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まぶたの手術後に視力障害の報告、海外論文で複数確認、「脱脂で失明」のSNS投稿で不安広がる、目の奥の出血や麻酔の影響などが問題に

カレンダー2025.11.19 フォルダー最新研究
まぶたの手術のリスクとは?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

まぶたの手術のリスクとは?画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 下まぶたの脂肪を除く「脱脂」は、日本で一般的に行われている美容施術の一つ。

 その手術の後に視力が大幅に低下したという報告がSNSであり、医療関係者だけでなく一般の人たちにも不安が広がっている。こうした背景を踏まえ、海外の関連論文を確認した。

海外論文で報告されたまぶた外科手術後の視力障害

下まぶた。薄い皮膚と眼輪筋の間には脂肪がない。筋肉の下はすぐ骨がある。下まぶたを後方から押すように眼窩脂肪がある。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

下まぶた。薄い皮膚と眼輪筋の間には脂肪がない。筋肉の下はすぐ骨がある。下まぶたを後方から押すように眼窩脂肪がある。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 報告概要 → 海外では、まぶたの外科手術(blepharoplasty)の後に視力の大幅な低下や失明に至った症例が、2005年・2011年・2018年・2022年など複数の医学論文で報告されている。
  • 眼窩内出血・腫れ → 眼球の奥で出血や腫れが起こり、視神経が圧迫され血流が途絶える。
  • 局所麻酔の影響 → 麻酔に含まれる成分が瞳孔を拡大させ、急性緑内障様の発作を引き起こすケースも報告。

 海外では、まぶたの外科手術の後に視力が大きく低下したり、失明に至った症例が複数の医学論文で報告されている。

 2005年、2011年, 2018年、2022年などに発表された論文では、共通して手術直後から数日以内に急激な視覚異常が起きたケースが示されている。

 原因として多いのが、眼球の奥で起こる出血や、腫れによる圧迫で視神経の血流が途絶えること。眼の奥は非常に狭い空間で、少量の出血でも圧が高まり、視神経の血流が止まると短時間で回復の難しいダメージにつながる可能性がある。

 また、局所麻酔に含まれる成分が瞳孔を広げ、急性緑内障のような状態を引き起こしたとみられる症例もある。急性緑内障は早期治療で改善することも多いが、対応が遅れると視力障害が残るケースも報告されている。

 なお、論文に登場する手術名は「blepharoplasty(まぶたの外科手術)」で、上のまぶた、下のまぶたの手術を幅広く含んでいる。日本でいう「脱脂」は下まぶたの手術の一部と考えられる。それでも、下まぶたの脂肪にアクセスするという構造上の共通点からリスク自体は存在すると考えられるだろう。

まれではあるが重い合併症

手術のリスクを理解する。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

手術のリスクを理解する。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 発生頻度 → 2011年の論文では、まぶたの外科手術による視力喪失(永久的・一時的)は、いずれも10万件あたり数件と報告されている。
  • 主な症状と原因 → 症状は手術直後〜24時間以内に多く、痛みや圧迫感を伴う。主因は眼窩内出血で、高血圧の人はリスクが高い。
  • 治療と注意点 → 治療は眼窩減圧術、ステロイドの投与、カントトミーなど。

 2011年の論文では、まぶたの外科手術で永久的あるいは一時的な視力喪失となる頻度はいずれも10万件あたり数件と記述されている。

 一般的な症状としては痛みや圧迫感が多く、症状は24時間以内に出ており、手術中から1時間以内、あるいは術後6~12時間のタイミングでピークがあったとされる。

 高血圧の人はリスクが高いとされ、目の奥の出血が失明の主な原因とされた。治療としては、眼窩内の圧力を下げる「眼窩減圧術」、ステロイド治療、カントトミー(目の外側を切る手術)などが行われていた。

 まぶたの手術を検討する場合は、施術内容やリスクについて十分な説明を受け、理解した上で判断することは欠かせない。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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