ヒフコNEWS 美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイト

ロート製薬がフィトエクソソームを主力ブランドに展開 ロンジェビティの発想でフィトサイエンスを強化 沖縄県久米島の藻類研究も化粧品へ広がる

カレンダー2026.6.13 フォルダー 国内
フィトエクソソームを主力スキンケアブランドに取り込む。(出典/ロート製薬)

フィトエクソソームを主力スキンケアブランドに取り込む。(出典/ロート製薬)

 ロート製薬が、細胞研究を基盤にした「ロンジェビティ」サイエンスに力を入れる。

 2026年5月には、その発想の下で、植物、微生物、藻類由来の「フィトエクソソーム」技術を主力スキンケアブランドに展開していく方針を発表した。

フィトサイエンスを製品に取り入れる

ロート製薬アグリ・テック事業部長で、ロート・F・沖縄代表の中原剣氏。(出典/ロート製薬 藻類農園というかつてない挑戦。フィトサイエンスが切り拓く未来へ。)

ロート製薬アグリ・テック事業部長で、ロート・F・沖縄代表の中原剣氏。(出典/ロート製薬 藻類農園というかつてない挑戦。フィトサイエンスが切り拓く未来へ。)

  • ロンジェビティを重視→ ロート製薬は、長く健やかに若々しく暮らす発想を細胞レベルの研究に生かす。
  • フィトエクソソームを展開→ 植物、微生物、藻類由来の技術を主力スキンケアブランドに取り入れていく。
  • 久米島の藻類研究も基盤に→ 藻類の研究や生産を進めてきた取り組みが、化粧品開発にも広がる可能性がある。

 ロートは、ロンジェビティを、ただ長生きすることではなく、長く健やかに、若々しく暮らすことと捉えている。そうした考え方の下で、体の働きを支える仕組みを細胞レベルから探り、製品やサービスに生かしていく。フィトエクソソームは、その柱の一つだ。

 今回、ロート製薬は、植物、微生物、藻類由来のフィトエクソソーム技術を「肌ラボ」「メラノCC」「オバジ」といった主力ブランドに順次取り入れていく方針を示した。エクソソームは、細胞から放出されるごく小さな袋状の粒子で、タンパク質やRNAなどを含み、細胞同士のやり取りに関わるとされる。特定の商品だけに使うのではなく、複数のブランドにまたがって使う基盤技術として広げていく考えで、高価格帯やクリニック向けに限らず、より幅広い生活者向けへ展開していく。

 こうした動きの土台になっているのが、ロート製薬が2025年に立ち上げた「フィトサイエンス研究所」だ。植物や微生物、藻類が持つ力を研究面から掘り下げる拠点で、グループ会社のロート・F・沖縄と連携しながら、沖縄県久米島では藻類の研究、生産、事業化も進めてきた。

 今回の発表は、そうして積み上げてきた、フィトエクソソームを含むフィトサイエンス技術の取り組みが、主力スキンケアにも広がり始めたことを示している。

 今回の動きと関連すると見られるのが、ロート製薬アグリ・テック事業部長で、ロート・F・沖縄代表の中原剣氏が進めてきた藻類事業だ。ロートの紹介によると、中原氏はバイオベンチャー企業などを経て2020年に入社し、久米島で日本初とうたう「藻類農園FARMO」を立ち上げた。藻類の研究、生産、加工、観光を一体で進める拠点として整備してきた。

 中原氏は、藻類を単なる新しい素材ではなく、「新しい農業」と捉えてきた。ロートの紹介では、従来の農業が土と土地を前提にしてきたのに対し、藻類は水と光で育ち、短い周期で収穫できると説明している。久米島では海洋深層水を使いながら、新しい産業の形を探ってきたという。

 今回、ロートが植物や微生物、藻類由来の技術を主力化粧品に広げる方針を示したことで、こうした久米島での取り組みも、今後の化粧品づくりとのつながりで注目されそうだ。

美容医療にも近い「スキンロンジェビティ」の流れ

「Cible Skin」正面とウィンドウディスプレー。

シャンゼリゼ周辺にあるロンジェビティ・クリニック「Cible Skin」。(写真/編集部)

  • スキンロンジェビティと接点→ 肌を一時的に整えるだけでなく、長く健やかに保つ考え方と重なる。
  • 慢性炎症などに注目→ 酸化ストレスやマイクロバイオームなど、肌の老化に関わる要素への関心が高まっている。
  • 美容医療にも近い流れ→ スキンケアと美容医療を組み合わせ、肌の健康維持を重視する方向性が見えている。

 ロートが打ち出したロンジェビティの方向性は、美容医療とも接点を持つ「スキン・ロンジェビティ」の考え方と重なるところがある。

 ヒフコNEWSが2026年3月に伝えたフランスのCIBLE SKINは、「世界初のスキン・ロンジェビティクリニック」を掲げ、皮膚の老化を慢性炎症の問題として捉え、酸化ストレスやマイクロバイオームの乱れにも目を向けながら、スキンケアと美容医療を組み合わせて肌を長く健やかに保つ考え方を打ち出していた。

 そこでは、シワやたるみを一時的に整えることだけでなく、肌そのものの状態をどう整え、どう保つかが重視されていた。

 ロートが今回示した方向性も、まさにそうしたロンジェビティの発想に立つものと言える。久米島で進めてきた藻類研究も、今後は肌の健康維持やエイジングケアへの応用が進んでいく可能性がある。

参考文献

細胞研究を基盤に、「ロンジェビティ」サイエンスの社会実装を加速
https://www.rohto.co.jp/news/release/2026/0529_01

藻類農園というかつてない挑戦。 フィトサイエンスが切り拓く未来へ。
https://www.rohto.co.jp/heart/article011/

自然の力を科学し価値創造を加速『フィトサイエンス構想』始動
https://www.rohto.co.jp/news/release/2025/0415_01/

世界初「スキン・ロンジェビティクリニック」、慢性炎症に着目し酸化ストレスやマイクロバイオームの乱れに対処 スキンケアと美容医療を組み合わせ CIBLE SKIN創業者のアクニン氏とジネフリ氏に聞く
https://biyouhifuko.com/news/interview/17016/

ヒフコNEWSは、国内外の美容医療に関する最新ニュースをお届けするサイトです。美容医療に関連するニュースを中立的な立場から提供しています。それらのニュースにはポジティブな話題もネガティブな話題もありますが、それらは必ずしも美容医療分野全体を反映しているわけではありません。当サイトの目標は、豊富な情報を提供し、個人が美容医療に関して適切な判断を下せるように支援することです。また、当サイトが美容医療の利用を勧めることはありません。

Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

お問い合わせ

下記よりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。