けにくさにつながる場合もある。

 一方、低用量の内服ミノキシジルは、1日1回で済むことなどから脱毛症治療で使われるようになっている。ただし、AGAに対する内服ミノキシジルは承認された標準治療ではなく、適応外で使用されている。

 今回の研究では、18~50歳のAGA患者100人を無作為に2グループに分けた。

 外用グループは、男性が5%、女性が2%のミノキシジルを1日2回使用した。内服グループは、男性が1日2.5mg、女性が1日1.25mgを服用した。どちらのグループも、もう一方の治療に見せかけたプラセボを併用し、薬を使う本人も医師もどちらの治療を受けているか分からないようにした。

 100人のうち90人が24週間の治療を完了。男性54人、女性36人で、平均年齢は約30歳だった。

 治療前と24週間後の写真を2人の皮膚科医が比較し、悪化から改善まで7段階で評価した。さらに、患者自身の満足度や副作用も調べた。

改善率は内服67%、外用73% 副作用には違い

男性が鏡の前で頭皮に外用剤を塗布している様子。

外用ミノキシジルは広く使われる脱毛症治療だが、毎日の塗布や頭皮刺激が続けにくさにつながることもある。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 改善率に明確な差なし→ 医師評価で少なくとも軽度改善した割合は、内服67.4%、外用72.7%で、統計的な差は確認されなかった。
  • 内服では多毛症が多い→ 多毛症は内服30.4%、外用9.1%で、内服では起立性低血圧や頻脈、むくみもみられた。
  • 外用では皮膚炎に注意→ 接触皮膚炎は外用で11.4%にみられ、内服と外用では効果よりも副作用の現れ方に違いがあった。

 医師による写真評価で、少なくとも軽度の改善が見られた割合は、内服ミノキシジルで67.4%、外用ミノキシジルで72.7%だった。両グループに統計的な差は見られなかった。

 薬を使った本人が「改善した」と評価した割合は、内服で80.4%、外用で70.5%だった。内服の方が高かったものの、こちらも統計的な差には達しなかった。

 副作用には違いがあった。

 体毛が濃くなる多毛症は、内服で30.4%、外用で9.1%と、内服で多かった。一方、接触皮膚炎は外用で11.4%に見られ、内服では確認されなかった。

 内服では、立ちくらみなどを伴う起立性低血圧が8.7%、頻脈が8.7%、足のむくみが4.3%に見られた。研究期間中に重い副作用は確認されなかった。

 研究グループは、24週間の範囲では、内服と外用の改善効果に明確な差を確認できなかったと位置づけている。

 内服ミノキシジルと外用ミノキシジルを比較した研究は、これ以前にも報告されている。

 2024年、ブラジルのサンパウロ州立大学などの研究グループは、AGAの男性90人を対象に、1日5mgの内服ミノキシジルと、5%の外用ミノキシジルを1日2回使用する治療を24週間比較した。68人が最後まで研究を完了した。

 毛髪密度を調べた結果、頭頂部、前頭部ともに、全体として内服が外用を上回るとは確認できなかった。一方、皮膚科医による写真評価では、頭頂部の改善は内服で70%、外用で46%となり、この評価では内服の方が良好だった。前頭部では明確な差はなかった。この研究でも副作用の違いが見られ、多毛症は内服49%、外用25%だった。頭痛も内服で多く、頭皮の湿疹は外用で多かった。

 2つの研究は、対象者や内服量が異なる。2024年の研究は男性だけを対象に1日5mgを使用したのに対し、今回の2026年の研究では男女を対象とし、男性2.5mg、女性1.25mgというより低い量を使っている。

 それでも、いずれの研究でも、24週間という期間では内服ミノキシジルが外用ミノキシジルを一貫して上回る結果にはなっていない。一方で、内服は1日1回で使える利便性がある反面、多毛症など全身に現れる副作用にも注意が必要になる。

 AGA治療を考える上で、参考となる研究だろう。

参考文献

Chaudhry MAE, Muneeb B, Aamir S, et al. Low-Dose Oral Versus Topical Minoxidil in Androgenetic Alopecia: A Randomized, Double-Blind, Double-Dummy Controlled Trial. Journal of Cosmetic Dermatology. Published September 21, 2026. doi:10.1111/jocd.71198.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.71198

Penha MA, Miot HA, Kasprzak M, Müller Ramos P. Oral Minoxidil vs Topical Minoxidil for Male Androgenetic Alopecia: A Randomized Clinical Trial. JAMA Dermatology. 2024;160(6):600-605. doi:10.1001/jamadermatol.2024.0284.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38598226/

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ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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