ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

ストレス緩和、睡眠サポート、膣内環境…これからはやるサプリメントや健康食品とは?

カレンダー2023.6.4 フォルダー 国内

ポイント

  • サプリメント・健康食品市場は化粧品市場に匹敵する規模
  • フェムケアは更年期対策や膣内環境などのキーワードが今後のトレンド
  • NMNと腸内環境など引き続き注目。ポストバイオティクスで新成分候補

 サプリメントや健康食品の利用は、日常生活に浸透しつつある。そんな中で、これから流行するサプリメントや健康食品は何だろうか。市場調査会社である富士経済が国内のサプリ・健康食品、腸活と呼ばれる腸内の健康を促す食品の最新動向や今後の予測を発表。これらのカテゴリーのトレンドが見えてくる。

若くても健康志向の高まりで利用

サプリメントのトレンドは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

サプリメントのトレンドは。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 同研究所によると、サプリと健康食品の市場は2022年度に前年比1.7%の成長を遂げて2兆7121億円に達すると予測している。この数字だけではあまりピンとこないかもしれないが、化粧品市場が3兆円弱なので、サプリの市場はこれに匹敵すると言える。コロナが流行している間は、コロナ太りやスポーツをサポートするようなサプリメントが人気だったが、今後は次のようなカテゴリーが人気サプリとして注目されそうだという。

  • 脂肪対策
  • 筋肉サポート
  • ストレス緩和
  • 睡眠サポート

 同社によると、高齢者の多い社会になり、サプリや健康食品の人気は着実に高まっていたが、若年層であっても健康志向が強まっており、今後さらに人気が高まると予測されている。

女性向けケアの「フェムケア」も人気

女性向けのトレンド。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

女性向けのトレンド。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 「フェムケア」は女性をケアするカテゴリーで、今回、富士経済は更年期や妊娠前~授乳期の女性向けの商品を調査した。多くはサプリで、大豆イソフラボンが代表的な成分となっている。そうした中で、これからのフェムケアのトレンドとして注目されるキーワードは次の通りだという。

  • 更年期対策
  • 膣内環境

 妊娠前後の「プレママ」や「マタニティー」関連のアイテムは出生率低下で成長が鈍い一方で、更年期対策は関連した女性が増えるため成長し、さらに膣内環境に関する機能性表示食品の登場が予測されるという。

NMNと腸内環境など引き続き注目

腸活も関連。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

腸活も関連。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ヒフコNEWSでも紹介したように、NMN(β-ニコチンアミドモノヌクレオチド)が注目されている。その特徴は、抗酸化、抗加齢の効果が期待できること。

 NMNが注目されるようになった背景には、20年に厚生労働省が食品と医薬品の区分について見直したときに、「医薬品効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)リスト」にNMNが追加されたことがあると紹介している。NMNはサプリの中でも高額であることが知られているが、「最近では価格低下によって利用者の裾野が広がる」と説明する。

 また、富士経済は、腸の健康を促す腸活についても現状や予測について情報提供している。腸活ブームの影響もあり国内市場は22年に前年比102.6%の1兆724億円に達した。

 こうした成長を引っ張っているのは、乳酸菌、食物繊維、プレバイオティクス。中でも、シリアルフーズやこんにゃくゼリーなどを含むプレバイオティクスは特に市場規模が大きく、前年比105.3%の4496億円になっている。今後は、腸活を通じた、脂肪やコレステロール値の改善やストレス緩和、免疫対策などを狙った商品が新たに登場することが予想されるという。

 さらに、今後のトレンドとしては、腸内細菌が作り出す代謝産物「ポストバイオティクス」が注目されるという。

 このカテゴリーでは、現在は「エクオール」を含むサプリや乳酸菌代謝産物がメーンのアイテム。エクオールは更年期症状の改善や骨粗鬆症予防が期待されて人気になっている。これらに加えて、今後のトレンドに上がる可能性がある成分には次のようなものがあるようだ。

  • ウロリチンA
  • HMPA(ヘキサメチルリン酸トリアミド)
  • HYA(10-ヒドロキシ-シス-12-オクタデセン酸)

 あまり耳馴染みのない成分ではあるが、いずれもポリフェノールや脂肪酸などが腸内細菌によって代謝されてできる成分である。今後、ポストバイオティクスとして食品に含まれた状態で目にすることがあるかもしれない。このほか腸活を通じた抗酸化、抗老化を訴求した商品、脂肪対策を訴求した商品も登場する見込みで、人気になる可能性はある。

 より賢い選択をする上で、こんなトレンドを知っておくのはよいかもしれない。

参考文献

サプリメントと健康志向食品の国内市場(H・B フーズ市場)を総括 予防意識の高まりで活況を呈する
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=23052.pdf

腸活関連の原料成分 6 品目と最終商品 4 品目の国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=23053.pdf

化粧品の国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=21107

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。