マスクの下のシミや頬の赤み、ニキビ跡などお肌の悩みは尽きません。肌の悩みを解決するためには美容治療がおすすめですが、美容治療を受ける際には第三者的な視点を持つことが大切です。
そのため、本当にきれいになりたい人は、美容に詳しい人に率直にどこが気になるかというのを聞いてみるのがおすすめ。
今回は美容ヒフコ編集部の美容マスターに、私の顔ってどこが気になる?というのを聞いて、今後の美容治療選びの参考にしたいと思います。
美容医療難民の方必見です!
今回の相談者 Aさん(30代後半)
悩み
1)頬の赤み・ニキビ跡
2)フェイスラインのたるみ
今回の美容マスター 美容ヒフコ編集部Y
美容医療機器メーカーや美容クリニックなど、美容医療業界での勤務経験が15年以上ある自称美容医療村の長老。レーザー治療の黎明期から業界にいて、医師を相手にマシンの使い方をトレーニングしたり、学会に出席したりしていたため、美容医療に関する知識が豊富で、マシンや治療法の変遷といった歴史にも詳しい。
今回はAさんの1つ目のお悩み、頬の赤み・ニキビ跡についての相談の様子です。
【お悩み1】頬の赤み・シミ予備軍が気になっている
編集部Y(以下Y):今日はよろしくおねがいします!まず、頬の赤みやシミが気になるとのことでしたが、具体的には?
Aさん(以下A):妊娠出産を経たことや、コロナ禍の影響でマスクをする機会が増えたからか、色素沈着やシミ予備軍が気になります。また、過去にニキビ肌だったからか頬にニキビ跡のような炎症があり、赤みがまだらに出ているため、肌のトーンを均一にしたいと思ってるんです。
Y:わかりました!まずは実際に肌の様子を見てみましょう。
実際に肌の状態をチェック!
Y:ご自身ではシミが気になるとお話していましたが、実際に見てみるとシミはほとんどないように見えます。もちろん、隠れジミや隠れ肝斑などもあるので、実際にはクリニックでUVカメラでの撮影をしないとわからないんですが、私がAさんだったら、シミ系の治療は第一選択肢にはならないかな。全体的に肌も白くてハリがありますし、毛穴もほぼ見えないですよね。とっても美肌だと思います!
A:本当ですか?!やったー!
Y:ただAさんもお話していた通り、赤みは少し気になりますね。
A:ですよね…やっぱり…マスクや産後の肌質変化で、シミ予備軍ができてきていて…。
Y:赤みやシミ予備軍だと思っている部分、もしかしたらニキビ跡の凹みかも。もみあげに近い方の頬って自分で鏡を見るのが難しい部分なので、ご自身ではよく見えてないのかもしれないですが、このあたりはニキビ跡っぽい凹みと赤みが少し目立っているようです。美肌の条件として色ムラがない均一な色というのがあるので、まずは赤みを治療した方がより美肌に近づけるのではないかなと思います。
A:シミより赤みが気になるなんて気づいていませんでした!やっぱり、客観的に見てもらうのって大事なんですね~!
頬の赤みやシミ予備軍、ニキビ跡に最適な施術とは?
A:赤みに対する施術は、具体的にはどんなものがありますか?
Y:赤みの施術には光治療かダイレーザー、クレーター状のニキビ跡の改善も希望する場合にはマイクロニードルRFが有効だと言われています!
A:光治療はなんとなく聞いたことありますが…ほかの2つは…はじめて聞きました。
Y:こちらが、簡単にまとめた表です!それぞれの施術内容を説明しますね!
光治療
Y:まず、ダウンタイムがない治療で行くと、光治療があります。1回の治療効果が緩やかな代わりに、痛みやダウンタイムがほとんどないので比較的手を出しやすい治療だと言われています。
A:ダウンタイムがほとんどないなら、挑戦しやすそうです。
Y:しかも光治療は、赤みだけでなく、シミやくすみを改善して肌に透明感を出したり、コラーゲンが増えることで肌にハリを取り戻したりといった効果も期待できるので、総合的な美肌治療としても人気なんです。
A:赤み以外の改善も同時に行うことができるのは嬉しいですね!
Y:ただ、1回の効果が緩やかということは回数が必要ということなので、回数を多くするほど費用が高くなる、定期的な通院が必要といった点がネックになる人もいるかもしれませんね。
光治療とは…
広範囲の波長帯をもつ光(IPL)を肌に照射して、シミやそばかす、ニキビ跡の赤み、赤ら顔、毛穴の開きなど、さまざまなお悩みに同時にアプローチすることができる施術。ダウンタイムや痛みがほぼなく、通常1ヶ月毎に4〜6回の治療が推奨されている。シミや赤みを目立たなくするが完全に消すことを目的とした治療ではなく、総合的な美肌治療として人気を集めている。
費用相場:20,000〜50,000円(全顔1回)
推奨回数:4〜6回程度(1ヶ月毎)
2023.06.15
A:ヒフコの光治療のページを見ていると、機械の種類が色々あります。どれがおすすめなのでしょうか?
Y:どの機械でもある程度の結果は出ると思います。ですので私はクリニックを選ぶ時、機械よりも、ドクターが施術を行うかどうかを重視しています。ドクターが実際に肌のお悩みや状態にあわせてパワーを調整し、施術を行った方が高い効果が期待できると思うので。
A:ドクターじゃない人が施術するケースもあるんですか?
Y:光治療は、同じ機械を使っていてもクリニックによって
- ドクターが診察からマシンの照射まで担当する
- ドクターが診察だけ行い実際の施術はナースが行う
と2つのパターンがあります。
光治療は肌へのダメージが少ない治療ということもあって、ドクターではなくナースが施術を行うクリニックの方がもしかしたら多いかもしれません。その分費用が安く抑えられるというメリットもあるので一概にどちらがいいとは言えませんが、効果を求めるのか、費用を抑えて続け安さを取るのかによってクリニックを選ぶのもいいと思います。
A:なるほど!私は効果が欲しいので、ドクターが施術してくれるクリニックを探したいと思います!
Y: 金額が安いから行ってみたら思った通りの効果が得られなかったり、打ちムラがあったり…なんてこともあるので、事前に口コミなどを確認しておくと安心です。ただ、SNSで調べると良いコメントばかり出てくるというのもどこまで信用できるかわからないので、できれば身近な人で経験のある方に聞いてみる方が間違いないとは思います。
ダイレーザー
Y:光治療以外にも、赤みの治療はダウンタイムがあるものからないものまで色々とあるんですが、激しめの治療ならダイレーザーというものもあります。赤色に反応するレーザーで異常に増えている毛細血管を破壊するという施術です。
A:聞いただけで激しそうです…
Y:はい、これは効果が高い分、結構痛みも伴いますし、内出血のような紫斑が1〜2週間程度続くこともあるなど、ハードルの高い治療かなと思います。
Aさんの場合は赤みがそこまで酷い状態でないので、ほかの治療でも効果を実感できるのではないかなと思います。
ダイレーザーとは…
赤色への吸収が高い波長のレーザーで、血管病変の治療に広く使われている。血管腫の場合は保険が適用されるが、ニキビ跡の赤みは自費診療。赤みが気になる部分にのみ照射することで、異常に増殖した毛細血管を破壊して赤みを目立たなくするだけでなく、皮脂分泌の抑制、アクネ菌殺菌などの効果も期待できる。
赤みの程度によって1回で治療が終わることもあるが、通常3回程度が推奨されている。術後数日に亘って痛みや赤みがあり、内出血を起こすこともあるとされている。
費用相場:20,000〜40,000円(全顔1回)
推奨回数:1〜3回程度(1〜3ヶ月毎)
マイクロニードルRF
Y:赤みであれば最近人気のマイクロニードルRFも効果が高いと言われています。髪の毛よりも細い針を皮膚に刺した状態でRFという高周波を照射して、毛細血管を直接破壊することができる治療法です。
A:高周波って、マッサージ機についているやつですよね?バラエティ番組とかの罰ゲームで使われるような…
Y:そうです!ただ、マッサージ機に使われているものとは高周波の出方やパワーが違うので一概に同じとはいえないんですが、周波数の高い電磁波を用いた治療を高周波治療器といいます。針を刺すなんてダウンタイムがヤバそう!と思われがちなんですが、意外とダウンタイムはほとんどなく、施術後に少し赤みが出る程度で翌日にはほぼ治まっている程度とのことです。
A:それはすごい!気になります。
Y:また、赤みだけでなく、クレーター状のニキビ跡や毛穴の開きといった肌の凹凸を滑らかにする効果が高いので、赤みとニキビ跡が気になるAさんには一石二鳥の施術かもしれないですね!
A:赤みにもニキビ跡にもアプローチできるとは、まさに私にぴったりですね!
Y:ただし、この治療もやはり1回ではなく複数回の治療が必要だと言われています。しかも1回の治療費が光治療と比べると高いので、コスト的な面が気になる方は要検討ですね。とはいえ、1回でも効果の実感がしやすい治療とも言われているので、まずは1回試して見る価値はあるかもしれませんよ。
マイクロニードルRFとは…
極細の針を皮膚に刺した状態でRF(高周波)エネルギーを照射して真皮を直接加熱することができるマシン。異常に増殖した毛細血管の除去やコラーゲン・エラスチンの増生といった効果が期待できる。ニキビ跡の赤みだけでなく、クレーター状のものにも有効とされており、他にも毛穴の開きや肝斑の改善にも効果があるとされている。1ヶ月毎に3〜5回程度施術が推奨されている。
費用相場:35,000〜55,000円(全顔1回)
推奨回数:3回程度(1ヶ月毎)
フラクショナル(マイクロニードル)RFの治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
頬の赤みやシミへの治療で気をつけるポイントは?
紫外線の強い季節は要注意!
A:赤みやシミの治療を受ける時に気をつけるポイントなどはありますか?
Y:紫外線が強い夏は避けた方がいいと言われています。これはレーザーや光治療など、メラニンへの吸収が高い光を使った治療では、肌に含まれるメラニン量によって火傷などのリスクが増えるだけでなく、術後の色素沈着を招いてしまうリスクも高まるからです。
A:紫外線が増えると、肌のメラニン量が高まるのですね!最近気温も高くなってきましたが、4月以降は避けた方がいいのでしょうか?
Y:まだ大丈夫です。気象庁の発表にもある通り6月以降は紫外線量が高まってくるので、シミの治療を避けていただきたいのは7・8月ですね。
2021.08.27
なお、今回紹介したマイクロニードルRFは色には反応しないので、日焼けしていても受けることはできます!ただし、術後の紫外線対策は必須なので、術後1週間程度は、海やプール、BBQといった屋外でのレジャーの予定を入れないよう注意が必要です。
参考:日最大UVインデックス(解析値)の年間推移グラフ2020年 東京
A:ちなみにですが、このご時世、感染対策で完全にステイホームな場合でも、施術は避けた方がいいでしょうか?
Y:家の中にも紫外線は届きますから何とも言えませんが…外で思いっきり陽の光を浴びるというのでなければ大丈夫だと思いますよ。ただし、洗濯物を干す時など、意外と気を抜いてしまいがちなので家の中でも日焼け止めを塗ることを忘れないようにしてくださいね。施術前にクリニックに確認してみると、適切なアドバイスをくれるかもしれません。
カウンセリングで違和感がないかをチェック
A:ほかにも、美容医療のクリニック選びで気をつけるポイントはありますか?
Y:きちんと丁寧に治療をしてくれるクリニックを選ぶことが大切ですね。例えば、カウンセリングの際にドクターが顔も触らずに「じゃあシミだから光治療で」というような場合は、気をつけてください。
カウンセリングの際に信頼できないな、怪しいなと感じたら、セカンドオピニオンのように他のクリニックを回ってみるのもいいと思います。まずは無料カウンセリングだけ希望するのもいいでしょう。
次回はフェイスラインのお悩みを徹底解説
自分では鏡で見ることができない部分が他人からは気になることや、反対に自分で気にしていたお悩みが他人から見ると、そんなに気にならないということがあります。
Aさんのように美容医療に詳しい方に診断してもらえるのがベストですが、難しい場合には自分の周りの家族や友人に聞いてみるのもおすすめです。
次回はAさんのもう1つのお悩みである、フェイスラインのたるみについて美容マスターに詳しく話を伺いました。
フェイスラインは年齢とともにたるんでいき、気になる方が多いお悩みでもあるので、こちらもぜひ参考にしてみてください!