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飲むコラーゲン、本当に肌に効く?再検証は残念な結果に 過去の「保湿・弾力改善」、明確な効果を確認できず アイルランドと英国の研究者が報告

カレンダー2026.10.11 フォルダー最新研究

 飲むコラーゲンを続けると、肌のうるおいや弾力は本当に良くなるのか。

 美容目的のコラーゲンサプリメントは広く販売され、これまでの研究でも保湿や弾力、シワへの効果が報告されてきた。

 しかし、その根拠となってきた研究を改めて調べたところ、これまで「効果あり」とされてきた結果をそのまま受け取ることは難しいと分かった。

 アイルランドと英国の研究者が2026年9月、美容皮膚科学誌で発表した。

「肌に良い」とされてきた根拠を改めて検証

オレンジ色の背景の前で、白い粉末をスプーンからグラスの中へ入れている。飲むコラーゲンの臨床試験では、1日当たりの摂取量に大きな差があった。今回の研究では、摂取量や総摂取量を考慮して過去データを再解析したが、保湿や弾力についてコラーゲンの効果を支持する明確な結果は得られなかった。

コラーゲン粉末を飲み物に溶かす場面。摂取量の違いを考慮した再解析では、飲む量が多いほど肌が改善する傾向は確認されなかった。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 過去の美容効果の根拠を再検証→ 飲むコラーゲンで肌の保湿や弾力、シワが改善するとした過去の研究を、個々の臨床試験までさかのぼって調べた。
  • 異なる測定方法をまとめて評価→ 肌のうるおいや弾力の測り方が研究ごとに大きく異なるにもかかわらず、一緒に分析されていた。
  • データの誤りや不適切な研究も→ 元データの扱いや報告に誤りがあり、本来含めるべきではない研究も使われていたため、従来の結論の信頼性に疑問が生じた。

 コラーゲンは、肌の形や弾力を支える重要なタンパク質だ。年齢とともに皮膚でコラーゲンを作る働きが低下することから、「コラーゲンを飲めば肌の老化を補えるのではないか」という考えは分かりやすく、粉末やドリンクなどさまざまな商品が販売されている。

 これまでの研究でも、飲むコラーゲンに一定の美容効果があるように見える結果は出ていた。論文によると、2021年には19試験、計1125人のデータをまとめた分析で、約90日間の摂取によってシワが減り、肌の保湿や弾力が改善したと報告された。2023年に26件のランダム化比較試験をまとめた研究でも、保湿や弾力への効果が示されていた。こうした結果が、飲むコラーゲンの効果を裏付ける根拠の一つとなってきた。

 今回の研究者らは、過去の分析に含まれていた個々の臨床試験までさかのぼり、本当にまとめて「効果がある」と判断できるのかを改めて検証した。

 すると、研究によって肌のうるおいや弾力の測り方が大きく異なるにもかかわらず、それらを一緒にまとめて評価していたことが分かった。

 さらに、元の研究データの取り扱いや報告に誤りがあったり、本来含めるべきではない研究が入っていたりするなど、結果の信頼性に関わる問題も複数見つかった。

 こうした問題を踏まえると、これまで報告されてきた「保湿や弾力が改善する」という結論を、そのまま受け取ることは難しいと研究者らは指摘している。

多く飲むほど肌が良くなる傾向も確認できず

運動着の女性が、スティック状の粉末を水の入ったグラスに入れている。

美容や健康目的で使われる粉末タイプのサプリメント。飲むコラーゲンについては、独立した質の高い臨床試験が必要と指摘された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 摂取量と肌の改善に関連なし→ 1日約0.25~10gと摂取量に大きな差があったが、量や総摂取量を考慮した再解析では、多く飲むほど改善する傾向は確認されなかった。
  • 企業支援や複合成分の影響も→ 過去の試験には企業が支援した研究や、コラーゲン以外の成分を含む製品を使った研究が多く、効果の判断を難しくしていた。
  • 美容効果を勧める根拠は不十分→ 保湿16研究、弾力18研究を再解析しても効果を支持する結果は得られず、独立した質の高い臨床試験が必要とされた。

 そこで研究者らは、問題があったデータを修正し、コラーゲンの摂取量も考慮して改めて解析した。

 ここで注目されたのが、研究ごとの摂取量の大きな違いだ。

 過去の臨床試験では、1日当たりのコラーゲン摂取量が約0.25gから10gまでと、40倍近い開きがあった。それでも従来の分析では、こうした量の違いが十分に考慮されていなかった。

 研究者らが1日の摂取量や、研究期間中に摂取した総量を考慮して再解析したところ、コラーゲンを多く取るほど肌の状態が良くなる傾向は確認されなかった。

 保湿に関する16研究、弾力に関する18研究のデータをまとめ直して解析しても、飲むコラーゲンの効果を支持する結果にはならなかった。

 また、過去の分析には企業の支援を受けた研究が多く含まれていた。2021年の分析に含まれた保湿に関する9研究のうち7研究は企業の支援を受けており、企業の支援を受けていない2研究では明確な効果は確認されていなかった。

 弾力に関する研究でも、13件中10件に企業の支援や関与があった。

 さらに、コラーゲンだけでなく、ほかの成分も配合した製品を使った試験もあった。その場合、肌に変化があったとしても、コラーゲンそのものの効果だったのかを判断することは難しい。

 研究者らは、現在ある研究からは、加水分解コラーゲンを肌の老化対策として勧めるだけの十分な根拠は確認できないと指摘している。今後は企業から独立した、より質の高い臨床試験が必要になるという。

参考文献

Grimes DR, Mahto A. Hydrolyzed Collagen for Skin Aging Meta-Analyses Are Unreliable. Journal of Cosmetic Dermatology. 2026;25(10):e71208. doi:10.1111/jocd.71208.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.71208

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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