日常的に運動する女性では、肌の張りを支えるコラーゲンの状態が良好に保たれている可能性が示された。
中国の研究グループが2026年10月、美容皮膚科学誌に研究成果を発表した。
運動習慣と顔の皮膚のコラーゲンを比較

週150分以上運動する女性では、顔の皮膚のコラーゲンが良好に保たれていることを示す特徴が見られた。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 皮膚とコラーゲン→真皮のコラーゲンや弾性線維は、肌の張りや弾力を支える。加齢による線維の変化は、しわやたるみに関係。
- 女性156人を調査→18~60歳の女性を週150分以上運動する48人と150分未満の108人に分類。年齢が近い48組、計96人の顔の皮膚を詳しく比較。
- 動物実験→中年期に相当するマウス10匹を4週間自由に運動させ、運動しない同年代の5匹などと比較。皮膚のコラーゲンや弾性線維を観察。
肌の張りや弾力を支えているのは、皮膚の内側にある「真皮」のコラーゲンや弾性線維だ。コラーゲンは皮膚の構造を支え、弾性線維は皮膚が伸び縮みする性質に関わる。年齢とともにこれらの線維の状態が変化すると、しわやたるみなどにつながる。
美容医療では、レーザーや高周波などによってコラーゲンの生成を促す施術が行われている。
そうした中で、中国の研究グループは、日常的な運動が皮膚のコラーゲンを維持することに役立つのかに注目。運動習慣と顔の皮膚のコラーゲンとの関係を調べた。
研究には18~60歳の女性156人が参加。運動する日数や時間をアンケートで調べるとともに、頬骨付近の皮膚を、特殊な光を利用する顕微鏡で撮影した。皮膚を切り取ることなく、内部の微細な構造を観察できる方法だ。
今回は、コラーゲンや弾性線維に由来する光の反応を捉え、それぞれの線維の状態を調べた。
参加者は、1週間の運動時間が150分以上の48人と、150分未満の108人に分けられた。運動時間が長い人と短い人では年齢が異なる可能性もあるため、年齢が近い人同士を組み合わせた48組、計96人について詳しく比較した。
さらに、運動による皮膚の変化を詳しく調べるため、動物実験も行った。中年期に相当するマウス10匹に、4週間にわたって回し車を使い自由に走らせ、運動しなかった同年代の5匹と比較した。若いマウス5匹も比較対象に加えた。運動後には背中の皮膚を顕微鏡で観察し、さらに皮膚組織を採取してコラーゲンや弾性線維の状態を調べた。
運動する女性でコラーゲンに違い

日常的な運動習慣が、肌の張りや弾力を支えるコラーゲンの維持に関係する可能性が報告された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 女性の皮膚に違い→週150分以上運動する女性では、顔の皮膚のコラーゲンに由来する光の反応が強く、BMIや喫煙、睡眠時間などを考慮しても差が認められた。
- 動物実験でも差→運動したマウスでは、I型コラーゲンの染色領域が10.18%で、非運動群の4.69%を上回った。エラスチンも13.39%対8.49%と高かった。
- 研究の限界→運動習慣とコラーゲンの状態に関連が見られたものの、運動によってコラーゲンが増えるという因果関係や、週150分が肌の維持に必要な基準かどうかは未確認。
女性を対象とした研究では、週150分以上運動していた人では、運動時間が短い人に比べて、顔の皮膚のコラーゲンに由来する光の反応が強かった。これは、コラーゲンが良好な状態に保たれている可能性を示す。
さらに、コラーゲンと弾性線維のバランスに関連する指標にも差が認められた。こうした違いは、体格指数(BMI)や喫煙、飲酒、睡眠時間などの影響を考慮しても認められた。
動物実験でも、4週間運動したグループでは、運動しなかった同年代の群よりもコラーゲンや弾性線維が明瞭に観察された。さらに、皮膚組織を採取して調べたところ、I型コラーゲンが染色された領域の割合は、運動しなかった群の4.69%に対し、運動した群では10.18%だった。弾性線維を構成するエラスチンについても、染色された領域の割合は、運動しなかった群の8.49%に対し、運動した群では13.39%と高かった。
女性を対象とした研究は運動習慣が異なる女性を比較したもので、運動によってコラーゲンが増えると証明されたわけではなく、また、週150分という運動時間が、肌のコラーゲン維持に必要な基準と確認されたわけではないが、運動習慣が肌のコラーゲン維持に関係する可能性を示した。
参考文献
Q. Luo, M. Wang, and Z. Shen, “ Exercise Improves Dermal Collagen and Elastic Fibers: In Vivo Evidence From Female Volunteers and an Animal Model,” Journal of Cosmetic Dermatology 25, no. 10 (2026): e71237.
https://doi.org/10.1111/jocd.71237
