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写真で見える自分の顔と人から見える印象 自然な仕上がりをどう目指すか 美容医療にもかかりつけ医を 今泉スキンクリニック院長の今泉明子氏に聞く Vol.4

カレンダー2026.5.21 フォルダーインタビュー
今泉明子(いまいずみ・あきこ)氏。今泉スキンクリニック院長。(写真/編集部)

今泉明子(いまいずみ・あきこ)氏。今泉スキンクリニック院長。(写真/編集部)

今泉明子(いまいずみ・あきこ)氏
今泉スキンクリニック院長

  • 写真で客観視→ 静止時の写真と鏡での表情を見ながら、悩みの原因を確認する。
  • 見え方のずれを共有→ 本人が気にする部分と、人から見た印象が違うこともある。
  • 治療のゴールを一致→ 写真を使うことで、治療前後の認識のずれを減らしやすくなる。

──悩みを写真で客観的に見る。

今泉氏: 最初に写真を撮ります。その写真を見ていただき、ご自身の状態を客観的に確認してもらいます。静止時の写真を見た上で、鏡を使い、笑ったときなど表情を動かしたときの状態も一緒に見ていきます。

 真顔のときに気になるのか、笑ったときに気になるのか。どこが変化しているのか。そうした点を確認することが大切です。ご本人が気にしている部分と、他人から見た印象が必ずしも同じとは限らないからです。

 鏡を見ていると、「ここも気になる、あそこも気になる」となりやすいものです。ただ、それは自分がその瞬間に見ている現象です。写真で見ることで、人からどう見られているのかを客観的に確認しやすくなります。

──写真を使うことで、治療方針も共有しやすくなる。

今泉氏: 写真はとても役に立ちます。ご本人が状態を受け入れやすくなりますし、治療後の認識のずれも起きにくくなります。患者さんとのゴールを一致させるツールとして考えています。

 来院される方の中には、何をしたらよいか分からないという方も多くいらっしゃいます。「ここも気になるけれど、あそこも気になる」「YouTubeを見て来ました」という方もいます。その場合も、まず顔全体を見ながら話をします。

 私は、その方の一番よいところ、ポジティブなパーツをお伝えします。同時に、少し損に見えているところ、治療すると印象が変わりやすいところも説明します。自分で気にしている部分と、人から見られる印象は違うことがあります。そこを一緒に確認することが大切だと思っています。

──顔の流行は変わってきているのか。

今泉氏: 顔にも流行はあります。以前は、「この人の顔になりたい」というように、顔全体のイメージを持って来られる方が多かったかもしれません。

 最近は、特定の誰かの顔をそのまま目指すというよりも、「唇はこうしたい」「フェイスラインはこうしたい」というように、パーツごとに希望を出す方が増えている印象です。いろいろな要素を組み合わせて、自分なりにカスタムしているようにも見えます。

 一方で、パーツごとの希望を組み合わせた結果として、似たような顔になってきている印象もあります。今は、アイコンとなる顔を一つ選ぶというより、唇、鼻、フェイスラインなどをそれぞれ選んでいく傾向があるように感じています。

──年齢によって希望も変わる。

今泉氏: 若い方は、なりたい顔のイメージを持って来られることがあります。一方で、30代後半から40代以降になると、ドラマチックに変えたいというより、今の顔に少し新鮮さを出したい、10年前の自分に近づけたいという希望が多くなります。

 その場合は、今ある顔のよいところを生かしながら治療を考えやすくなります。大きく変えるのではなく、自然に見える仕上がりを目指すということです。今は、ナチュラルな仕上がりが求められる時代だと思います。

 不自然におでこが丸く出ている、鼻が過度に高い、顔がパンパンになっているといった仕上がりは、若い方でもあまり希望しなくなってきています。全体として、自然な方向に戻ってきているのではないかと感じています。

  • 自然な仕上がりへ→ 大きく変えるより、今の顔を生かして少しずつ整える流れが強まっている。
  • 継続して相談→ 3カ月単位のサブスクリプションで、状態を見ながら治療を組み立てる。
  • かかりつけ医のように→ 必要な治療と不要な治療を一緒に考える関係が重要になっている。

──自然な変化を続けていくための仕組み。

今泉氏: 自然な仕上がりを目指すには、一度の治療だけで完結させるというより、その方の状態を見ながら、必要な治療を組み合わせていくことが大切です。当院では注入治療に加えて、レーザーや肌治療なども組み合わせながら治療を考えています。

 最近は、3カ月を一区切りにしたサブスクリプション型のメニューも導入しています。何をしたらよいか分からないけれど、美容医療を始めてみたいという方に、まず3カ月ほど継続して通っていただき、どのような変化が出るのかを体感していただくための仕組みです。

 サブスクリプションの中には注入治療も入れています。注入とレーザー、肌治療などを組み合わせることで、マルチモーダルな治療を知っていただく機会にもなります。大きく変えるのではなく、状態を見ながら自然な変化を少しずつ積み重ねていくための仕組みとして考えています。

──サブスクリプションは、どのような人に向いているのか。

今泉氏: 年齢を重ねて美容医療を意識し始めたけれど、何をすればよいか分からない方がいます。あるいは、若い方でも、まだ早いのか分からないけれど、何か始めてみたいという方もいます。

 サブスクリプションを利用される方は、平均すると40代前半です。美容医療を少し意識し始める時期で、いきなり大きなお金をかけるのは不安という方にも合っていると思います。

 3カ月ほどきちんと通っていただくと、変化を実感しやすくなります。レーザー治療なども、1回で終わるものではなく、複数回行うことで結果が見えやすくなることがあります。初めて美容医療を受ける方でも、少し変化を感じることで自己肯定感が上がることがあります。髪型やファッションが変わる方もいます。

──継続して通うことで、相談もしやすくなる。

今泉氏: サブスクリプションのよいところは、来院される方とのコミュニケーションが増えることです。

 「これとこれをやりたい」と明確に決めて来られる方もいますが、多くの方は「これはやりたいけれど、残りは何がよいですか」「私の肌にはどれが合いますか」と相談されます。そこで、状態を見ながら優先順位をつけて進めることができます。

 最初の3カ月は肌の浅いところを中心に治療し、次の3カ月はもう少し深いところを考える、というように段階的に組み立てることもできます。マルチモーダル、マルチレイヤーの治療を進める上でも、継続して相談できる仕組みは有用だと思います。

──美容医療にも、かかりつけ医のような存在が必要になる。

今泉氏: 美容医療のクリニックは多く、医師も多いので、来院される方にとっては、何を基準に選べばよいのか分かりにくいと思います。そういう時に大切なのは、話をきちんと聞いてくれること、コミュニケーションが取れることです。

 美容医療にも、かかりつけ医のような存在が必要だと思います。何をしたらよいか分からない場合には、何もしなくてよいこともありますし、何かをした方がよいこともあります。その判断も含めて、医師がアドバイスすることが大切です。

 本当に必要なことを行い、必要でないことはしない。その方の長所や、自分では気づいていないよい部分を知っていただくことも、美容医療の大きな目的だと思います。美容医療が、自分をよりよく理解し、自信を持つための手助けになればよいと考えています。(終わり)

プロフィール

今泉明子(いまいずみ・あきこ)氏。今泉スキンクリニック院長。(写真/編集部)

今泉明子(いまいずみ・あきこ)氏。今泉スキンクリニック院長。(写真/編集部)

今泉明子(いまいずみ・あきこ)氏

今泉スキンクリニック院長。1997年聖マリアンナ医科大学卒業。同大学院でアトピー性皮膚炎に対する抗アレルギー薬の効果を研究し、博士号を取得。日本赤十字医療センター皮膚科勤務を経て、2004年にニューヨークのワイル・コーネル医科大学皮膚科学教室に勤務し、皮膚の修復・再生に関わるペプチド研究に従事。2007年に東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックNoage院長に就任。2018年、六本木に今泉スキンクリニックを開院。ヒアルロン酸注射、ボトックス注射などの注入治療を中心に、レーザー治療、育毛治療、化粧品開発など幅広く取り組む。アラガンジャパン、ガルデルマジャパン、Merzなどの注入指導認定医を務め、国内外の学会や講演で技術指導、啓発活動を行っている。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、国際美容外科学会、日本小児皮膚科学会、日本皮膚アレルギー学会所属。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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