「ここがもう少し細ければ…」といった体型のお悩みを抱える女性は少なくないはず。でも、運動や食事制限で理想のボディを手に入れるのは難しいですよね。この記事では「切らない脂肪吸引」とも言われ、部分痩せ治療に使われるHIFU(ハイフ)という痩身方法について解説します。
HIFUの効果とは
「HIFU(ハイフ)」とは、High Indensity Focused Ultrasound の頭文字の略称で、日本語では高密度焦点式超音波という意味になります。皮膚内部の狙った深さの一点に特殊なレンズを通した超音波を集中させ、体内に発生させた熱で皮下脂肪を破壊し、脂肪細胞そのものを減少させる仕組みになっています。
照射した部位の脂肪細胞はドロドロに溶けた状態になります。また、ショット数(HIFUを照射した回数のこと)が多ければ多いほど脂肪細胞は溶けやすく、皮下脂肪も減っていく=部分痩せ効果を得やすくなる、ということになります。
HIFUは1回の施術でも部分痩せ効果を期待できるため、「メスを使用しない脂肪吸引」と呼ばれています。
HIFU照射後の脂肪細胞はどうなる?
HIFUの超音波により破壊された脂肪細胞は、マクロファージ(白血球の一種)により徐々に消化され、体外に排出されていきます。個人差はありますが、HIFUの施術後、液状になった脂肪細胞が完全に体外に出るまでは8〜12週間ほどかかると言われています。
HIFUは超音波で脂肪細胞を破壊して排出する施術なので、皮膚にメスを入れて専用機機を使用する脂肪吸引のような外科手術をしなくても、脂肪細胞そのものを減少させる効果が期待できる痩身方法なのです。
エステのHIFUも効果はあるの?
HIFUはエステのイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。医療機関ではないエステサロンで使用している機器は、クリニックに比べ出力が抑えられていることがほとんど。想い描いたボディラインに近づけるためには、1部位につきクリニックよりも多い回数の施術と期間が必要になります。
短期間で高い効果を実感したい方は、医師または医療従事者が安全に配慮しながら行うクリニックでの施術をおすすめします。
HIFU痩身のメリット・デメリット
メリット
リバウンドしにくい
HIFU痩身の大きなメリットとして、施術を受けた部位のリバウンドが少ないことが挙げられます。私たちの身体は脂肪細胞の数が多くなると太りやすくなる傾向があるのですが、運動や食事制限では脂肪細胞を減らすことができません。このため、せっかく頑張ってダイエットしても、リバウンドしてしまう可能性があったのです。HIFUは脂肪細胞を破壊して体外に出す施術なので、リバウンド防止に有効なだけでなく、太りにくくなるというメリットもあります。
1回の施術でも高い効果が期待できる
美容クリニックで使用しているHIFUは、医療機関であるクリニックだからこそ使える高出力のマシンで施術を行います。およそ50℃後半から、機器によっては70℃以上という高温で狙った部位へのアプローチが可能です。効率的に脂肪細胞を減少できるため、1回の施術でも十分な痩身効果を期待できると言われています。「自宅からクリニックまでの距離が遠く、何度も通うのが大変」という方にも嬉しいポイントです。
美肌効果もある
HIFUの超音波によって皮下組織に十分な熱エネルギーが入ると、傷ついた組織が修復を始め、周囲のコラーゲンや線維芽細胞などが活性化します。この自然治癒力により、肌にハリや弾力が生まれるのです。また、熱エネルギーにより筋膜層が引き締まり、リフトアップ効果も期待できます。
デメリット
ある程度脂肪の厚さがないと施術ができない
皮下脂肪の厚みがあまりない場合、脂肪細胞以外の組織に影響が出てしまう可能性があるため、照射に25㎜の厚みを必要とするクリニックが多くみられます。皮下脂肪の厚みがあまりない部位に関しては、施術の対象外となることがあるので注意が必要です。
機械の出力が高いため痛みを感じやすい
高出力のクリニック用HIFUは照射時高温になるため、施術中痛みを感じることがあります。特に皮膚が薄い部や、骨に近いパーツは痛みを感じやすいです。麻酔使用ができるクリニックがほどんどですので、痛みに弱く不安がある方は、事前にクリニックへ相談してみることをおすすめします。
体重を落としたい人には向かない
痩せたい部分の脂肪細胞をへらす部分痩せやボディラインを整えたい方へ推奨されている治療なので、体重を落とすダイエットを希望する人には向かない治療法となります。
代表的な医療用HIFUボディ機器を比較
痩身用HIFUは、ウルトラフォーマーやライポソニック、リポセルなどのマシンを使用しているクリニックが目立ちます。
ウルトラフォーマー3
2014年に韓国で発売された機械です。ボディ用カートリッジは6,9,13㎜の3種類が用意されており、照射したい部位によって出力調整をしやすいマシンです。
治療が難しくなりがちな脂肪層が薄い部位(ふくらはぎ、足首など)への照射も可能となっています。
また、体用とは別に顔用のカートリッジも搭載されているため、二重顎やフェイスラインのもたつきにも効果が期待できます。ウルトラフォーマー3は、照射時の超音波の焦点が小さく密度が高いため、痛みがマイルドで施術のリスクが低いと言われています。
ライポソニックス
2012年にアメリカで発売されたライポソニックスはFDAの認可を受けており、効果と安全性が保証されている機器です。
ボディの脂肪が2.5㎝以上ある箇所であればどこでも照射できます。
腹部や太もも、臀部など、自己流ダイエットで効果を感じにくいパーツでお悩みの方に適しているとされています。
リポセル
2016年、韓国で「ライポソニックスの進化版マシン」として発売されたのがリポセル。カートリッジに肌表面をマイナス5℃まで冷やす「コンタクトクーリング機能」が搭載されており、照射時の熱さや痛みを大幅に軽減できると言われています。
また、この強力な冷却機能により火傷のリスクを抑えながら高出力で照射できるので、1回の施術でも高い部分痩せ効果が期待できます。カートリッジの種類が豊富なため、様々な部位に対応可能です。
ダブロゴールドボディ
リフトアップ用HIFUとして有名なダブロの最新機種ダブロゴールドにボディ用のカートリッジが登場。13mmの深さをピンポイントに照射することで、脂肪細胞を60℃にまで加熱して破壊します。皮膚表面には傷をつけず、脂肪細胞のみをターゲットとできるため、ダウンタイムがほとんどなく、痛みも少ないとされています。1回の施術でウエストなら2cm程度のサイズダウンが見込めるとされています。
ウルトラフォーマーⅢ |
ライポソニックス |
リポセル |
ダブロゴールドボディ |
|
ハンドピース |
6,9,13mm |
13mm |
8,11,13mm |
13mm |
適応部位(mm) |
6 →(二の腕・膝上・お腹・太もも) 9,13 →(お腹・お尻) |
お腹・ウエスト・太もも・お尻・お尻 |
お腹、ウエスト、太もも、二の腕、背中 (2.5㎝以上皮下細胞がある部位) |
二の腕、お腹、ウエスト、太もも(2㎝以上皮下細胞がある部位) |
料金(相場) |
部位→15-30万 |
4.5cm×4.5cm →1.5万~4万 部位→20~30万 |
3cm×3cm →5千~2万 部位→20~30万 |
5cm×5cm →1.5万~3万 部位→10~30万 |
HIFU治療の回数、注意点など
回数について
HIFUは1回の照射で希望する部位のサイズダウンが期待できると言われています。
ただし、脂肪の量やつき方には個人差が大きく、必要回数は一人ひとり異なります。実際にHIFUを受ける前に、クリニックの医師やカウンセラーとなりたいボディラインのイメージについてしっかり話し合い、施術プランを決めておくのも良いでしょう。
注意点
クリニックで受けるHIFUは、医療機関だからこそ扱える高出力な機器を使用します。効果が高い反面、施術後に青あざのような内出血を伴うため、2週間程度のダウンタイムが必要となってくるようです。また、照射した部位に筋肉痛に似た痛みを感じることもあります。
症状は自然と治まり、跡や痛みが残ったりするようなことはありませんが、大事な予定を控えている場合は、HIFUを受ける日程を調節すると良いでしょう。
HIFUを効果的に受けるクリニックの選び方
クリニックでHIFUを受ける際には、3つのポイントがあります。
時間をかけたカウンセリングをしてくれるか
HIFUで部分痩せ高い効果を出すためには、まずクリニックで医師やカウンセラーと目指すイメージをしっかり話し合い、イメージを一致させることが大切です。理想のボディに仕上げるまでの期間や料金はもちろん、施術中の痛みやダウンタイムなど、メリットやデメリットを分かりやすく説明してもらえるかという点は重要です。もしカウンセリングが不十分だと感じた場合は、複数のクリニックへ足を運んでみると良いかもしれません。
適切な料金設定になっているのか
施術にかかる料金が分かりやすく提示されているかもポイントです。インターネットや電車内の広告では、最も安い施術メニューの料金を記載していることもあるため、実際に必要な料金と大きな差があることも。「HIFUで希望部位へ効果を出すためにはいくら必要なのか」について、事前に確認することをおすすめします。
アフターケアや保証はしっかりしているか
万が一のことを考え、仕上がりの満足感や身体・精神面の負担をしっかりケアしてくれる「保証制度」があるかも大切なポイントです。内容はクリニックによって様々ですが、診察代や薬代が無料になったり、電話やメールで医師やカウンセラーが解決策を提案してくれるところもあります。施術の効果が思い通りにならなかった場合だけでなく、痛みや内出血が生じた場合などにも保証制度があると安心です。ホームページに保証内容や期間、対象になる範囲について記載されているクリニックもあるので、興味のあるクリニックは事前に調べてみるのも良いでしょう。
まとめ
通常のダイエットでは難しい部分痩せも、HIFUの力を借りればコンプレックス解消の手助けになる可能性は大いにあります。
エステサロンでもHIFUを取り扱っている店舗がありますが、1回で高い効果を実感したい方は安全に高い出力で施術可能なクリニックのHIFUをおすすめします。
HIFUを上手に活用し、バランスのとれた美ボディを目指してみませんか。