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手術後の傷跡の不安にさよなら、レーザー光の力と効果

カレンダー2024.1.17 フォルダー最新研究

ポイント

  • 手術後の傷跡をレーザーなどにより治療する効果が検討された
  • 6カ月以内に治療を開始した研究に限定して、18の研究結果が分析された
  • 低レベルレーザー療法とパルス色素レーザーが同等の効果を示した
レーザーで傷跡治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザーで傷跡治療。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 レーザーの光を使って、手術した後にできる傷跡を小さく縮小することができる。過去の研究をあらためて分析した結果が、タイの大学を中心とした研究グループから2024年1月に医学誌で報告された。

体が傷つくと悩みにつながる

レーザーの効果。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザーの効果。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 もしケガをしたりヤケドをしたり、出来物ができたり、手術を受けたりすると、体がその傷を治そうとする。体はそのための細胞やコラーゲンなどで傷を埋め合わせる。

 傷が完全に治って何もなかったようになることもあれば、ケロイドといった目立つ傷跡が残ることもある。

 傷跡はときには体に不便をもたらし、見た目が気になって悩みにつながることもある。美容医療などでは、レーザーやエネルギーを使った治療が行われている。

 今回、手術でできた傷跡を小さくするために、レーザーや他の機器がどれだけ効果があるかを調べる研究が行われた。

研究の概要は次の通りだ。

  • 研究方法 → 多くの研究をまとめて比較する「システマティックレビュー」と、複数の治療法を比較する「ネットワークメタ解析」という方法が取られた。
  • 研究対象 → 18の異なる研究を調べ、合計482人の参加者、671個の手術後の傷跡のデータを分析した。分析の対象になった研究は、手術後6カ月以内に治療を開始し、3カ月以上その治療の効果が調べられたものに限定した。

2つの種類のレーザー同等の効果

レーザーを使う。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

レーザーを使う。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

このような分析の結果として次の結果が明らかになった。

  • 主な結果 → 「低レベルレーザー療法(LLLT)」と「パルス色素レーザー」が、手術の傷跡を小さくするのに一番効果的だと明らかになった。
  • その効果は、特定の数値(加重平均差)で測定された。
  • 両方の手段ともに似たような良い結果を示していた。

 傷跡に悩んでいる人は、光による治療を検討するとよいかもしれない。

参考文献

Yenyuwadee S, Achavanuntakul P, Phisalprapa P, Levin M, Saokaew S, Kanchanasurakit S, Manuskiatti W. Effect of Laser and Energy-based Device Therapies to Minimize Surgical Scar Formation: A Systematic Review and Network Meta-analysis. Acta Derm Venereol. 2024 Jan 8;104:adv18477. doi: 10.2340/actadv.v104.18477. PMID: 38189223.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38189223/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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