背中のニキビ跡の種類とは
背中にできるニキビ跡は大きく分けて、赤み、色素沈着、クレーター、しこり(白色瘢痕)の4種類があります。
背中にできるニキビ跡も、基本的に顔にできるニキビ跡と同じと考えてよいでしょう。
赤み
毛細血管が透けて見えたり、皮膚や毛穴の内部になかなか治らないニキビの炎症が残っていたりすると、赤いニキビ跡になります。
色素沈着
ニキビの炎症によりよりダメージを受けたメラノサイト(シミの元を作り出す部分)が刺激され、大量に生成されたメラニン色素の働きで、茶色くシミやほくろのように見えるニキビ跡ができます。
クレーター
ニキビがひどい炎症をともなうことで皮膚の真皮層まで組織が破壊され、肌の表面にクレーター状のへこみ・くぼみができてしまいます。
しこり(白色瘢痕)
ニキビの炎症で皮膚組織が破壊されたあと、肌がダメージを受けた部分を過剰に修復した結果、固いしこりのようになっている状態です。ニキビと同じくらいの大きさで、白色をしています。
背中のニキビ・ニキビ跡の原因
背中にニキビができた後、ニキビ跡になってしまう原因はさまざまです。
ここでは、背中のニキビ・ニキビ跡ができる主な原因を紹介します。
角質肥厚による毛穴のふさがり
毛穴の周りが硬くなりふさがれてしまい、皮脂が排出されにくくなることで毛穴詰まりによる白ニキビが生じます。角質肥厚は紫外線や肌の乾燥、衣類の摩擦などの外部刺激が主な原因です。
皮脂の過剰分泌
皮脂が過剰に分泌されると毛穴から排出しきれず、毛穴が詰まってニキビが生じやすくなります。皮脂が過剰分泌されやすくなる原因には、ホルモンバランスの乱れやストレス、不規則な生活などがあります。
原因菌の増殖
ニキビを作り出す原因菌であるアクネ菌が白ニキビの中で増殖すると、炎症をともなう赤ニキビになります。毛穴がふさがり皮脂が詰まった状態だとアクネ菌が増殖し、その過程で炎症を引き起こすことが原因です。
過剰なストレス
不安、怒り、プレッシャーといった心理的なストレスや悩みによって、自律神経のバランスが崩れて背中ニキビが発生することがあります。自律神経とホルモンは密接な関係にあり、そのバランスが崩れることでニキビに繋がってしまいます。
睡眠不足
睡眠不足が続くと、傷ついた細胞組織を修復する成長ホルモンの分泌が減少し、ニキビ・ニキビ跡が治りにくくなります。成長ホルモンは睡眠中にもっとも多く分泌されるため、睡眠時間が短いほど新陳代謝も悪くなります。
ゴシゴシ洗い、シャンプーのすすぎ残し
背中ニキビ対策として背中を強くこすって洗うとかえって刺激になり、ニキビの発生や悪化を招きます。またシャンプーやトリートメント、ボディソープなどのすすぎ残しも、背中の毛穴が詰まってニキビが生じる原因です。
衣類・下着による蒸れや摩擦
顔や手とは異なり、背中は衣類に覆われこまめに清潔を保つのが難しい場所です。また衣類・下着で汗をかいて蒸れたり、摩擦による刺激を受けたりすることで、ニキビが発生しやすくなります。
体質・遺伝
皮脂の分泌が多い、毛穴が詰まりやすいといった肌質や、背中にニキビができやすいといった体質は遺伝することがあります。家族や親族に似たような人がいれば、遺伝によりニキビが生じやすい可能性があるといえるでしょう。
治療しても治らない背中ニキビは「マラセチア毛包炎」かも
しっかりニキビ治療や対策をしているのにひどいニキビが治らない、ニキビ跡が増えているという場合は「マラセチア毛包炎」の可能性があります。
ニキビとよく似た症状ですが、アクネ菌が原因のニキビに対し、マラセチア毛包炎は「マラセチア」というカビの一種である真菌が原因です。特に背中、デコルテ、肩など衣類で蒸れやすい場所で起こりやすく、一見するとニキビに似ているため自己判断が難しくなっています。
マラセチア毛包炎はニキビと原因が違うため、ニキビ治療薬では治りません。真菌を抑える抗真菌薬の治療が必要です。
背中のニキビ跡(赤み・色素沈着)を自宅で消したい時に効果的な美容成分
自宅でできるスキンケアで、赤みと色素沈着の背中ニキビ跡を改善したい方におすすめの美容成分を紹介します。
市販品でケアしたい場合は、以下の成分が配合されているかを基準に選んでみてください。
色素沈着によるニキビ跡におすすめの成分
ニキビが治った跡、ニキビ跡が茶色いシミやほくろのように残る「色素沈着」タイプのニキビ跡は、皮膚を守ろうとして過剰に生成されたメラニンが原因です。
美白作用の高い成分を配合したスキンケアを使用することで、メラニン色素を還元し、元の肌色に戻す効果が期待できます。
おすすめ成分は次のふたつです。メラニン色素を分解し、肌のターンオーバーを促進させて排出する働きがあります。
- ビタミンC誘導体
- ハイドロキノン
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炎症による赤みがあるニキビ跡におすすめの成分
強い炎症を起こしたニキビに多い「赤み」タイプのニキビ跡は、皮膚の中に炎症が残ったり、傷を治すため毛細血管が集まったりすることが原因です。
小さな炎症が残った状態になっているので、抗炎症作用のある成分を選ぶと赤みが落ち着きやすくなります。
おすすめ成分は次の3つです。抗炎症作用や殺菌作用を持ち、ニキビの原因菌を殺菌しながら炎症を抑えていきます。
- ビタミンC誘導体
- トラネキサム酸
- サリチル酸
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クレーターやしこりになったニキビ跡は自力での改善が難しい
ニキビ跡のうちクレーターやしこり状になったニキビ跡は、肌の真皮層まで強いダメージが加わっており、スキンケアや市販薬を使って自分で直すことは難しい状態です。
そんなときは、ニキビの予防効果があるスキンケアを使いながら、美容クリニックの治療を併用すると効果的。
プロの目で判断してもらい、早期治療を目指しましょう。
市販薬やスキンケアだけでは背中のニキビ跡が治らないことも
市販のニキビ跡治療薬も販売されていますが、中には自分の症状や肌質にあったものを選べず、かえって状態を悪化させてしまったという人もいます。
市販薬や市販のニキビ用スキンケアは軽度のニキビ・ニキビ跡であれば改善する可能性がありますが、広範囲にわたり強い赤みや色素沈着がある場合、完全なケアは難しいでしょう。
ニキビ治療をしている一般皮膚科では、ニキビ跡の治療を専門におこなっているところが少ないので、ニキビ跡治療のメニューが豊富な美容クリニックや美容皮膚科での治療がおすすめです。
美容クリニックで受けられる背中のニキビ跡治療
ニキビ跡の治療は一般皮膚科より、美容クリニックのほうが施術メニューが充実していることがほとんどです。
炎症を起こして進行中のニキビは皮膚疾患に該当するため、一般皮膚科で保険適用の治療をしてもらえます。
すでに炎症が治まりニキビ跡になっている状態なら、美容クリニックで専門的な治療を受けるとよいでしょう。
美容クリニックでおこなっている背中のニキビ跡治療の一例を紹介します。
ピーリング
専用の薬剤を皮膚に塗り、古い角質を取り除いて肌のターンオーバーを正常に導きます。
古くからあるケミカルピーリングのほか、レーザーや水を使ったピーリングなどもあります。
イオン導入
肌に微弱な電流を流し、ビタミンCなどの美容成分を肌に深く浸透させることで、ニキビの予防や美白効果、ターンオーバーの正常化などが期待できます。
ピーリングと組み合わせることも多い施術です。
ビタミン点滴
「高濃度ビタミンC点滴療法」とも呼ばれ、高濃度のビタミンCを体に直接点滴する方法です。
ビタミンCが持つ抗酸化作用によってニキビの改善や美肌効果が期待できます。
ピコトーニング
レーザー治療の一種で、弱い出力のレーザーをシャワー状に照射して、肌のメラニン色素の排出を促す方法です。
色素沈着のほか、肌の赤みや毛穴の開きにも効果が期待できます。
背中のニキビ跡治療まとめ
この記事では、背中のニキビ跡の種類や原因、おすすめの治療法などについて紹介しました。
背中のニキビ跡は基本的に顔のニキビ跡と同じですが、ニキビの原因やニキビ跡の種類に合わせた適切な治療方法を取り入れることが大切です。
セルフケアでなかなか治らないときには、ニキビ跡の治療が得意な美容クリニックで相談して、きれいな背中を目指しましょう!