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GLP-1は美容医療を押し上げる?使用者は4タイプに分類、マッキンゼー分析が示したニーズの後押し 米マッキンゼーのヤンセン氏がIMCAS World Congress 2026で講演

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IMCAS World Congress 2026で講演した米マッキンゼーのヤンセン氏。(写真/編集部)

IMCAS World Congress 2026で講演した米マッキンゼーのヤンセン氏。(写真/編集部)

 GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1薬)の使用が増えることで、減量後に美容医療を検討する層が広がっている可能性が示された。

 2026年1月にフランス・パリで開催されたIMCAS World Congress2026の講演で、米国マッキンゼー(McKinsey & Company)のレイ・ヤンセン(Leigh Jansen)氏が、GLP-1薬の継続的な成長が新たな美容需要を生み出すという分析を示した。

GLP-1薬が美容医療のニーズを刺激

IMCASでの講演。(写真/編集部)

IMCASでの講演。(写真/編集部)

  • 体重減少→ 減量によって美容への関心が高まり、美容医療への新たな需要が生まれている。
  • 関心層の分類→ 施術意欲や支出傾向により、4タイプの美容関心層に分類されている。
  • 市場の波及→ 主要カテゴリーに影響はあるが、全体が一様に伸びるわけではなく温度差があると分析。

 講演で、ヤンセン氏は、GLP-1薬の普及が美容医療のニーズを後押ししているという見方を示した。

 体重が減少することで、美容への関心がさまざまな側面で高まるという考え方だ。体重減少の幅、減量の段階、健康状態、美しさをどれくらい求めるか、経済的な条件によって、求める施術内容や予算規模は大きく異なると整理された。

 マッキンゼーでは、米国の医療提供者を対象とした調査に基づき、GLP-1薬を利用した人たちが美容に関心を示す観点から4タイプに分類している。

 それらは、費用を惜しまずより良い結果を得たい、外科も非外科治療も幅広く受け入れる「マキシマイザー(Maximizers)」、費用対効果を重視する「ストラテジック・オプティマイザー(Strategic Optimizers)」、平均的な人たちに近い、フィラーやボツリヌス療法を活用する「バリュー・シーカー(Value Seekers)」、外科的治療を選択する「サージカル・リゾルバー(Surgical Resolvers)」とされた。

 それぞれで年間支出額や治療への関与度が大きく異なる点が特徴とされた。

 同社は、GLP-1薬に関連したニーズが既存施術にどの程度波及しているかを公開資料などに基づいて検討している。

 美容医療市場が均一に伸びるとは見ておらず、ヒアルロン酸フィラー、ボツリヌス製剤、スキンケア、エネルギーデバイスといった主要カテゴリーは中心であり続けるものの、伸びには差があるとした。外科的施術は特定の層に限定されると分析する。

 北米市場は約100億ドル規模(日本円で約1兆5000億円)とされ、GLP-1薬の適応拡大や受容の広がりにより拡大余地はあると予想。ただし、過去のような20~30%の高成長が再現されるとの見通しは示されなかった。

これからの美容医療に3つのポイント

IMCAS World Congress 2026が開催されたパレ・デ・コングレ・ド・パリ。(写真/編集部)

IMCAS World Congress 2026が開催されたパレ・デ・コングレ・ド・パリ。(写真/編集部)

  • 提供価値の再設計→ 減量後の個別ニーズに応じたメニュー構成と価格設計が重要。
  • 治療の継続性→ 複数施術の組み合わせやサブスクリプションなど、治療計画のパーソナライズが鍵になる。
  • 信頼と成果の見える化→ 教育・データ整備・説明責任の徹底がブランドへの信頼につながる。

 マッキンゼーは「GLP-1が市場を自動的に押し上げる」と楽観視するのではなく、GLP-1薬の時代に業界がどう変わるかを課題として捉える重要性を3点にまとめた。

 第一は、提供価値の再設計。減量後のニーズは一様ではなく、施術の組み合わせや価格帯の最適化が求められる。

 第二は、治療計画のパーソナライズ。分かりやすく標準化された施術に導いてあげること。複数施術の組み合わせやサブスクリプションモデルなど、継続的な関係を前提にした設計が鍵になる。

 第三は、高品質かつ費用対効果の高いアウトカムの実現。教育体制の整備、アウトカムデータの蓄積、結果の可視化が不可欠で、説明責任を果たせる体制が信頼につながると指摘した。

 GLP-1薬の普及により新たな美容関心層が生まれる可能性は注目される。美容医療に求められる価値の変化は、日本市場にも通じるテーマといえそうだ。

参考文献

 ヒアルロン酸フィラー逆風、バイオスティミュレーター移行、TikTok顔が人気、世界的拡大は続く、経営コンサルのマッキンゼーが見る美容医療トレンド
https://biyouhifuko.com/news/world/8343/

 ゼップバウンド登場、90kg超の日本人で体重22.7%減も、偏見と「やせ薬」の危うさが課題に、虎の門病院・門脇氏ら登壇、保険適用と副作用など語る
https://biyouhifuko.com/news/japan/12546/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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