たるみ・しわ

サマークールは照射一回あたりの出力を抑えて複数回重ねて照射する「マルチプルパス照射」が採用されました。これにより、痛みのコントロールが可能となり一人ひとりの症状に合わせて効果的なたるみ治療ができるとともに、即効性も期待できるようになりました。耐えられないほどの強い痛みを感じるほどのパワーで照射することがなくなりましたが全く無痛の施術になったというわけではありません。この記事ではサマークールがどのように進化し痛みの軽減を遂げたのか紹介しています。

サーマクール 痛い

「サーマクールに興味があるけど、痛いらしいから不安」そう感じて、サーマクールでの治療をためらっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?確かに、登場当初のサーマクールは我慢できないほど痛みが強く、治療を断念した人もいたせいで、「サーマクール=痛い」というイメージが定着してしまったと言われています。また、痛みが強かったせいで、十分な出力での照射ができず、たるみに対する効果もイマイチ・・・なんていう評価につながっていたともいわれています。
しかし、サーマクールが登場してからすでに20年近く。その間、改良に改良を重ね、今では痛みが軽減されたとともに、以前はあまり感じることのできなかった「即効性」といった部分も改良されてきたといわれています。
この記事では、痛い治療だといわれていたサーマクールが、「痛みが少ない」治療になるために行った改良とその経緯、最新のサマークール機器についても徹底的に解説していきます。

サーマクールとは?

サーマクールとは?

サーマクールとは、RF(高周波)を皮膚に照射することで肌の奥深く(真皮層~皮下の線維隔壁まで)を強力に加熱して、たるみを引き締める効果が期待できるRF治療機のことです。2002年に登場した当初は世界初の「メスを使わないたるみ治療」として、FDA承認を得た機器でもあります。
サーマクールは、照射前後に皮膚表面に強力な冷却ガスを吹き付けながらRFを照射することで、肌表面のダメージを抑えつつ、皮膚の深部だけを50~60℃ほどに加熱します。これによって真皮のコラーゲンや皮下脂肪が収縮し、焼いたお肉が縮むように顔全体のボリュームが減るといった効果が期待できます。、また、特徴的なのがその加熱方法で、3cm四方、もしくは4cm四方の正方形のチップを肌に密着させてRFを照射し、縦・横・奥行の3方向から加熱するというバルクヒーティングという技術が用いられています。

即時的なコラーゲンなどの収縮による引き締め効果だけでなく、ダメージを受けた、コラーゲンを修復しようとする自己治癒力が働いて、線維芽細胞が活性化。2~3か月にわたって、新しいコラーゲンがどんどん産生され、肌のハリや弾力のUPという長期的な効果も期待できるのです。

現在、たるみ治療を目的とするRF治療機として、テノールやイントラジェンなどが登場しています。また、仕組みや作用が異なりますが、切らないたるみ治療としてはハイフも広く人気を集めています。それらと比較した際、サーマクールは減らしたい部分のボリュームを減らす効果と、たるんだ皮膚をギュッと引き締めるタイトニング効果の高さが特に評価されており、多くのクリニックで導入される「たるみ治療の代名詞的存在」となっています。

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最新のサーマクールは痛くない?

サーマクールは痛い?

前述したとおり、そもそもサーマクールの効果は、高周波エネルギーの熱作用によるものです。皮膚表面は冷却されるためダメージを受けませんが、皮膚深部は一時的に50~60℃に加熱されるということは目に見えない皮膚の内側が火傷しているのと同じことなので、熱感・痛みを感じるのは仕方がないことかもしれません。特に皮膚の薄い額やフェイスラインの骨に近い部分、顎下など、部分的に強い痛みを感じる部位があります。

初代サーマクール、2代目サーマクールNXTは、痛みを我慢できる程度まで出力を落とすと引き締め効果が弱くなり、逆にしっかり引き締めようと出力を上げるとかなりの痛みを伴うという施術でした。まさに「痛みなくして効果なし」といった状態で、痛みに耐えられず、治療を断念する人も少なくなかったそうです。そのため、「サーマクールは痛い」「痛いわりに実感できる効果が少ない」というイメージがついてしまったといいます。ただ、その後3代目のサーマクールCPT、現在のサーマクールFLXは、発売当初の「痛み」を克服し、さらに効果もアップするという進化を遂げたそうです。一体何が変わったのでしょうか?

サーマクールの痛みが軽減された理由

サーマクールの痛みが軽減された理由

サーマクールを開発したThermage社(現Solta Medical社)が、痛みについて徹底的に研究を重ねた結果、5つの点を改良することで痛みを軽減するだけでなく効果を高めることにも成功しました。

それでは、3代目サーマクールCPTから加えられた機能をご紹介します。

バイブレーション機能

「痛みの感覚よりも、振動の感覚の方が早く脳に伝わる」という「ゲートコントロール理論」に基づいて、RF照射と同じタイミングでチップが振動するバイブレーション機能が搭載されました。RFが皮膚を加熱すると同時にチップが振動するため、脳は「痛い」という感覚よりも振動のほうを優先的に感知。その結果、痛みを紛らわせることができるようになりました。なお、3代目のCPTではチップの振動は縦の一方向だけだったところ、FLXでは縦横奥の多方向に改良したため、より痛みを緩和する効果が高まったとされています。

パルス照射と冷却機能の向上

サーマクールCPTは照射方式にも改良を加え、RFの照射をパルス(断続的)にしたことで熱溜まりを防いで痛みを緩和することに成功しました。また、初期の頃はRF照射前後にのみ皮膚に強力な冷却ガスを吹き付けていたところを、CPTからは照射中も冷却が可能になったことが、安全性を高めるとともに痛みの軽減にも一役買いました。。

施術時間の短縮

チップの照射面積が、それ以前の1.0㎠から、CPTからは3倍の3.0㎠、さらに最新のFLXでは4.0㎠に大きくなりました。これにより治療時間を25%短縮できることとなったことから、照射時間=痛みを我慢する時間が短くなり、患者の負担が軽減されました。

加熱方法の進化

3代目CPTから採用された「トータルチップ」では、カプトンフレームという技術によって、組織を均一に加熱しつつ、より多くの組織を高温に保つことが可能となりました。加熱効率が上がったことで、それまでのチップよりも少ない熱感で高温にできるようになり、痛みの緩和だけでなく引き締め力も向上しました。

照射方法の進化

痛み緩和のための機能改良と併せて、RF照射方法の研究も進みました。サーマクールが登場したばかりの頃は、照射の出力・痛み・引き締め効果は比例するとされ、高い引き締め効果を望むなら、痛い思いをしながら高出力の照射を受ける必要があると考えられていました。しかしその後の研究の結果、高出力のRFを1回照射するよりも、一回の出力を低く抑えて同じ箇所に複数回重ねて照射したほうが、蓄熱効果でコラーゲンの熱変性率が上がるということがわかりました。

これによって、照射一回あたりの出力を抑えて複数回重ねて照射する「マルチプルパス照射」が採用され痛みのコントロールができるようになり、耐えられないほどの強い痛みを感じるほどのパワーで照射することがなくなりました。またこの「マルチプルパス照射」では、引き上げるべき方向やボリュームを減らすべき部位などを照射前にデザインすることで、一人ひとりの症状に合わせて効果的なたるみ治療ができるとともに、即効性も期待できるようになりました。

サーマクールFLXの治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧

サーマクールが効果的なたるみの症状とは?

サーマクールが向いているたるみの症状とは?

たるみの原因はさまざまなため、すべての症状にサーマクールが効果的とはいえません。サーマクールの特徴である「縦×横×奥行3方向の引き締め力」が活きるのは、厚めの脂肪が重みでたるんでいるような場合です。頬への施術でほうれい線、フェイスラインへの施術でマリオネットラインや二重あごなどに、特に高い効果が期待できます。引き締めだけでなく、コラーゲンの再構築によってハリも生まれるため、術後2~3か月の時間をかけて、肌をリフトアップへ導くともいわれています。逆に、脂肪が薄く、しわっぽい人には、ヒアルロン酸やPRPなどの注入療法のほうが向いているようです。

サーマクールの施術を受ける前に知っておきたいこと

サーマクールの施術を受ける前に知っておきたいこと

完全に無痛というわけではない

登場当初と比べてかなり軽減されたとはいえ、全く無痛の施術になったというわけではありません。肌の奥にじんわりと、痛みというより熱感を感じるという体験談が聞かれます。あご、フェイスライン、頬骨上などの骨に近い部位では、他の部位よりも熱や痛みを感じやすいようです。これらはいずれも、照射の瞬間のみの痛みで、後まで残る痛みではないといわれています。痛みが長く続く場合には、我慢せずにすぐ医師に伝えましょう。

麻酔について

サーマクール施術時の表面麻酔は推奨されていません。麻酔で熱・痛みの感じ方が鈍くなると、仮に必要以上に出力が強くなっていたとしても気付くことができず、強く照射し過ぎて火傷になる危険性が大きくなるからです。

施術後のケア

サーマクールには強力な冷却機能が備わっており、皮膚表面を熱から守るため、ダウンタイムは殆どなといわれています。施術直後のメイクや、施術当日の洗顔・入浴も可能としているクリニックが多いようです。熱が加わるので、まれに赤みやほてりが残ることがありますが、数時間程度で治まるといわれています。術後は、加熱によって一時的に肌の水分が奪われて、乾燥しやすい状態になっています。丁寧な保湿が大切です。

経験豊富な医師による施術を受けましょう

たるみ治療は、顔面の解剖学に精通した医師による、「どこに、どの方向に、どんな強さで照射すると効果的か」の見極めが重要といえるでしょう。もちろん、サーマクールの仕組みについての正しい理解も不可欠です。

サーマクールには、医師のみを対象としたトレーニングプログラムと、トレーニングを修了した医師へのサーマクール認定医制度があります。サーマクールの効果を最大限に引き出すために、照射方法を独自に研究している熱心な医師も少なくありません。とはいえ、看護師が照射することで値段を安く設定しているクリニックや、ボディのみ看護師が照射するようなクリニックも存在します。施術者が誰なのか不安があれば、カウンセリングで確認することをおすすめします。

まとめ

サーマクールの痛みは、マシンの改良と照射方式の研究によって、登場当初に比べて大幅に軽減されたことがわかったかと思います。サーマクールでのたるみ治療に興味があったけれども、痛みが不安で二の足を踏んでいた…という方も、思い切って挑戦してみてはいかがでしょうか?

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