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甘いものが好きな人の肥満を防ぐ腸内細菌を発見、ストレプトコッカス・サリバリウスが糖を変換、京都大学と東京農工大学の研究グループが報告

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腸内細菌が肥満を防ぐ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

腸内細菌が肥満を防ぐ。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 腸内細菌は、「腸活」のトレンドの中で年々注目されている。そうした中で、このたび甘いもの好きの人の肥満を防ぐ効果を持った腸内細菌が発見された。

 京都大学と東京農工大学の研究グループが2025年1月に、ネイチャー・コミュニケーションズという国際科学誌で発表した。

「短鎖脂肪酸」を生み出し肥満を防ぐ

糖を変換。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

糖を変換。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 食生活が欧米化して、砂糖の摂取量が増えており、これが肥満の人を増やす原因の一つになり、問題になっている。肥満は、病気の原因であると共に、美容にとっても厄介な問題になる。

 今回、発見された腸内細菌は、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)という腸内細菌。この腸内細菌が、砂糖を、消化、吸収しづらい多糖(菌体外多糖、EPS)に変換することが確認された。

 さらに、作られた多糖は、他の腸内細菌のエサになって、短鎖脂肪酸と呼ばれる物質に変換。これが血糖値の上昇を抑えるなどの効果を示し、肥満を防ぐことが分かった。

体重増加を抑える効果を確認

実験でも効果確認。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

実験でも効果確認。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 研究グループが行った動物実験によると、ストレプトコッカス・サリバリウスを摂取したマウスは、実際に体重の増加が抑えられて、血糖値の上昇や肥満が予防されることが確認された。

 その鍵を握るのは、短鎖脂肪酸が作られることだった。短鎖脂肪酸が血糖の上昇を抑える効果を発揮することが重要だと確認された。

 体に良い微生物を摂取することをプロバイオティクスと呼ぶが、今回の研究は、今後のプロバイオティクスへの応用が期待される。

 美容医療でも、食事への配慮が重視されており、腸内細菌の活用も一層注目される可能性がある。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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