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血液から幹細胞など細胞成分を分離、濃縮して細胞治療に活用 美容やアンチエイジングなどを主な目的に KIMESで韓国発ミラセルが機器を展示【編集長コラム】

カレンダー2026.3.26 フォルダー連載・コラム
KIMES 2026が開幕。(写真/編集部)

KIMES 2026が開幕。(写真/編集部)

 血液や骨髄から幹細胞など細胞成分の分離や濃縮を行う韓国発の機器が、海外で展開されている。

 韓国の医療機器展示会KIMESでは専用機器が紹介されていた。

血液や骨髄から細胞成分を分離および濃縮

ミラセルのスマートMセル。(写真/編集部)

ミラセルのスマートMセル。(写真/編集部)

  • 自分の細胞を活用→ 血液や骨髄から幹細胞や成長因子などを抽出・濃縮。
  • 自動化で簡便に→ 約2時間で処理でき、操作もシンプルな設計。
  • 再生・美容に応用→ 組織修復やアンチエイジングなどへの活用が想定される。

 KIMESにブースを出していた韓国のMIRACELL(ミラセル)は、自分自身の血液や骨髄から幹細胞など細胞成分を分離、濃縮する装置を展開している。同社の中心となる製品は、「SMART M-CELL(スマートMセル)」で、これが細胞成分を自動的に抽出するシステムとなる。

 この機器では、血液を高速回転させて遠心分離を行い、2段階で赤血球層の分離と細胞濃縮を効率的に進める。抽出対象としては、幹細胞のほか、成長因子、ストローマ細胞由来因子(SDF-1α)、白血球、血小板などが挙げられる。

 分離、濃縮された細胞成分を再投与することで、組織再生や細胞活性化につなげる考え方を示している。

 血液用の「BSC Kit」と骨髄用の「BmSC Kit」が用意されているが、同社によると、実際の運用では採取の負担が少ない血液を使うことが多いという。

 会場での説明によれば、処理はおおむね2時間程度で完了するという。タッチスクリーンや音声ガイダンスを備えた自動化設計で、操作しやすさを打ち出している。

 ミラセルによれば、同社のシステムは韓国内で約770の医療機関に導入され、既に40カ国へ輸出されている。2019年の製品開発以降、韓国の新優秀技術(NET)認証や大韓貿易投資振興公社(KOTRA)による「次世代世界一流商品」にも選定された。

 この製品の用途は、主に美容、アンチエイジング、痛みの軽減目的だという。

40カ国へ展開、規制が影響

独自の容器を高速で回転させて細胞を分離する。(写真/編集部)

独自の容器を高速で回転させて細胞を分離する。(写真/編集部)

  • 海外で広く展開→ 約40カ国に導入され、韓国では多数の医療機関で使用。
  • 国ごとに規制差→ 欧州でも導入可否が分かれ、日本では未承認。
  • 普及は制度次第→ 技術だけでなく安全性や法制度が導入の鍵になる。

 一方で、同社によると、細胞成分の抽出装置は、国の制度によって受け入れ状況が大きく異なる。

 欧州でも国ごとに規制が分かれており、オーストリアやフランスなどでは使用されている一方、イタリアでは規制により導入が難しいという。会場での説明では、日本は導入先として挙げられていなかった。

 日本では、細胞を扱う医療について法制度や提供体制の枠組みが重視されるため、こうした機器の受け止められ方も海外とは異なる可能性がある。医療機器の承認状況を見ると、同製品名での日本での承認取得は見られない。

 血液由来の細胞成分を扱う機器の普及は、技術そのものだけでなく、各国の規制や制度によって大きく左右されていることがうかがえた。

 再生やアンチエイジング目的で効率的に細胞を取り出す機器が海外で利用されている。再生医療は海外でも注目度が高く、ほかにも新しい技術が登場する可能性も考えられる。

 一方で、日本国内では、このところ再生医療関連の事故が相次いで報告されている。仮に会議で関連の治療を検討する場合にも、安全性の情報は慎重に確認することが重要だろう。

参考文献

再生医療で投与中に急変し死亡、厚労省が緊急命令 自家脂肪由来間葉系幹細胞による再生医療などの一時停止を命じる 製造施設にも停止命令、日本の再生医療の運用で事故や問題が相次ぐ
https://biyouhifuko.com/news/japan/16958/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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