肌の老化とコーヒーの関係、英国1万6677人分のデータを分析、美容皮膚科の医学誌報告
ポイント
- 英国1万6677人分のデータに基づいて飲み物と肌の老化との関連を分析
- コーヒーを多く飲むことと肌の老化のリスク減少に統計学的に確かな関連を確認
- アルコール、茶、砂糖入りの清涼飲料水は、肌の老化との関連を確認できず
コーヒーを頻繁に飲む人では、肌の老化が遅くなる傾向が確認されるようだ。中国の研究グループが2024年1月、美容皮膚科の分野の医学誌で発表した。
1万6677人分のデータを分析
ヒフコNEWSでも伝えているように、肌の美容と食べ物の関係は深い。そうした中で、これまでの研究によると、コーヒー、アルコール、茶、砂糖の入った清涼飲料水が、肌の老化と関連していることが報告されている。
しかし、飲み物と肌の老化の関連を正確に調べることは簡単ではない。飲み物と老化の両方に影響を与える要因が多く、飲み物だけの影響を特定することが難しいためだ。
そこで今回、中国の研究グループは、「メンデリアンランダム化」と呼ばれる研究手法を使って、飲み物が肌の老化に及ぼす影響を厳密に検証した。研究では、英国の遺伝子情報データベース「UKバイオバンク」1万6677人分のデータが分析された。
コーヒーは統計学的に確かに老化に関連
こうして確認されたのが、コーヒーを多く飲む人は、肌の老化が進むリスクが減少していることだ。
具体的には、統計学的な分析から、コーヒーと肌の老化の関連が確かであることが明らかになった。一方で、アルコールや茶、砂糖の入った清涼飲料水との確かな関連は確認されなかった。
研究グループは、コーヒーの「抗酸化作用」と「抗炎症作用」が肌の老化防止につながる可能性があると指摘している。抗酸化作用は活性酸素を抑制するもので、活性酸素を原因としたコラーゲンの分解、シワや肌の弾力低下を防ぐ可能性がある。また、炎症が肌の組織にダメージを与えるため、抗炎症作用も肌の老化を防ぐ役割が考えられる。
なお、この研究は、UKバイオバンクの情報を使って、飲み物と肌の老化との関連を調べた初めての結果だという。ただし、今回の研究で使われたデータは欧米人のものなので、ほかの人種では異なる結果になる可能性もあるようだ。
研究が進めば、肌の老化を防ぐ方法がより詳しく解明されるものと期待される。
参考文献
Liu X, Li X, Ma J. Beverage consumption and facial skin aging: Evidence from Mendelian randomization analysis. J Cosmet Dermatol. 2024 Jan 4. doi: 10.1111/jocd.16153. Epub ahead of print. PMID: 38178620.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jocd.16153/
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