陶器のように色むらのない白い肌にあこがれるけれど、頬や小鼻まわりの赤みがコンプレックスという方も少なくないのではないでしょうか?
肌の赤みをコンシーラやコントロールカラーを使ったメイクでカバーしたり、スキンケアを見直して症状を和らげたりすることはできても、根本的な改善にはつながらないことも。
ここでは、クリニックで受けられる、肌の赤みに有効なVビームや光治療のなどの痛みやメリット、デメリットについて解説します。
肌の赤みの原因とは?
肌の赤みと一口にいっても「鼻の頭が赤い」「頬が赤くてりんごのよう」など症状は様々ですが、原因は主に次の2つです。
- 毛細血管の拡張
- 皮膚の炎症
それぞれどのような要因で起こり、どういった症状が見られるのでしょうか。
毛細血管の拡張による赤み
皮膚の真皮にある毛細血管が広がって表皮近くまで伸びてきて、肌表面から透けて見えるようになった状態です。
気温差や、怒りや緊張といった感情の変化、飲酒などの影響で血流が増えて、一時的に毛細血管が広がり肌が赤くなるというのは誰にでもあることですが、広がった血管がもとに戻らなくなると、毛細血管拡張症と呼ばれるようになります。
毛細血管が拡張する原因は、
- 紫外線の影響
- 加齢による皮膚の変化
- 内臓の病気からくる皮膚疾患
など様々です。
生まれつきの場合もありますし、色白だったり皮膚が薄かったりすると、血管が透けて見えやすくなるという体質的な要因もあります。
主に見られるのは次のような症状です。
- 血管が網目状に見える(主に頬)
- 小鼻やその周辺が赤く目立つ
- 顔全体が火照ったような感じに見える
- 気温の変化で悪化する
皮膚の炎症による赤み
皮膚炎やニキビを繰り返すことも赤みの原因となります。炎症による赤みは炎症後紅斑ともいい、炎症が起きた部分に起こります。炎症によって毛細血管がダメージを受けることで、拡張や異常増殖に繋がり、赤みとなって現れるのです。基本的には炎症がおさまることで自然と治癒することも多いのですが、皮膚の深い部分が炎症によってダメージを受けた場合、なかなか治らずに数年が経過してしまうことも。
炎症による赤みとして主に見られるのは、次のような症状です。
- ヒリヒリ感を伴う
- ニキビや湿疹、虫さされの後に赤みや紫がかった斑点として残るまた、炎症を繰り返すことで毛細血管の拡張がもとに戻らなくなり、毛細血管拡張症につながることもあります。
赤みのホームケアのポイント
肌の赤みはセルフケアでの改善は難しいとされていますが、ホームケアを少し変えることで少し目立たなくなる可能性も。以下に、日常生活に取り入れやすい3つのポイントを紹介するので、一度試してみてはいかがでしょうか?
摩擦しない
特に洗顔時は気づかない内に顔を擦ったりしていることも。洗っている時よりもタオルで顔を拭くときに意外とゴシゴシしてしまい、それが原因で慢性的な赤みにつながってる可能性もあります。
そこでオススメなのが使い捨ての洗顔タオル。こすることなく水分を素早く吸収してくれるので、赤みの予防だけでなく、肌の質感が変わるといった効果も期待できるそうです。さほど高価なものでもないので、一度試してみるのもいいかもしれません。
抗炎症成分を取り入れる
スキンケアアイテムを選ぶときは、抗炎症成分の入ったものにするだけでも赤みのタイプによっては改善が見られることがあります。
抗炎症作用のある成分としては
- トラネキサム酸
- グリチルリチン酸ジカリウム
などがあります。「肌荒れ」用の薬用化粧品の他に美白化粧品にも配合されることの多い成分ですので、スキンケア選びの際は注意してみてください。
内服薬&外用薬が効果的
炎症を抑えて赤みを改善するには内服や外用も有効だとされています。ただし、即効性があるわけではないので最低でも2〜3ヶ月は継続することが大切です。
赤みに効くとされている薬
内服:ビタミンB2、B6・ビブラマイシン(抗生剤)等
外用:メトロニダゾール・イベルメクチン等
毛細血管が原因の赤みを治療するには、毛細血管に直接働きかける必要があり、セルフケアではなかなか力の及ばないところです。
炎症による赤みは、早期のうちならスキンケアや薬でもある程度の改善が期待できますが、長引いてしまった場合には、やはりセルフケアは難しくなります。
思い切ってクリニックでの治療を検討してみてはいかがでしょうか。
肌の赤みに有効なクリニックでの治療法
クリニックでの赤み治療に使用されている機器をご紹介します。
Vビーム
シネロン・キャンデラ社のVビームは、波長595nmのレーザーを用いた治療法です。
このレーザー光は赤血球に含まれる酸化ヘモグロビンに吸収されやすく、吸収されると熱エネルギーに変換され、赤血球を加熱します。赤血球から拡散する熱で毛細血管が収縮・破壊されることで、赤みを改善へと導きます。
(出典:https://www.shinagawa.com/skin_akaragao/)
Vビームによる治療では、毛細血管拡張症の場合には健康保険の適用となります。保険適用外ですが、ニキビや湿疹の痕の治療にも用いられます。
照射時には輪ゴムではじかれるような痛みがありますが、麻酔クリームを使用することで痛みを和らげることができます。
健康保険の適用となっていることからもわかるように、毛細血管に対する効果が高いとされている治療法です。反面、皮膚への刺激が強い治療法であるため、腫れや赤みといったダウンタイムが重めです。照射部位にアザのような内出血や、炎症後色素沈着が起こることもあります。
費用相場:症状や治療範囲によって5,000~50,000円 健康保険が適用になる場合もあり
施術の頻度:毛細血管拡張症には3カ月ごとに3~5回程度、ニキビ痕などには3~4週間ごとに3~5回程度の施術が推奨される
光治療
特性の異なるいろいろな波長の光をまとめて束にしたようなイメージの光、IPLを照射する治療法です。
IPLにはヘモグロビンに吸収されて熱エネルギーに変換される光が含まれています。この熱で赤血球を破壊・血管を収縮させることで、赤みを改善に導きます。
(出典:https://sano-hifuka.com/cosmetic-dermatology/skindisease-1756/)
カメラのフラッシュのような光を肌全体に広く照射するIPLは、Vビームに比べると効果が穏やかで、回数を重ねることで赤みを徐々に改善へ導きますが、完全に消すことは難しいといわれています。効果が穏やかな分、肌への刺激が少なく、施術中の痛みは軽く、ダウンタイムもほとんどありません。
様々な波長の光を同時に照射するため、赤み以外にも
シミやそばかす、小ジワや開き毛穴といった症状にも効果が期待できます。
費用相場:20,000~50,000円
施術の頻度:3~4週間ごとに5回以上の施術が推奨される
光治療(IPL・フォト)の治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
マイクロニードルRF
フラクショナルニードルRFと呼ばれることもあります。
髪の毛よりも細い極細針を肌に刺した状態で、針の先端からRF(高周波)を照射する治療法です。肌の深部を直接加熱することができ、真皮層にある毛細血管に直接作用して破壊することが可能です。
近年の研究で、老化した細胞が炎症物質を出すことがわかりました。この炎症物質に対する防御反応として毛細血管が拡張し、血流が増えることが、赤みの原因となります。マイクロニードルRFは、熱で老化細胞を減少させることが可能とされています。原因物質を取り除くことで、毛細血管が新たに拡張や増殖するのを防ぐ効果があるとされて、赤みの再発防止も期待できます。
真皮層のコラーゲンに対しても熱作用を及ぼすため、コラーゲンの熱変性によって肌にハリが出る、毛穴が引き締まるなどの美肌効果も同時に得られるとされています。
マイクロニードルRFマシンには様々な種類がありますが、真皮と表皮の間にある基底膜に作用することでメラニンの産生を抑制し、肝斑治療も可能としている機種もあります。
費用相場:50,000~150,000円
施術の頻度:3~4週間ごとに3~5回程度の施術が推奨される
フラクショナル(マイクロニードル)RFの治療が受けられる東京都内の美容クリニック一覧
赤み治療比較表
赤み治療のメリット・デメリット比較表
Vビーム |
光治療 |
マイクロンニードルRF |
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施術時の傷み |
強い(麻酔可) |
弱い |
部位によっては強く痛む |
ダウンタイム |
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メイクは当日から可能 |
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メリット |
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デメリット |
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まとめ
肌の赤みの原因は、主に
- 毛細血管の拡張
- 炎症
ですが、自己判断は禁物です。自己流の誤ったケアが悪化を招くこともあり得ます。また、改善には肌の深部に働きかける必要があり、そもそもセルフケアが難しい肌トラブルだと言えます。
体質だから仕方ない…と諦めていた方や、いつもメイクで隠している…という方も、一度クリニックで相談してみてはいかがでしょうか。