
顔のシワや色素沈着は、年代や部位によって現れ方が異なる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
顔のシワと色素沈着は、同じように進むわけではなく、それぞれ異なる部位から広がる可能性がある。
AI(人工知能)による分析によれば、シワは目元、色素沈着は頬や目の下から広がることが示された。
韓国の化粧品大手アモーレパシフィックR&Iセンターが2026年6月に発表した。フランスのリヨンで開催された国際皮膚生物物理・画像学会の会議「ISBS World Congress 2026」で講演が行われた。
AIで顔画像を重ね、老化が広がる順序を分析

上段はシワ、下段は色素沈着の分布を、20代、40代、60代で比較した図。AIで顔画像を解析し、年代ごとのシワと色素沈着の分布を可視化した顔老化マップ。シワは目元を中心に、色素沈着は頬や目の下を中心に広がる傾向が示されている。(出典:アモーレパシフィック)
- 顔老化マップ→AIで顔画像を解析し、年代ごとのシワや色素沈着の分布を顔全体で可視化した。
- 分析方法→韓国人の顔写真を同じ基準で揃え、同年代の結果を重ねた合成画像を作成した。
- 使用技術→AI皮膚診断技術「Dr. AMORE」を使い、老化が現れる場所や広がる順序を比較した。
アモーレパシフィックR&Iセンターは、AIによる皮膚画像解析を使い、顔の部位ごとに異なる老化の進み方を示す「顔老化マップ」を作成した。
これまでの部位ごとの評価だけでは、シワや色素沈着が顔のどこから始まり、どのように広がるのかを、顔全体の変化として捉えることは難しかった。今回の研究では、AIによる画像解析を使い、こうした老化の進行を顔全体で可視化した。
研究では、韓国人の顔写真を同じ基準で揃え、顔のどこにシワや色素沈着があるかをAIで分析した。さらに、同じ年代の人たちの結果をまとめ、年代ごとの特徴が分かる1枚の合成画像にまとめた。
この「標準化した顔画像の合成オーバーレイ」と呼ばれる手法により、年代によってシワや色素沈着がどこに現れ、どのように顔全体へ広がるかを視覚的に比較できるようになった。目元や頬など一部の部位だけを調べるのではなく、顔全体の変化を一つの地図として捉えた点が特徴となる。
解析には、同社のAI皮膚診断技術「Dr. AMORE」が使われた。顔画像から皮膚の状態を分析する技術で、今回の研究では年代ごとの変化を重ねることによって、年代に伴う変化や部位による違いを分かりやすく示した。
シワは目元、色素沈着は頬や目の下から始まる

左の顔模式図では、シワの広がりが青い矢印で示されている。目の周囲、眉間、鼻横、口元、頬、あご周辺など、表情の動きや顔の構造変化の影響を受けやすい部位へ進む様子が描かれている。右の顔模式図では、色素沈着の広がりが茶色の矢印で示されており、頬や目の下を起点として、顔の外側や額、口元周辺へ広がる可能性が表されている。シワと色素沈着が同じ経路では進まないことを示す図。(出典:アモーレパシフィック)
- シワの広がり→主に目の周囲から始まり、表情の動きや顔の構造変化の影響を受ける部位へ広がった。
- 色素沈着の広がり→頬や目の下から現れ、年齢とともに顔の広い範囲へ拡大した。
- 今後の活用→変化が始まりやすい部位を早期に捉え、個人に合わせたスキンケアへつなげられる可能性がある。
分析の結果、シワと色素沈着では、現れ始める場所も、その後の広がり方も異なっていた。
シワは主に目の周囲から始まり、その後、表情の動きが大きい部位や、顔の形の変化が表れやすい部位へ広がっていた。
一方、色素沈着は頬や目の下から現れ、年齢とともに顔の広い範囲へ広がっていた。
このように、シワと色素沈着は同じ経路で進むわけではない。顔全体を一つの画像として比較したことで、それぞれの変化がどこから始まり、どのように広がるかを分かりやすく捉えられた。
今回の成果は、既に現れている変化を調べるだけでなく、肌の小さな変化を早期に捉え、早期のケアにつなげるためにも役立つ可能性がある。シワと色素沈着では注意すべき場所が異なるため、一人ひとりの特徴に合わせたスキンケアの研究や提案にもつながりそうだ。
研究に使われたAI皮膚診断技術「Dr. AMORE」は、「AMORE MALL」の「SKIN NOTE」や、AMORE YONGSAN CITY LABの「My Skin Future」に導入されている。アモーレパシフィックは、今回の成果を将来の肌変化の予測や、個人に合わせたケアにつなげる考えを示している。
AIの活用が、美容分野で着実に広がっている。
参考文献
Amorepacific Unveils AI-Powered “Facial Aging Map”
https://prd-en-int.apgroup.com/int/en/news/2026-06-15-1.html
