
男性向けスキンケアでは、乾燥や毛穴、ニキビ、肌のハリやシワなど、年代ごとの悩みに応じた需要が広がっている。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
男性の美容意識が高まる一方で、「男性専用」の化粧品市場には変化が起きている。美容や身だしなみへの関心は高まっているものの、男性専用の商品は縮小し、男女を問わず使えるユニセックス商品への移行が進んでいる。
富士経済が2026年7月、メンズコスメティックスとヘアケア・ヘアメイク用品の国内市場について最新の調査結果を発表した。
男性美容は浸透するが「メンズ専用」は縮小

美容分野では、性別よりも肌や髪の悩み、求める機能に合わせて商品を選ぶ傾向が強まっている。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 市場規模→メンズコスメティックス市場は2026年に1616億円となり、2025年比0.4%減と予測されている。
- ユニセックス化→シャンプーやスカルプケアでは、男性専用品から男女兼用の商品へ移行する動きが進んでいる。
- 男性の美容ニーズ→若年層では乾燥や毛穴、ニキビ、中高年層ではハリやシワなど、年代ごとの悩みに対応する需要が伸びている。
富士経済は今回、ヘアケア・ヘアメイク用品に加えて、男性用のスキンケアやボディケアなどを含むメンズコスメティックスについて市場を調査した。
今回特に注目されるのが、メンズコスメティックス市場で進む「ユニセックス化」だ。
メンズコスメティックス全体は縮小傾向にあり、2026年の市場は1616億円で、2025年比0.4%減と予測されている。この背景には、メンズシャンプーおよびメンズリンスやメンズスカルプケアで、女性用として展開されながら男性も使用できるユニセックス商品への移行が進んでいることがあるという。電動シェーバーの利用者増加に伴い、メンズシェービング料の需要も今後縮小するとみられている。
もっとも、メンズ向け商品が一様に低調というわけではない。乾燥による肌荒れへの関心から保湿用のメンズ整肌料が支持されているほか、長期化する酷暑を背景に、顔のテカリや体のニオイなどに対応するメンズ洗顔料やメンズボディシャンプー、顔拭きシートも伸びている。
年代によって求めるものにも違いがみられる。若年層では乾燥や毛穴汚れ、ニキビなどへの対応が重視される一方、中高年層では乾燥に加えて、肌のハリやシワといった悩みに対応する保湿商品の需要が伸びるとみられている。
スキンケアに使われるメンズ整肌料は中高年層向けの商品が好調で、2026年の市場規模は343億円となる見込みである。中でも高単価なオールインワンの保湿ケアは、簡便性と多機能性を背景に新たな利用者を獲得しているという。
男性の美容や身だしなみへの意識が高まる一方で、商品選びでは「男性専用」にこだわらない動きが広がっている状況といえそうだ。
ヘアトリートメント2085億円へ、高価格帯が市場をけん引

男性の美容意識が高まる一方で、商品選びでは男女兼用のユニセックス化が進んでいる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 市場拡大→ヘアトリートメント市場は2026年に前年比5.3%増の2085億円となる見通し。
- 高価格帯が成長→高機能な商品やヘアオイル、ヘアミルクなどのアウトバストリートメントが市場拡大を後押ししている。
- 男女の垣根→美容市場では性別による区分が薄れ、男性も含めて悩みや求める機能を重視して商品を選ぶ動きが進んでいる。
一方、男女共通のアイテムではヘアケア市場が拡大している。コロナ禍をきっかけに高まったヘアケア意識が定着し、価格が高くても機能性の高い商品を選ぶ人が増えているという。
中でもヘアトリートメント市場は、2026年に前年比5.3%増の2085億円となる見通し。高価格帯の商品が増えているほか、洗髪後などに使用するヘアオイルやヘアミルクといったアウトバストリートメントと呼ばれる分野も市場拡大を後押ししている。高機能、高価格帯の商品を購入する層は、若年女性だけでなく中年層や若年男性にも広がっているという。
今回の調査からは、美容市場で従来の男女の区分が薄れ、性別よりも悩みや求める機能を重視して商品を選ぶ動きが進んでいることがうかがえる。男性の美容や身だしなみへの関心の高まりは、美容医療の領域にとっても今後注目すべき動きといえそうだ。
参考文献
メンズコスメティックスとヘアケア・ヘアメイク用品の国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/press/detail.html?cid=26079
