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ビオチンやコラーゲンの美容効果は本当?美しい肌、髪、爪を保つには、プレバイオティクスも含めサプリの効果やリスクにアドバイス、米国皮膚科学会が情報提供

カレンダー2024.9.25 フォルダー 海外
摂取しているサプリは美容に役立つ?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

摂取しているサプリは美容に役立つ?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 日々の美容のためにビオチンやコラーゲン、プロバイオティクスのサプリメントを取り入れている人も多いだろう。しかし、その効果やリスクについて一度見直してみることも必要かもしれない。

 米国皮膚科学会(AAD)は2024年9月17日に、サプリメントの効果やリスクについての助言を情報発信した。

サプリメントの誤解に注意

その栄養素は本当に足りていない?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

その栄養素は本当に足りていない?写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 サプリメントは、美容目的としても、肌や髪、爪の健康を維持・改善する手段として人気が高まっている。

 学会によると、ビオチン、コラーゲン、プロバイオティクスといった美容目的のサプリメントに対する過度に期待すべきではないという。

 皮膚科専門医のローレン・N・タグリア氏は、「サプリメントは薬と同様に、リスクと利益を慎重に天秤にかけるべき」と注意を促す。

 例えば、美容分野で広く利用されるビオチン(ビタミンB7)は、特に髪の成長や脱毛防止の効果が期待されているが、その過剰摂取はホルモンなどの値に影響を及ぼす可能性があるという。

 髪のハリやツヤを求めてビオチンサプリを試してみようと思ったことがあるかもしれない。しかし、ビオチン欠乏症はまれで、過剰な摂取は逆に健康を損なうリスクがある。タグリア氏は、ビオチンのサプリメントは必要な場合にのみ摂取するべきだと強調する。

 また、コラーゲンも加齢による肌のたるみやシワを改善する可能性があるとされているが、その効果を裏付ける確かな証拠はまだ不足しているという見解が示されている。特に海産物由来のコラーゲンには、水銀などの重金属による汚染リスクが存在し、信頼できる機関が品質を確認した製品を選ぶことが推奨されるという。

 乳酸菌など体によって良い効果をもたらす微生物を摂取するプロバイオティクスについては、腸内環境の改善を通じ、肌の保湿力や滑らかさを向上させるとされている。学会によれば、こちらも効果に個人差があるという見方だ。プロバイオティクスは腸内環境を整え、肌の調子が良くなるともされるが、一時的にお腹の不快感やガスが生じることもあるため、自分に合った製品を選ぶことが重要だ。

専門家のアドバイスとバランスの取れた食事が重要

専門家からのアドバイスも重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

専門家からのアドバイスも重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 サプリメントの効果が不確実で、過剰摂取によるリスクも存在する。

 美容目的でサプリメントを使う際に、皮膚科専門医に相談することが重要だと学会は説明している。自身の体調やニーズに合った方法を取れるようになるからだ。医師によってサプリメントの成分やその安全性を見極め、必要に応じて適切な治療法の提案も可能だという。

 過剰な摂取を避けて、バランスの取れた食事から栄養を摂ることが最も効果的という見方も示されている。

 今回は米国の情報ではあるが、日本でもサプリメントの安全性や効果に対する関心は高まっており、自分に合った方法を見つけるために、専門家に相談してみるのも手だ。バランスの良い食事や生活習慣にも心がけながら、実践することが、美しい肌や髪、爪を手に入れる一歩となる。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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