一般的にニキビ注射と謳っている注射の成分は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の一種である「ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)」を用いている場合が多いです。ケナコルトは皮膚組織の繊維化を抑えると同時に、抗炎症・抗アレルギー作用によりニキビの炎症を抑える効果が期待できます。炎症を長引かせずに早期に抑えることによって、ニキビ跡も残しにくくすると考えられます。

ニキビ ,注射

「赤くて大きなニキビができて目立つ。早くどうにかしたい・・・」外用薬の治療や、美容皮膚科での施術では改善が難しいほどの強い炎症性のニキビができた場合や、早期に炎症を抑えたい場合に「ニキビ注射」を検討してみてもよいかもしれません。ただし、即効性が期待できる一方でリスクもあるため、注意点を理解した上で治療を検討するとよいでしょう。

今回の記事では、ニキビ注射の成分や注意点、どのようなニキビに効果が期待できるのか、費用や治療回数の目安などを解説していきます。さらに、ニキビ注射以外に4種類のニキビやニキビ跡の改善が期待できる注射も紹介しますので、参考にしてみてください。

ニキビ注射の成分や効果、注意点

ニキビ注射の成分や効果、注意点

「ニキビ注射」は、ニキビの炎症を抑える薬を直接ニキビに注射する治療法です。

本章ではニキビ注射の成分や期待できる効果、治療前に理解しておくべき注意点についてご紹介します。

ニキビ注射の成分は「ケナコルト」

一般的にニキビ注射と謳っている注射の成分は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の一種である「ケナコルト(トリアムシノロンアセトニド)」を用いている場合が多いです。ケナコルトは皮膚組織の繊維化を抑えると同時に、抗炎症・抗アレルギー作用によりニキビの炎症を抑える効果が期待できます。炎症を長引かせずに早期に抑えることによって、ニキビ跡も残しにくくすると考えられます。

「尋常性痤瘡(ニキビ)治療ガイドライン(日本皮膚科学会ガイドライン)」でも、「ステロイド局所注射」の治療をニキビ(嚢腫※1・結節※2)に対して推奨し、肥厚性瘢痕※3に対しては選択肢の一つとして推奨しています。

※1嚢腫(のうしゅ):強い炎症を伴い、皮下に袋状に膿が溜まった状態

※2結節(けっせつ):硬いしこりになった状態

※3肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん):盛り上がったケロイド状の跡

ニキビ注射の効果

ケナコルト注射には「抗炎症」「繊維芽細胞の増殖抑制」「コラーゲン分解促進」などの作用があり、ニキビの炎症を抑える効果が期待できます。
赤・黄ニキビなどの炎症性のニキビや、肥厚性瘢痕・ケロイドなどのニキビ跡へ直接治療薬を注射していく治療です。

一般皮膚科で扱っていることもありますが、ニキビ治療を専門的に扱う美容皮膚科で治療を行っていることが多いです。

ニキビ注射はあくまで急性期の炎症を伴うニキビに対する対処療法であって、ニキビを予防するための治療ではないと考えられています。

そのため、繰り返しできるニキビに悩んでいる人は、新しいニキビを作りにくくする予防効果の見込める治療も併用して行うとよいでしょう。

ニキビ注射の注意点

「ケナコルト」の副作用により、注入場所や注入量によっては注射部位に脂肪萎縮を生じて一時的に陥没(凹み)が起こる場合があります。数ヶ月ほどかけて自然に元の状態に戻ることが多いといわれていますが、まれに戻らないケースも報告されています。また、ニキビ注射が適応となるニキビなのかどうかは、医師の見極めが最も重要だと考えられます。

より効果的な治療を受けるためには、「ニキビ治療を専門的に行っている美容皮膚科を選ぶ」または「ニキビ治療の経験が豊富な医師に担当してもらう(HPなどで経歴を確認し、予約時に治療を担当するドクターを確認しておく)」などの対策を行うことも有効でしょう。

ニキビができたからといって気軽にニキビ注射を行うのではなく、治療後に後悔しないために注意点を理解した上で慎重に治療を検討することが大切といえます。

ニキビ注射が適応となる症状の例

ニキビ注射が適応となる症状の例

基本的にニキビ注射は、顔全体にできたニキビよりも、部分的に大きな炎症を起こしている赤・黄ニキビや、しこりになっているニキビが適応とされています。

すでにできているニキビへの治療となるため、炎症を起こす前の初期ニキビ(白・黒ニキビ)や、同じ場所に繰り返しできるニキビを完治させる治療ではありません。

赤く色素沈着したニキビ跡や、凹んだニキビ跡(陥凹性瘢痕)の改善効果は見込めないでしょう。肥厚性瘢痕・ケロイドなどのニキビ跡の改善も期待できますが、症状が現れてからかなり時間が経過している場合は改善が難しいケースもあるようです。

ニキビ注射の費用や治療回数の目安

ニキビ注射の費用や治療回数の目安

ニキビ注射は一般的には自費治療で、まれに医師の判断で保険適応となる場合があります。ニキビの個数で金額を決めているケースが多いです。(1個 3,000円程〜)効果は個人差が大きいため、必要回数に関しては医師と経過を見ながら相談して決めるとよいでしょう。

ケナコルト以外のニキビ・ニキビ跡の改善効果が期待できる注射

ケナコルト以外のニキビ・ニキビ跡の改善効果が期待できる注射

本章では、ニキビやニキビ跡の改善が期待できる4種類の注射を紹介します。全て自費治療のため、医療機関によって金額の差がみられます。

プラセンタ(ヒトプラセンタ)

ヒトの胎盤から抽出される成分である「ヒトプラセンタ」には、細胞の成長に欠かせない成長因子やアミノ酸、ビタミン、ミネラルなど多くの成分が含まれており、自然治癒力を増大させるともいわれています。
抗炎症作用、ホルモンバランスやターンオーバーの正常化、メラニンの生成抑制など、さまざまな働きをもち、ニキビやニキビ跡を改善へ導くほか、ハリの向上やキメの整った肌を目指せます。

現在厚生労働省が認可している医療用プラセンタ製剤は、「メルスモン」「ラエンネック」の2種類で、どちらもヒト胎盤から抽出されたのプラセンタです。

生体由来の成分のため、「特定生物由来製薬」の指定を受けている関係で、ヒト由来のプラセンタ注射を受けたあとは献血が不可となる点に注意が必要です。

ちなみに、市販されているプラセンタサプリや化粧品は、馬や豚などの動物由来の製品が多いです。

リジュラン

サーモンのDNAから抽出される有効成分「PN(ポリヌクレオチド)」を注入し、肌の自然治癒能力を高め、ニキビ跡などのダメージの修復を図る施術です。
肌の修復・再生機能の活性化、成長因子の活性化、毛細血管の循環促進などの働きがあります。
また、皮脂分泌の抑制作用もあるため、ニキビの予防にも役立つといえるでしょう。

白雪注射

リジュランの進化版ともいわれ、「PDRN(ポリデキキシリボ核酸)」に加えて「グルタチオン※2」「高分子ヒアルロン酸※2」などを配合した製剤です。白雪注射を肌のダメージを受けた箇所に注入することで、肌の修復・再生を促し、ニキビ跡などを改善へ導きながら、肌の透明感や水分保持量を高めることが期待できます。

※1「PDRN」
サーモンの幹細胞を培養して抽出された「細胞活性因子」です。
成長因子の分泌を促し、肌の再生を活性化させます。ヒトのDNAと構造が似ており、比較的アレルギーや副作用が出にくいとされています。

※2 「グルタチオン」

3つのアミノ酸から構成される美肌効果が期待できる成分です。メラニンの生成を抑制し、シミやくすみ、色素沈着などの改善に役立ちます。

※2「高分子ヒアルロン酸」

肌の保水力を高めて、ハリ・弾力などをもたらします。

ボツリヌスリフト(マイクロボトックス)

表情じわの改善を目的に使用されることが多い「ボツリヌス注射」は、「A型ボツリヌストキシン製剤」を用いて筋肉の収縮を抑えるだけでなく、皮脂の過剰な分泌を抑制する効果も期待できるといわれています。

この特性を利用するのが、皮膚の浅い層(表情筋)に細かくボツリヌス製剤を注入する「ボツリヌスリフト」です。通常のボツリヌス注射と異なり、筋肉の表面線維のみの働きを抑制し、自然な表情を保ったまま毛穴の引き締めや、皮脂腺の働きを抑えることでニキビ予防効果などが見込めます。

まとめ

ニキビ注射の成分のステロイドの一種である「ケナコルト」は、皮膚組織の繊維化を抑えると同時に、抗炎症・抗アレルギー作用によりニキビの炎症を抑える効果が期待できます。

基本的には部分的に大きな炎症を起こしている赤・黄ニキビやしこりを伴うニキビが適応になり、顔全体にできているニキビや、白・黒ニキビなどの炎症を起こしていないニキビには効果は見込めないでしょう。

ニキビの根治治療のためには、ニキビそのものをできにくくする治療も同時に併用することが重要だと考えられます。

ニキビ注射にはリスクもあるため、治療を受ける前に注意点を十分に理解し、慎重な検討が重要だといえます。

その上で「ニキビ治療を専門的に行っている美容皮膚科を選ぶ」または「ニキビ治療の経験が豊富な医師に担当してもらう」などの対策を行うとよいでしょう。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

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