ピコトーニングの効果とは?
「ピコトーニング」は「ピコレーザー」に搭載されている3種類の照射モードのひとつで、従来のレーザーでは治療が難しい肝斑や薄いシミにも効果的な治療として人気があります。
肝斑や薄いシミ以外にも、毛穴の開きやニキビ跡、顔全体のくすみなどの改善も期待できるほか、赤み・かさぶたといったダウンタイムが現れにくいのが特徴です。
これまで改善しにくかった肌悩みに対応できること、そしてダウンタイムが短く治療後の日常生活に影響が出にくい点が支持されています。
ピコトーニングで改善できる肌悩み
ピコトーニングで肝斑を改善
肝斑は外部からの刺激を受けると悪化することから、従来のシミ取りレーザーでは効果的な治療ができませんでした。
しかし、ピコトーニングは弱い出力のレーザーをシャワーのように細かく照射するため、肝斑の悪化を招くほどの刺激を与えずに肌の状態を改善する効果が期待できます。
ただし、肝斑治療はやみくもにピコトーニングを照射すればいいわけではなく、肌と肝斑の状態を見極めること、そして症状にあった出力設定が欠かせません。
また、肌の色素が部分的に抜けて目立つ「白斑」を起こすリスクもあるため、治療を考える場合はピコトーニングの施術症例数が多く、技術の高い施術者がいるクリニックを選ぶことが重要です。
ピコトーニングでシミ・そばかす・くすみを改善
ピコトーニングは、シミやくすみの原因となるメラニン色素を衝撃波で細かく粉砕し、肌のターンオーバーとともに排出されやすくする治療方法です。
そのため、シミ・くすみ・そばかすはもちろん、ニキビ跡や傷跡といった色素沈着による色むらも改善する効果が期待できます。
ただし、広範囲ではなくピンポイントで目立つシミやそばかす、ニキビ跡など部分的な治療を考えているなら、ピコトーニングよりも「ピコスポットモード」のほうが効果的な場合もあります。
ピコトーニングとは異なり、ピコスポットは1週間程度のダウンタイムが生じるため、医師に肌状態を診断してもらい、自分にあった治療方法を選びましょう。
ピコトーニングで毛穴を改善
ピコトーニングの照射後は肌の真皮層が活性化し、コラーゲン・エラスチンの生成が促されます。
これによって肌のハリや弾力が増し、たるみが原因の毛穴開きが改善するともいわれているのです。
しかし、大きく開いた毛穴の場合、ピコトーニングを受けても改善効果をなかなか実感できないことがあります。
シミ・肝斑など肌の色むらではなく、毛穴を集中的に改善・治療したい場合は、同じピコレーザーを使った「ピコフラクショナルモード」のほうが効果的なことも。
色ムラより毛穴の改善をメインに考えたいときは、クリニックで相談してみてください。
ピコトーニングで赤ら顔を改善
ピコトーニングは赤ら顔の改善治療にも効果的です。
赤ら顔は顔の毛細血管の拡張が原因とされており、ピコトーニングは毛細血管のある真皮層まで作用するため、拡張した血管を収縮させる効果があります。
何回か照射を繰り返すことで拡張した毛細血管が正常な状態に戻り、少しずつ赤ら顔が改善していくしくみです。
しかし、赤ら顔は皮膚の乾燥や炎症、ステロイド薬などが原因でも起こるため、医師の診断を受けて自分にあった治療方法を選ぶ必要があるでしょう。
ピコトーニングは1回でも効果はある?
ピコトーニングは1回の照射でもある程度の肌質改善効果があります。
しかし穏やかな出力で照射するため、1回の治療で肌悩みが劇的に改善することは多くありません。
ダウンタイムが短い分、基本的に5~10回程度、繰り返し照射する必要がある治療だと考えておきましょう。
できるだけ少ない回数で効果を実感したい、1回ごとの効果を高めたい場合は、ピコトーニングと一緒にイオン導入や美白系内服薬の併用をおすすめします。
ピコトーニングを途中でやめるとどうなる?
ピコトーニングを途中でやめると、肌内部のメラニンが粉砕しきれず排出されなくなるため、改善しつつあった肝斑・シミが再発する可能性が高くなります。
しっかり改善するには、正しい紫外線対策とスキンケアをしながら、1~3カ月に1回程度の間隔で照射を継続するとよいでしょう。
ピコトーニングとフォトフェイシャルの違いは?
ピコトーニングとフォトフェイシャルはそれぞれ効果がよく似ていますが、その違いはレーザーによる治療か、光による治療かという点にあります。
また、レーザートーニングはひとつの波長を使って黒色のメラニン色素を狙うのに対し、フォトフェイシャルは複数の波長を使って、黒色以外に赤色にも効果を発揮します。
ピコトーニングとフォトフェイシャル、どちらが良いか迷ったら?
比較的皮膚の浅い層にあるシミやニキビ跡などの色素沈着・くすみ改善
→フォトフェイシャル
肝斑や肌の深い部分にあるシミの改善
→ピコトーニング
ピコトーニングは効果なしって本当?
ピコトーニングは、弱い出力のレーザーを顔全体に、均一に照射を繰り返すことで、肝斑や薄いシミ、顔全体のくすみなどを少しずつ改善していく治療方法です。
そのため、濃く目立つシミ、大きく開いた毛穴、ニキビ跡のクレーターやタトゥーなどを短い時間で改善するのが難しく、このような肌悩みを改善しようとピコトーニングのみを受けた人は「効果がない」と感じやすいのです。
濃いシミは「ピコスポット」、大きく開いた毛穴やクレーターは「ピコフラクショナル」での改善を検討してみましょう。
ピコトーニングまとめ
ピコトーニングは弱い出力のレーザーを顔全体に照射することで、従来のレーザーでは難しかった肝斑や薄いシミの改善に向いている治療方法です。
顔全体のくすみや赤み、たるみによる毛穴開きにも向いている一方で、濃いシミや大きな毛穴開きなど改善が苦手な肌悩みもあります。
せっかく治療を受けるなら「ピコトーニングは効果なし」と感じないよう、高い技術と豊富な経験を持つ医師にしっかり診断してもらい、肌にあわせた治療方法を取り入れたいですね。