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米国ハーバード大学、新型日焼け止めを開発、酸化亜鉛ベースの欠点解消、超微粒子にして活性酸素を減らす、皮膚科の専門医学誌で発表

カレンダー2024.7.29 フォルダー最新研究
酸化亜鉛ベースの日焼け止めは賛否両論の声があるけれども。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

酸化亜鉛ベースの日焼け止めは賛否両論の声があるけれども。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 新しい超微粒子の酸化亜鉛(ZnO)ベースの日焼け止めが開発されている。酸化亜鉛ベースの日焼け止めは一般的である一方で、肌への影響に関して賛否両論の意見がある。こうした酸化亜鉛ベースの日焼け止めの欠点を克服する製品が開発される可能性がある。米国ハーバード大学の研究グループが2024年2月に報告した。

ナノダイヤモンド粒子を使い超微粒子に

日焼け止めの欠点を改善。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

日焼け止めの欠点を改善。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 インターネットで検索すると、酸化亜鉛ベースの日焼け止めは、良い意見と悪い意見の両方が確認できる。酸化亜鉛フリーの製品がおすすめされ、毛穴が詰まりやすい、敏感肌に良くないという声もある。

 研究グループによると、酸化亜鉛ベースの日焼け止めは、優れたUV防御効果で知られているものの、ミネラル成分を含む日焼け止めは肌に白い膜を作り、肌が白く見えることや、活性酸素が発生することが問題として認識されている。研究では、これらの問題を解決するために、新しい超微粒子の酸化亜鉛をベーストする日焼け止めが開発された。

 新しい日焼け止めは、ナノダイヤモンド粒子を使用して非常に小さく均一な酸化亜鉛粒子を生成する方法で作られた。この粒子は肌への負担が少なく、毛穴を詰まらせにくい設計。従来の製品よりも紫外線B(UVB)を効果的に吸収し、日焼けを防ぎ、紫外線曝露による活性酸素種の生成が約80%減少するため安全性が高い。肌浸透試験でも成分が肌を透過しないことが確認されている。

 開発された日焼け止めを試したところ、肌のタイプによらず、肌に塗っても白さが目立たないことが確認された。

日焼け止めの品質がばらつく実態

実はばらつく日焼け止めの品質。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

実はばらつく日焼け止めの品質。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 炎天下の中で日焼け止めは欠かせない。ヒフコNEWSで以前に伝えているように、酸化亜鉛ベースのようなミネラルタイプの日焼け止めは安全性が高いとされるが、白く浮くことや油っぽさが問題になる。一部には化学成分が不正に含まれている場合があり、品質にばらつきがあることが報告されている。酸化亜鉛ベースの日焼け止めが賛否両論であるのは、製品による品質のばらつきが問題である可能性もある。

 また、一般に使われている日焼け止めのSPFについても実際の効果を必ずしも正確に反映していないことが報告されている。ハーバード大学の研究グループによると、SPFは人の肌で測定されるため、個人差が大きく、必ずしも信頼できる数値ではない。また、紫外線だけでなく可視光線も肌に悪影響を及ぼすことが分かっている。

 今回の研究で紹介された新しい超微粒子酸化亜鉛ベースの日焼け止めは、従来の問題を解決する可能性があり、今後の日焼け止めの進化が期待できる。

 日焼け止めは肌を守るだけではなく、疲労を軽減するという研究結果もある。こまめに塗ることを心掛けることは大切だ。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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