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唾液で測る生物学的年齢?DNAメチル化を分析、エピジェネティック・クロックにも応用できる?バイエルとハードル、英大学が共同開発

カレンダー2025.3.29 フォルダー 海外
唾液で検査。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

唾液で検査。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 美容医療では、見た目の美しさと共に、若返りの治療も注目されている。暦年齢よりも若く見えることを目指すアンチエイジングに関心を持つ人は多い。

 そうした中で、暦年齢とは別に、身体の年齢である生物学的年齢を測定するエピジェネティック・クロックの開発が進んでいる。この方法は、遺伝子のオンオフをコントロールするDNAメチル化を利用したものだ。

 2025年3月、欧州の研究グループが、唾液から手軽にDNAメチル化を測定できる「InflammAge(インフラメイジ)」を発表した。エピジェネティック・クロックは生物年齢を調べる。一方、今回開発された検査では、老化を早める炎症を調べることができる。

老化と関連する「慢性炎症」に着目

DNAメチル化を分析。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

DNAメチル化を分析。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 開発したのは、製薬企業であるドイツ・バイエルとAI企業の英国ハードル、英国のバーミンガム大学とエディンバラ大学。

 従来、エピジェネティック・クロックの測定には主に血液が用いられていた。今回の検査では唾液が使われる。血液は採取のために身体に針を刺す必要があるが、唾液であればその必要がないため、より簡単に検査できる。

 この検査を使った研究では、1万8000人以上を対象として有効性が検証された。その結果、CRP(C反応性タンパク)など従来の血液検査よりも高い精度で、健康状態や寿命、生活習慣との関連性を示すことができた。

 特に、インフラメイジの検査値が、喫煙や飲酒により高くなり、オメガ3系脂肪酸の摂取によって低くなる傾向が確認された。このことは予防医療やセルフケアにつながると考えられた。

美容医療でも高まる関心

生物学的年齢の検査が身近に?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

生物学的年齢の検査が身近に?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 今回のように唾液を使ったDNAメチル化の検査が広がることで、美容医療やアンチエイジングの分野も大きな影響を受けることが予想される。この検査は炎症の測定にとどまらず、生物学的年齢の測定にも応用される可能性がある。

 血液検査ではないので、クリニックでの検査だけではなく、自宅での検査も可能になると考えられる。

 ヒフコNEWSでもエピジェネティック・クロックの意義についてこれまでにたびたび取り上げてきた。DNAメチル化の変化を通じて、見た目や暦年齢では把握しきれない「身体の内面の年齢」を測定することが可能となり、若返り治療の効果の評価にも活用できる。

 今回は海外での発表だが、今後は日本でも同様の製品が登場する可能性がある。DNAのメチル化を調べる検査はまだ知名度は低いものの、今後、より身近な存在となる可能性もある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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