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韓国メタヘルスケアが植毛ロボット「ARTAS」など買収、毛髪再生リードへ、AI×ロボティクスで毛髪技術の発展を加速、約30億円でカナダ・ヴィーナスコンセプトから事業取得

カレンダー2025.6.11 フォルダー 海外
ロボティクス技術とAIを組み合わせたARTAS。(写真/Venus treatment動画より)

ロボティクス技術とAIを組み合わせたARTAS。(写真/Venus treatment動画より)

 人工知能(AI)とロボティクス技術を活用した毛髪再生技術の最前線に位置づけられる「ARTAS」システムが、韓国企業の手に渡ることになった。

 2025年6月、カナダの美容医療機器メーカーであるヴィーナスコンセプト(Venus Concept)が、同社が保有する毛髪関連事業を韓国のメタヘルスケアグループ(Meta Healthcare Group)に売却すると発表した。

世界的に有名な植毛ロボットシステム

レーザーでガイドされた部分に管を挿入して毛を採取。(写真/Venus treatment動画より)

レーザーでガイドされた部分に管を挿入して毛を採取。(写真/Venus treatment動画より)

  • ARTASシステム→ 毛包の位置や角度、密度を解析し、レーザーガイドで高精度な植毛を行うAIロボット。医師が設計したヘアラインへ正確に移植できる。
  • 生着率・自然さが向上→ 手作業と比べて仕上がりが自然で定着率が高く、欧米で普及が進む。
  • 米国形成外科学会の評価→ AI技術による毛髪再生手術の成功率向上に期待が寄せられている。

 脱毛症は、美容医療や美容皮膚科の治療対象の一つ。薬を使った治療が一般的だが、植毛も有効な治療法の一つ。自分自身の毛髪を採取して、脱毛のある場所に植毛する方法となる。

 毛髪を採取する際には、毛髪が生み出す毛包ごと採取し、毛包を移植する。この方法は、FUE(毛包単位抽出)技術と呼ばれる。毛包を採取し、移植するときに、その場所や密度などを最適化するのは課題となる。

 今回、韓国企業の元に渡ることになった「ARTAS」システムは、自毛植毛を行うための先端のロボットとして国際的に知名度がある。このシステムは、毛髪再生において毛包採取と移植を最適化することができる。ロボットによりレーザーでガイドしながら、毛包を抽出し、医師がデザインしたヘアラインへ正確に移植する。毛包の位置、角度、方向、密度を解析し、正確な採取と移植を実現する。従来の手作業と比べて精度が高く、移植毛の定着率(生着率)や自然な仕上がりに優れるとされ、欧米を中心に導入が進んでいる。

 米国形成外科学会も2024年にその可能性を報告し、AI技術を利用したロボットにより、毛髪再生手術の成功率は大幅に向上するとの期待を示した。

植毛技術で韓国の存在感

韓国ソウル市の明洞。(写真/Adobe Stock)

韓国ソウル市の明洞。(写真/Adobe Stock)

  • 買収企業→ メタヘルスケアグループ(2021年設立の韓国医療テック企業)。中核企業はメタファーマ(2019年設立)。
  • 買収対象→ ARTASおよびNeoGraft。知的財産と米国内の製造拠点も含む。
  • 今後の期待→ 経営基盤の整った企業に移行することで、植毛技術の再開発と国際展開の加速が見込まれる。

 買収を行ったメタヘルスケアグループは、2021年に設立された韓国の医療テクノロジー企業で、美容医療を専門としている。中核企業であるメタファーマ(METAPHARM)は2019年に設立された。

 今回、メタヘルスケアグループはARTASのほか、別の植毛技術であるNeoGraftも取得する見込み。知的財産のほか、米国内の製造拠点を含めて取得する。植毛技術における韓国の存在感を高める転機となり得る。買収額は2000万ドル(1ドル144円とすると、約28億8000万円)。毛髪関連事業の売上高は2024年に約1250万ドル(同、約18億円)だった。なお、ヴィーナスコンセプトは2024年度に赤字に陥るなど、経営状態が悪化しており、事業を売却することで立て直しを図る。

 これまで経営難の企業において維持されてきた植毛技術が、新たな環境のもとで再開発されることで、発展の加速が期待される。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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