顔の産毛処理。あまり目立たないので後回し、もしくは脱毛の対象にしていない方も多いのではないでしょうか。しかし…!美肌を目指す人にこそ、顔の産毛脱毛は検討していただきたい部位なのです。
なぜなら、顔の産毛がなくなるだけでなく、以下のようなメリットがあるからです。
・毛穴が小さくなる
・肌トーンが上がる
・化粧のノリが良くなる
・自己処理が減る
今回は、上記に挙げたメリットに加えて、費用や目安の施術回数、注意点などを紹介いたします。
産毛脱毛について
産毛は脱毛しにくい??
産毛脱毛は、「脱毛がしにくい毛」という認識があります。
レーザー脱毛では、一般的に毛が含む黒い色素(メラニン色素)にレーザー光が吸収されることで熱を発生し、その熱が毛を生やす毛根にダメージを与えることで脱毛します。しかし、産毛はそもそもメラニン量が少ないため、レーザー光を吸収しにくいことから脱毛までに至らないケースが発生するからです。
しかし、近年様々な種類のレーザー脱毛機が登場したことから、最適な機種を選べば産毛でもしっかり脱毛の効果を実感することができるようになりました。産毛脱毛が初めての方はもちろんのこと、今まで産毛脱毛に効果を感じられなかった方にも是非知っていただきたいです。
医療レーザー(クリニック)VS光脱毛(エステサロン)
実は脱毛は、国家資格の免許を持っている医師や看護師のみが行うことができる医療行為になります。エステサロンでは、発毛を遅らせる行為のみで、永久脱毛を行うことは法律上許されておりません。
医療脱毛とエステ脱毛の違いを、以下の表で見てみましょう。
医療脱毛 | エステ脱毛 | |
照射パワー | 強い | 弱い |
脱毛期間 | 短期間 | 長期間 |
国家資格 | 必要 | 不要 |
医師の診断 | 有 | 無 |
肌トラブル | 対応可 | 対応不可 |
医療脱毛はエステ脱毛に比べ1回あたりの料金は高額ですが、安心安全に行えることに加え、少ない回数で確実な効果を得られるため、トータル的にエステ脱毛より費用がかからないことも多いようです。
しかしながら、医療レーザーの種類によっては産毛に対して効果が出にくいものもあるため、しっかりとした見極めが必要になります。
産毛に効果のある医療レーザー
医療レーザー脱毛に使われる波長は、主に3種類です。
- アレキサンドライトレーザー
- ダイオードレーサー
- YAGレーザー
波長による違いついて
アレキサンドライトレーザー(755nm)は、メラニンへの反応が高いという性質から、メラニン量の少ない産毛への脱毛効果は弱いとされています。
Qスイッチアレキサンドライトレーザーの治療が受けられるの美容クリニック一覧
ダイオードレーザー(810nm)とYAGレーザー(1,064nm)は波長が長いため、より深くまで光が届くことで産毛の脱毛にも効果があると言われています。
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照射方式による違いについて
これまでのレーザー脱毛には単発(ショット)式しかありませんでしたが、近年蓄熱式レーザーという照射方式の機器が登場したため、現在の医療レーザー脱毛には2種類あります。
大きな違いは照射ターゲットで、単発式は毛根部にある毛母細胞を破壊するのに対し、蓄熱式はバルジ領域(毛根より浅い部分にある、毛を発毛させる司令塔)の破壊を目的としています。
バルジ領域は毛根より浅い部分にあり、毛母細胞よりも低い温度(60〜70℃)でダメージを与えることができるため、蓄熱式レーザーは単発式よりも痛みが少ないと言われています。また、メラニン量に関係なく脱毛できるため、産毛のようなメラニンの少ない毛にも効果を発揮します。
美肌への近道「顔の産毛脱毛」 その理由とは!?
毛穴が小さくなる
毛がなくなることで、自然に毛穴が縮小していきます。また脱毛の際のレーザーの熱による収縮作用により毛穴が引き締まるといった効果も得られます。
肌トーンが上がる
毛質が細くなることで、肌が明るくなります。また、肌が光に反射しやすくなり綺麗に見えます。
化粧のノリが良くなる
毛穴が小さくなることで化粧水や乳液などの浸透力も上がり、肌がうるおいます。また、産毛がなくなることで、汗が産毛にキャッチされてメイクとまじりあうことを防ぐことができ、メイク崩れを防ぐことができます。
自己処理が減る
産毛脱毛をすることで、自己処理でのカミソリによる肌トラブルなどを防ぐことができます。また、自己処理に割く時間がなくなることで心に余裕ができ、「自己処理」のストレスから解放されます。
いかがでしょうか。産毛脱毛をすると、見た目がキレイになるだけでなく精神的負担も大幅に減らすことができ一石二鳥ですね!
顔の産毛脱毛の注意点
施術前に事前に顔そりをする
毛が伸びている状態で照射すると、毛のメラニン色素にレーザーが反応し、火傷を引き起こしてしまうため、照射前には必ず剃毛する必要があります。もし自分でできない場合は、追加料金を払えばクリニックで剃毛してくれるところもあるので、事前によく調べてみてください。
2020.12.23
2021.01.20
2021.02.24
施術ができない部位がある
シミやほくろ、肝斑のある部分
基本的にはメラニン色素に反応して火傷などのトラブルとなる恐れがあるため、シミやほくろのある部分にはレーザー照射ができません。テープなどで保護をした状態で照射することが多いようです。また、肝斑に関しては、レーザーを照射することで悪化する可能性があるため、肝斑のある範囲全体が照射できなくなります。
眉毛・瞼
医療脱毛では、パワーの強いレーザーを使用するため、眉毛のように太くて濃い毛の脱毛は火傷のおそれがあるため、照射できるクリニックは少数です。また、瞼への照射は眼球に影響を及ぼす危険性があるため、いかなる場合も脱毛できません。
唇
レーザー脱毛で使われる波長は唇に含まれる赤色にも反応します。そのため、唇周辺の脱毛の際は、唇に直接レーザーが当たらないよう、ガードした状態で行われます。
当日のメイク
照射によって肌がダメージを受けているため、施術後はノーメイクが理想ですが、当日からメイクがOKと言っているクリニックもあります。顔は角質が薄く他の部位よりデリケートなので、ほてりや炎症が治るまでは肌に負担をかけないようにするのがベストです。
スキンケア
照射後の肌は乾燥して敏感になっているため、お手持ちの化粧水や美容液で、いつもよりたっぷり保湿してください。可能であれば刺激の少ない敏感肌用のスキンケアがおすすめです。
効果を実感するまでに時間がかかる
毛には毛周期があり、成長期→退行期→休止期というサイクルで毛が生え変わっていますが、ワキや腕などの身体の部位と比べると、顔の毛周期のサイクルは短くなっています。そのため、成長期の毛が抜けてもすぐにまた次の毛が生えてくることになり、脱毛を始めた数回は毛が減っていないように感じることもあるそうです。効いていないわけではなく、徐々に効果を実感できるようになることを予め知っておきましょう。
肌トラブルのリスク(やけど、毛嚢炎など)
やけど
やけどまでしてしまうのは稀ですが、医療レーザー脱毛は照射出力が高く、ショット式ですと毛根細胞を破壊する出力が必要になります。施術者は、毛根細胞を破壊しつつ肌を傷めないレベルを調整しながら行いますが、稀にやけどが起きてしまうことがあります。やけどを防ぐためにも、普段から保湿をしっかりしてトラブルの起きにくい素肌を目指しましょう。やけどしてしまった際は流水や氷水で冷やし、すぐクリニックに相談しましょう。
毛嚢炎
顔は皮脂の分泌が多く、ニキビができやすい部位です。そのため、照射によって刺激を受けると白ニキビに似たできもの(毛嚢炎)ができやすくなります。個人の体質的要因もありますが、照射によって皮膚のバリア機能が一時的に弱まり、雑菌が毛穴にが侵入してしまうことで起こります。そのため、照射後は紫外線をなるべく避け、多くの人が水につかるプールや温泉などは極力避けるなどして防御しましょう。
硬毛化・増毛化
レーザー脱毛では稀に産毛が濃くなる、もしくは増えるといった副作用が発生することがあります。硬毛化、増毛化をしてしまった場合でも、レーザーによる脱毛は可能ですので、それほど気にする必要はありませんが、硬毛化が発生した場合のクリニック側のフォローについては事前に確認しておくことをおすすめします。尚、蓄熱式レーザーの場合は硬毛化が発生しづらいという報告もありますので、心配な場合は蓄熱式レーザーのあるクリニックを選ぶと良いでしょう。
費用相場と施術の目安
費用
顔の医療脱毛は、約4万~18万円/5回が相場となっています。安いという理由だけでなく、金額に含まれるサービス内容や技術面などもしっかりと調べてからクリニックを選ぶようにしてください。
施術時間
顔全体では約30分程度です。※個別ですと、各箇所約15分程度です。
ひたい/ほほ/鼻/鼻下/あご
目安の回数と期間
医療レーザー脱毛に必要な回数は、『2~3か月周期で5~6回ほど施術を受ければ、自己処理が楽になるレベルまで永久脱毛できる』というのが一つの目安です。期間にして約1年になります。ただし、実際にはその方の毛質・肌質などによって多少前後します。
クリニック選びの注意点
医療脱毛は1回の料金が高いので安くお得に通いたいとこですが、以下のような点にも気をつけましょう。
- 肌トラブルがあった際に保証があるか(硬毛化や毛嚢炎など)
- 脱毛機の種類は複数あるか(効果がなかった際、別の機械で対応できるか)
- アフターケアは充実してるか(打ち漏れや硬毛化、毛嚢炎などがあった際、無料でフォローがあるかどうか)
上記を踏まえた上で、あなたにピッタリのクリニックを選んで下さい。
まとめ
いかがでしたか。脱毛機によってそれぞれ様々な特徴があります。まずは、ご自身の予算や希望の期間、肌質なども含めしっかり産毛に対応できる機械を見極めましょう。そして、カウンセリングやフォローがしっかりあるリニックで肌トラブルのない美肌を目指しましょう!
この記事が、皆様のお役に立てることを願っております。
記事監修
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山下真理子先生
京都府立医科大学を卒業して、医師に。 大阪市内で美容医療に携わりながら、医療教育にも従事。 コラムの執筆やモデル業の傍ら、17公式ライバーとしてライブ配信も行っている。