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GLP-1系薬で減量した人、皮膚と毛髪でそれぞれ約4割が変化を報告 顔のボリューム減少や抜け毛、米国の504人を対象とした調査

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GLP-1薬の影響とは。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

GLP-1薬の影響とは。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

 肥満治療などで使用が広がるGLP-1受容体作動薬による減量では、顔がやせて見える「オゼンピックフェイス」や脱毛など、皮膚や毛髪への影響が注目されてきた。その実態が徐々に明らかになっている。

 化粧品メーカー、ロレアルの研究者らが2026年8月に、新たに米国での調査結果を報告した。

急速な減量で注目される「顔のやせ」「抜け毛」、504人を調査

使用が増えるGLP-1関連薬。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

使用が増えるGLP-1関連薬。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)

  • 調査対象→GLP-1系薬を1カ月以上使用している米国の成人504人を対象に、皮膚や毛髪の変化をオンラインで調べた。
  • 減量幅→平均体重は103.2kgから88.0kgへ減少し、平均15.3kg、割合では14.6%の減量が確認された。
  • 調査方法→皮膚科医による診察ではなく、顔の変化や抜け毛など、参加者自身が感じた変化を集計した。

 GLP-1受容体作動薬にはオゼンピックやウゴービ、GLP-1とGIPの両方に作用する薬にはマンジャロやゼップバウンドなどがある。食欲を抑えるなどして大幅な減量につながる一方で、体重が急速に減ることに伴う皮膚や毛髪の変化も注目されるようになっている。

 ヒフコNEWSでもこれまで、GLP-1薬を使用した人に見られる抜け毛や、顔のボリューム減少などについて伝えてきた。髪については、急激な体重減少や体調の変化をきっかけとして起こる休止期脱毛との関連が指摘され、大規模な診療記録を使った研究でも、ほかの糖尿病薬と比べて脱毛が多い傾向が報告されている。

 顔についても、体重減少に伴って顔の脂肪が減り、頬などがくぼんだり、皮膚のたるみが目立ったりする変化が「オゼンピックフェイス」などと呼ばれてきた。美容医療の現場からは、単に顔の脂肪が減るだけではなく、皮膚のしぼみや輪郭の変化などを含めて捉える見方も示されている。

 そこで今回の研究グループは2025年6月20日から7月15日にかけて、米国でGLP-1受容体作動薬またはGLP-1/GIP受容体作動薬を少なくとも1カ月使用している成人504人を対象に、55項目のオンライン調査を実施した。

 参加者の89.9%は女性で、平均年齢は52.8歳だった。治療開始前の平均BMIは37.5で、調査時には32.1まで低下していた。平均体重は103.2kgから88.0kgとなっており、平均15.3kg、割合にして14.6%の減量を経験していた。

 アンケートでは、使用薬や減量幅に加え、皮膚や毛髪の変化、その発生時期、治療満足度、心理的な状態などを尋ねた。皮膚科医による診察や毛髪の測定ではなく、参加者自身が感じた変化を集計した点には注意が必要である。

皮膚38.7%、毛髪38.9%に変化

GLP-1薬が幅広い影響を与えている。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

GLP-1薬が幅広い影響を与えている。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)

  • 皮膚の変化→38.7%が何らかの変化を感じ、顔のボリューム減少が10.9%、皮膚のたるみが8.3%だった。
  • 毛髪の変化→38.9%が変化を感じ、抜け毛の増加が20.8%、毛髪が薄くなったとの回答が19.0%だった。
  • 治療への評価→皮膚や毛髪の変化が報告された一方、治療への満足度は92.0%、身体イメージが改善した人は84.0%だった。

 結果を見ると、504人のうち195人(38.7%)が何らかの皮膚の変化を報告した。目立ったのは顔のボリューム減少で10.9%、皮膚のたるみが8.3%だった。このほか、顎周辺のたるみや乾燥も報告された。

 変化は比較的早い時期から現れていた。皮膚変化の発生時期を確認できた人の半数以上が、治療開始から5カ月以内に変化を感じていた。特に55歳以上や減量幅が大きい人で皮膚の変化が多かった。一方で、特定の薬剤だけに集中する傾向は見られなかった。

 毛髪についてもほぼ同じ割合で、196人(38.9%)が何らかの変化を報告した。最も多かったのは抜け毛の増加で20.8%、次いで毛髪が薄くなったとの回答が19.0%だった。抜け毛を報告した人の42%は、治療開始から1~3カ月という早い段階で変化を感じていた。

 毛髪の変化には人種による違いも見られた。白人では抜け毛や薄毛が多かったのに対し、黒人およびアフリカ系米国人では毛髪の乾燥が多い傾向が示された。研究グループは、毛髪そのものの特徴やヘアケア習慣なども関係している可能性があるとしている。

 こうした皮膚や毛髪の変化が少なくなかった一方で、治療への満足度は92.0%と高かった。身体イメージが改善した人も84.0%に上っており、見た目の一部に変化を感じながらも、減量による全体的な変化を前向きに捉えている人が多いことがうかがえた。

 研究グループは、急速な体重減少に伴って皮下脂肪が減ることで、皮膚が変化に十分適応できず、顔のボリューム低下やたるみにつながる可能性を指摘している。毛髪についても、急激な減量や食事量の減少に伴う栄養状態の変化などが、抜け毛に関係している可能性があるという。

 今回の研究は自己申告による横断調査で、皮膚科的な診察や客観的な測定を行ったものではない。参加者の約9割が女性で、地域にも偏りがある。こうした点から、GLP-1系薬そのものが皮膚や毛髪の変化を引き起こしたと判断することはできない。

 一方、これまで個別の報告や臨床現場で注目されてきた顔のやせやたるみ、抜け毛について、どの程度の人がどのような変化を感じているのか、その実態の一端が具体的な数字で見えてきた。GLP-1系薬による減量が広がる中で、体重の変化とともに、皮膚や毛髪の状態にも目を向ける重要性が高まりそうだ。

参考文献

Olivero JW, Paturi J, Moreau M, et al. Dermatological, Trichological and Quality of Life Consequences of GLP-1 Receptor Agonist-Mediated Weight Loss: A US Cross-Sectional Survey. Journal of Cosmetic Dermatology. 2026;25(8)\:e71145.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jocd.71145

GLP-1薬の使用者で脱毛リスク37~68%上昇 1万人超の診療記録をほかの糖尿病薬と比較 急激な体重減少などが影響した可能性
https://biyouhifuko.com/news/research/18779/

GLP-1薬と髪の抜け毛、その関係が少しずつ見えてきた 急な減量や薬剤ごとの差に加え、発毛改善の報告も 減量後に増える抜け毛やAGA、女性型脱毛症との関係に注目
https://biyouhifuko.com/news/research/18493/

GLP-1時代、美容医療はどう変わるか 顔の構造変化に対応へ 外科・栄養・診断を組み合わせた治療設計が課題に IMCASで米国形成外科医が指摘
https://biyouhifuko.com/news/world/17052/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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