レチノールって何?
「レチノール」とは、ビタミンAの一種のことです。
ビタミンAは、油に溶けやすい性質の脂溶性ビタミンであり、老化の原因ともいわれる活性酸素の働きを抑制する「抗酸化ビタミン」でもあります。
皮膚や粘膜の健康状態を保ち、免疫力を強化したり、ニキビ跡の赤みや色素沈着を改善しながら肌のハリ・弾力を高めるなど、幅広い美肌効果に期待ができます。
レチノール(ビタミンA)のニキビ跡改善効果とは
レチノールは、ニキビ跡改善のために研究・開発された成分です。
肌表面ターンオーバーを促進し、古くなった角質やメラニン色素の排出をスムーズにするため、赤みや色素沈着といった肌表面の色味が気になるニキビ跡の改善に効果的。
不要な角質を溜まりにくくすると同時に、ハリや柔らかさを改善しながら表皮層に厚みをもたせ、外的刺激を受けにくい健康な肌を目指すことができます。
肌内部でコラーゲン生成を促進するため、肌の凹凸が目立つクレータータイプのニキビ跡にも効果がないわけではありませんが、スキンケアは肌表面のみのアプローチとなるため、レチノールだけで劇的なニキビ跡改善を目指すことは難しいとされています。
クレーター・しこり・ケロイドタイプのニキビ跡は、肌深層まで届くフラクショナルレーザーやダーマペン、ポテンツァ、ケナコルト注射などの治療が効果的です。
レチノールには複数の形態がある
レチノールは大きく6種類に分類されます。
種類によって肌への刺激の強さや特徴、効果的な使い方などが異なりますので、自分の肌状態に合ったものを選ぶことが非常に重要です。
パルミチン酸レチノール・プロピオン酸レチノール、酢酸レチノールは肌を守る力を高める成分
「パルミチン酸レチノール」「プロピオン酸レチノール」「酢酸レチノール」は紫外線の影響を受けにくい上に、SPF20前後と同等の効果をもち、紫外線による肌の老化を防ぐ「守りのビタミンA」とも呼ばれています。
また、ビタミンAの中では安定性が高く刺激も少ないため、市販のスキンケアにも配合されていることも多い成分です。
肌が敏感な人でも比較的使いやすく、紫外線からの光老化を予防することも可能。
穏やかな作用でじわじわと効果を感じる成分なので、ニキビ跡改善よりも、肌のツヤ、キメ、ハリといった肌質改善に向いています。
レチノールはニキビ跡を集中的にケアしたい人におすすめ
「レチノール」は、肌への刺激や浸透性、効果、安定性のバランスが最も良いとされている成分です。
攻めのビタミンAに分類されますが、濃度や使用量・間隔を調整することにより、肌刺激をおさえつつニキビ跡の改善をすることもできます。
「ピュアレチノール」や「純粋レチノール」ともよばれ、市販品から医療機関専売品まで幅広く配合されていますが、市販品はマイルドな作用のものが多く、医療機関専売スキンケアは市販品よりも美容成分が高濃度で配合されているものが多いのが特徴です。
普段のスキンケアにレチノールを取り入れてみたい時は市販品、本格的なニキビ跡改善スキンケアを探している時は医療機関専売品といった選び方をしてもよいでしょう。
トレチノインはビタミンAの中で一番強い作用をもつ医薬品
「トレチノイン」は、ビタミンAの中でもっとも肌に強く作用する成分です。
医薬品に該当するため、使用する際は必ず医師の診察・処方が必要となり、日本国内のスキンケアには配合されません。
ニキビ・ニキビ跡の治療のほか、シミや深いシワの改善に使用されることもあります。
トレチノインは、肌への刺激が強く、皮むけや赤み、かゆみが生じる代わりに、3〜5ヶ月で様々な肌悩み改善を目指せるスキンケアブランド「ゼオスキン」のコスメを用いた治療プログラム「セラピューティック」が人気です。
「セラピューティック」は、自宅でできる治療ともよばれており、スキンケア以上のニキビ跡改善を求める方におすすめ。
効果最重視のプログラムとして高い満足度を得ている方が多い反面、しばらくメイクができないほどの皮むけや強い赤み・かゆみが生じるため、自分の肌質に合っているのか、いつ始めるのがベストなのかについて、取扱クリニックで相談してみましょう。
ニキビ跡改善目的でレチノール配合スキンケアを選ぶ時のポイント
レチノールは、濃度の高さが効果に比例する訳ではありません。
濃度により赤みや皮むけといった刺激の感じ方に差が出やすいため、まずは低濃度からスタートする、医療機関専売品は購入時にクリニックでよく相談するなど、自分にあった濃度の製品を慎重に選ぶことが大切です。
肌が敏感な方や、新しいスキンケアで肌荒れしたことがある方は、まず穏やかなパルミチン酸レチノールから肌を慣らし、段階的にレチノールへ移行していく方法をおすすめします。
ビタミンCやトラネキサム酸、セラミド配合のスキンケアを併用すると効果的
レチノール(ビタミンA)を使用する際、ニキビ跡が気になる肌には、ビタミンCやトラネキサム酸といったメラニン生成を予防したり、炎症を落ち着かせる成分を取り入れるとより効果的です。
ビタミンCとレチノールを併用する場合、水溶性のビタミンCと脂溶性のビタミンAはそれぞれがもつ性質の相性があまりよくないため、混ぜて使用せずにビタミンC→ビタミンAの順番で使用します。
また、レチノール使用中の肌は乾燥しやすくなるため、肌のバリア機能を強化して保湿力を高めるセラミドを併用するのもよいでしょう。
保湿することで赤みや皮むけも起こりにくくなるためおすすめです。
レチノールでニキビ跡改善を目指す際の注意点
レチノールは、使い始めてまもない頃や濃度を高くした時などに、赤み・皮むけといった「A反応」とよばれる症状が出てしまうことがあります。
もし出たとしても一時的なもので徐々に落ち着いていくことがほとんどですが、正しい使い方をしないとニキビ跡が悪化する可能性も。
こちらでは注意したいポイントをご紹介します。
注意点①自己判断で使用頻度を増やさない
レチノールは、規定量以上に塗る量を増やしすぎたり、塗る頻度を多くしすぎないことが大切です。
ニキビ跡やシミといった肌悩みがある状態では、肌のターンオーバーが低下している可能性があります。
ターンオーバーが低下している皮膚にたくさんのレチノールを塗ってしまうと、肌が炎症を起こしたり、副反応(A反応)が強く出てしまうことも。
特に初めてレチノールを使用する方は、部分的に塗布しながら様子を見たり、普段よりも強く乾燥を感じないかなど、肌の変化を注意深く観察してみてください。
注意点②自分の肌状態にあった濃度から使用する
レチノールを初めて使用するときは、レチノールの配合濃度の高さに注意してください。
効果や即効性を期待して高濃度のものを選んでしまうと、A反応を引き起こしやすくなります。
一般的に市販の化粧品に配合されているレチノールの濃度は、0.01~0.1%と幅があります。
たとえ肌質が強くてfも、レチノールに肌が慣れていない場合はA反応を引き起こしてしまう可能性があるため、0.1%以下の低濃度から始めるのが良いでしょう。その後は、肌の状態を見ながら、段階的に濃度を上げていくことをおすすめします。
注意点③紫外線対策を怠らない
レチノールは紫外線で分解されやすいため、使用中は紫外線を浴びないよう徹底してください。
レチノールを塗った箇所は、肌のターンオーバーの真っ只中で角質が薄くなります。真新しい皮膚が出てきている場合は、紫外線が当たると通常よりもダメージを受けるため注意が必要です。
レチノールを塗ったら、上からしっかり日焼け止めを塗って肌を紫外線から守りましょう。
製品によっては紫外線の影響を受けにくくするため、朝使用せずに夜のみの使用を推奨しているものもあります。
また、A反応が出ていて、日焼け止めすらも刺激になってしまう場合には、日傘を差してなるべく日陰を歩くなど、しっかりと肌を保護しましょう。
ヒフコおすすめ・レチノール配合スキンケア
毎日使いやすいレチノール配合スキンケアは以下の通り。
- エンビロン エンビロンCクエンストナー
- ゼオスキン デイリーPD
- リビジョン D.E.Jナイトクリーム
- ガウディスキン エクラリバイブ
それぞれの効果や特徴、価格についてはこちらの記事をご覧ください。
ニキビ跡とレチノールのまとめ
この記事では、ニキビ跡の改善に効果的な成分「レチノール」について、効果やおすすめのレチノール配合スキンケアをご紹介しました。
レチノール配合のスキンケア製品を初めて使う方や敏感肌の方は、クリニックで相談して使用してくださいね。
紫外線対策を徹底しながらレチノールで美肌を手に入れましょう。