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FDAがオゼンピック、マンジャロ関連の未承認GLP-1関連薬に警鐘 調剤版や偽造品、研究用表示の販売に品質リスク 医師の処方と正規ルートの利用呼びかけ

カレンダー2026.6.15 フォルダー 海外

 米食品医薬品局(FDA)が継続的に、減量目的で使われる未承認のGLP-1薬に注意を呼びかけている。

 正規ルートを通らない未承認品や偽造品などに、品質や安全性の面でリスクがあるという内容だ。

 日本でもGLP-1薬を巡る議論はあるが、米国では偽造品や未承認品の流通が問題になっている。

オゼンピックの偽造品、マンジャロ系の調剤版など問題に

GLP-1関連薬の偽造品などが問題に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

GLP-1関連薬の偽造品などが問題に。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 未承認GLP-1薬に注意喚起→ FDAは、減量目的で使われる未承認のGLP-1薬について警告を続けている。
  • 問題の中心は偽造品や調剤版→ オゼンピックやマンジャロ関連の偽造品、違法販売品、調剤版などが対象となっている。
  • 品質や安全性に懸念→ 未承認品は安全性や有効性、品質の審査を受けておらず、リスクがあるとされた。

 FDAが今回、特に注意を呼びかけているのは、オゼンピックなどの商品名で知られるセマグルチドや、マンジャロなどの商品名で知られるチルゼパチドを含む、正規の承認薬ではないGLP-1薬だ。

 問題にしているのは、承認薬そのものではなく、偽造品や違法販売品、薬局などが独自に作る調剤版、さらに「研究用」などと表示して売られている未承認品だ。FDAは、こうした未承認版の薬は、販売前に安全性、有効性、品質の審査を受けていないとしている。

 少なくともオゼンピックについては、偽造品が出回る問題は以前から続いている。最近の公式文書でも、FDAは米国内で偽造オゼンピックが流通していることを把握していると記している。偽造品は本物を装っていても、中身が違う、有効成分が少なすぎる、多すぎる、全く入っていない、あるいは有害成分を含む可能性があるとしている。

 もっとも、これまでの公式な注意喚起を見ても、偽造品がどの程度の規模で流通しているのか、どのような経路で広がっているのかといった実態の全体像については、なお不明な部分もあると見られる。

 一方、チルゼパチドでは、薬局などが個別に作る調剤版が出回っていることが問題視されている。FDAは、セマグルチドやチルゼパチドの調剤版について、ラベルに実在しない薬局名が書かれていたり、実在する認可薬局の名前があっても、その薬局が実際には調剤していなかったりする例を把握しているとした。調剤版チルゼパチドと表示された製品では、注射部位の赤み、腫れ、痛み、赤いしこりといった有害事象報告もある。

 公式文書では、原薬の具体的な供給元には触れていない。

 FDAはさらに、こうした調剤版では、配送中の保冷不備や、患者の計量ミス、医療者側の用量計算ミスも起き得ると警告している。

「研究用」「人体用ではない」ものも注意

GLP-1関連薬が非正規ルートで広がる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

GLP-1関連薬が非正規ルートで広がる。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 「研究用」表示にも警戒→ 人体用ではないと表示しながら、人向けに販売される未承認品にも注意。
  • 未承認成分の使用問題→ 承認薬と異なる形態のセマグルチドなどの利用に懸念。
  • 正規ルート利用を推奨→ FDAは医師の処方を受け、認可薬局などから薬を入手するよう求めている。

 FDAは、偽造品や違法販売品に加え、「研究用」「人体用ではない」と表示しながら、実際には人向けの用法付きで売られている未承認品にも警戒を呼びかけている。

 また、FDAは、承認薬に用いられているものとは異なる形態のセマグルチドが、調剤に使われている可能性にも注意を促している。こうした成分については、承認薬と同じように扱ってよい根拠を把握していないという。さらに、減量薬として注目されている別の候補成分であるレタトルチドとカグリリンチドについても、FDAは法律上、調剤には使えないと明記している。

 その上でFDAは、医師の処方を受け、認可薬局など正規ルートで薬を入手するよう求めた。GLP-1薬の人気が高まる中で、価格や入手のしやすさを理由に未承認品へ流れるリスクを改めて示した形だ。

参考文献

FDA’s Concerns with Unapproved GLP-1 Drugs Used for Weight Loss
https://www.fda.gov/drugs/drug-alerts-and-statements/fdas-concerns-unapproved-glp-1-drugs-used-weight-loss

BeSafeRx: Your Source for Online Pharmacy Information
https://www.fda.gov/drugs/buying-using-medicine-safely/besaferx-your-source-online-pharmacy-information

FDA Intends to Take Action Against Non-FDA-Approved GLP-1 Drugs
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-intends-take-action-against-non-fda-approved-glp-1-drugs

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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