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睡眠不足でも肌トラブルが少ない秘訣とは、鍵を握るのは免疫?資生堂が発見

カレンダー2023.10.8 フォルダー最新研究

ポイント

  • 睡眠不足は肌の潤いや色つやを悪化させて、若々しい肌のハリを低下させる
  • 研究では、免疫機能が保たれていると肌のトラブルが少なくなることが確認された
  • 美肌を保つには、全身の健康、特に免疫機能の維持が重要である可能性
睡眠不足と肌のトラブル。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

睡眠不足と肌のトラブル。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 忙しい日々などで睡眠が乱れがちでも、肌のトラブルを最小限に抑えることができるのかもしれない。その鍵を握るのは免疫機能という──。資生堂が2023年10月2日、睡眠不足と肌のトラブルの関連につながる研究結果を発表した。

美しい肌を保つためには?

肌のトラブルを防ぐ二は?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

肌のトラブルを防ぐ二は?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 良い睡眠を取ることで肌をきれいに保てるとされる。睡眠の質が良く、睡眠時間も多く確保できていれば、肌の潤いが増し、色つやを良くして、若々しいハリも保たれるということ。しかし、逆に睡眠が不足すると肌のトラブルを招く心配がある。

 資生堂の2010年の研究によれば、睡眠が中断されると、体のリズムやホルモンのバランスが乱れ、皮脂分泌量や角層水分量の低下という肌への悪影響が現れることが示されていたという。また、23年の研究では、睡眠と肌の健康、そして肌を守る免疫の関係が明らかにされた。

 そこで今回、資生堂は、睡眠と肌、免疫の関係をより深く調べている。具体的には、40代の日本人女性30人を対象として、2日間、夜中に一度睡眠を中断してもらった。その上で、彼女たちの肌や免疫機能の状態を調べた。

免疫が活発だと肌トラブル少ない

全身の健康と肌のつながり。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

全身の健康と肌のつながり。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 こうして判明したのは、睡眠が乱れることにより、肌の水分量が減り、肌の色が変化して、肌のハリが低下するということ。ところが、免疫機能が健康に保たれている人に限って見ると、たとえ睡眠が乱れても、肌のトラブルが起こりづらいことが分かった。

※白血球の一つである「NK細胞」が活発な人の肌には変化がなく、酸化度が低い人でも、肌の変化がなかった。

 肌を健康に保つためには、肌への刺激などから肌を守ることが重要。大きな役割を果たすのが免疫機能である可能性があるという結果となる。

 美しい肌を保つには、肌自体だけではなく、免疫機能を含めて全身の健康に気を遣うことも欠かせないようだ。スキンケアを考える上で参考になるかもしれない。

参考文献

資生堂、免疫機能が整っている人の肌は 睡眠の乱れによる影響を受けにくいことを発見
https://corp.shiseido.com/jp/news/detail.html?n=00000000003696

睡眠不足が「黄ぐすみ」の意外な原因に、P&Gと九州大学による新たな研究で判明
https://biyouhifuko.com/news/research/1003/

美容医療の成功のカギは眠りにあり!ダウンタイム回復への睡眠Tips
https://biyouhifuko.com/news/world/2108/

20代女性、2割が「毎日」自分の顔に自信を持てないことがある、花王調査より明らかに
https://biyouhifuko.com/news/japan/2927/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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