筋肉がちである方が肌状態が良好であることが日本人を対象とした研究から明らかとなった。
立命館大学とPOLAの研究グループが2024年5月に発表したものであり、ライフスタイル改善が美肌にもつながる可能性がある。
同じ体重でも筋肉が多い方がよい?
美容医療では、シミやシワ、たるみなどの老化に伴う体の変化は予防し、さらには若返りを目指すことは絶えず注目されている。一方で、治療を受けるのではなく、普段のライフスタイルを改善するのも重要だ。
例えば、体重の増加は美容にとっても好ましくないと考えられる。ダイエットのために運動や食事の工夫をしている人も多いだろう。
どれほど体がフィットしているかの指標としてBMIがよく使われる。体重と身長から計算され、20~25が標準的とされるが、一方で、BMIといっても筋肉が多い人もいれば脂肪も多い人もいる。それぞれ一緒くたにはできない。
最近の研究から、同じ体重でも筋肉量の多い人はより健康的であることが注目されている。FMRは体内の筋肉量と脂肪量の比率を示す指標で、FMRが低いほど筋肉量に対して脂肪量が少ないことを意味する。最近ではFMRが低いと病気になりづらいなどの研究の結果も出ており、美容とも関連も注目される。
今回、研究グループは30〜64歳の健常な日本人男女1518人を対象に、運動、食事、睡眠、喫煙、紫外線曝露などのライフスタイル要因と、BMIやFMRに加えて、シミ、シワ、赤みなどの肌状態を測定した。
美肌の人は「FMR」低い
こうして確認されたのは、FMRが低い人ほど顔の肌状態が良好であること。具体的には、FMRが低い人はシミやシワ、赤みが少なく、肌がきれいであることが明らかとなった。筋肉量が多い方が美肌だったというわけだ。
FMRが低い人は身体活動量が多く、高たんぱく質・高食物繊維・低炭水化物・低ナトリウムな食生活を送っていることも示された。
美肌のためには、たんぱく質と食物繊維を積極的に取り入れて、糖質や塩分を控えること、運動を取り入れることが大切であることが理解できる。