大阪で“中卒弁理士”として活動し、SNSで注目を集める瀬戸麻季さん。1990年生まれの34歳。SNSでの情報発信を中卒弁理士として行い、その投稿で多くの反響を得てきた。「多分日本で、中卒の弁理士は私くらいじゃないかなと思います。弁理士自体が全国で1万人くらいしかおらず、しかも理系が多い。高学歴が普通なのです。資格取得そのものは学歴不問ですから、中卒でも資格を取得できました」
そんな瀬戸さんは11月23日の昼に顎の脂肪吸引を受けたところ、夜に皮下出血が徐々に悪化。結果として救急車を呼び、神戸の病院で3日間、ICU(集中治療室)で入院する状況になった。
この時に瀬戸さんは25日の朝に次のように写真を付けてXに投稿した。
Xの投稿
土曜日に、某大手の有名美容整形外科で顔の脂肪吸引をしたところ、
— 中卒弁理士〜瀬戸麻希〜特許意匠商標の出願受け付けます〜反反緊縮〜 (@ensemble43530) November 24, 2024
直後に、首に大きな血腫が出来て呼吸が苦しくなったので救急車を呼び、
現在、神戸市立医療センター中央市民病院のICUに入院🙄
気道閉塞防止のために経鼻人工呼吸器つけてるので、一言も喋れない🙄
改めて、顔の脂肪吸引って怖い…🙄 pic.twitter.com/zeP9hZcMAA土曜日に、某大手の有名美容整形外科で顔の脂肪吸引をしたところ、
直後に、首に大きな血腫が出来て呼吸が苦しくなったので救急車を呼び、
現在、神戸市立医療センター中央市民病院のICUに入院🙄
気道閉塞防止のために経鼻人工呼吸器つけてるので、一言も喋れない🙄
改めて、顔の脂肪吸引って怖い…🙄
「施術を受けた医療機関を悪く思ってはいませんが、私の経験が脂肪吸引をした場合にこうしたトラブルが起きることがあると伝えることで、社会に役立てればと思いました」と瀬戸さん。筆者は12月11日に瀬戸さんに新大阪に近い会議室で会い話を聞いた。
即日施術を昼に受けて、夕方から血腫が悪化
瀬戸さんはこれまで何度か美容医療の施術を受けてきた。それにより自身の顔立ちに少しずつ調整を加えてきた。
「20代までは美容整形なんて全く考えてなかったんです。でも30歳を過ぎるといろいろ気になるところが出て、初めて受けたのが2年くらい前ですね。そのときは糸リフト、ボトックス、ヒアルロン酸だったんです。そこから裏ハムラや小鼻縮小とか、いろいろやってきて、今もボトックスやヒアルロン酸は定期的に打ったりしています」
これまで大手クリニックでの経験は基本的に満足できるものだった。11月下旬により大阪の別のクリニックで受けた顎下と頬の脂肪吸引が、想定外のトラブルにつながった。
その日、瀬戸さんはカウンセリングから時間を空けず、即日で顔の脂肪吸引施術を受けた。費用は30万円弱ほど。
瀬戸さんは、医師には「ここをたくさん取ってください」と、顎や頬の辺りの脂肪を取ってもらうようにお願いしていた。
小さなカニューレで頬や顎下から脂肪を約8割取り除く計画だった。美容整形業界では即日施術が珍しくなく、特に疑問もなく手術台に上がった。施術したのは顎下と頬辺り。施術は午後3時頃から始まり、終了したのが夕方5~6時頃。
瀬戸さんは「終わった直後は少し腫れている程度で、ちょっと腫れたかなという感じでした」という。
同日の夜8時くらいから急に腫れ始めた。顎から頬にかけて血腫が発生して、赤黒くパンパンに腫れが上がった。4歳の双子の子どもたちは状況を当然飲み込んではおらず、まさか命に関わる事態になるとは思っていない。「ママ、太りすぎじゃない?」「お菓子食べ過ぎたんじゃないの?」などと心配そうに話しかけてきた。しかし、状況は深刻さを増していた。「見た目がおかしくなってしまった」(瀬戸さん)
「最初は副作用かと思っていました」
瀬戸さんは当時をこう振り返る。
「これは副作用なのかな?と思ってしまうんです。結局、私は呼吸が苦しくなって初めてこれはもう異常事態だと判断しましたが、その境目が素人には分かりづらい。正常な副作用なのか、それとも危険な状態なのか、その線引きが難しいです」と実感を込めて語る。
しかし、その腫れは尋常でなく、仰向けに寝ると呼吸が苦しくなるほどになった。
「どんどん腫れがひどくなって怖くなりました。2月頃にどこかで脂肪吸引が原因で死亡事故があったというニュースを思い出し、これ、呼吸が詰まるんじゃないかと不安になったのです。その時にも、まだとりあえず朝まで様子を見ようかと思っていました」(瀬戸さん)
続いて、後編では、救急車で病院に運ばれてからの経験と、そこで感じた思いや得られた教訓などを伝える。(続く)