
日本国内のエステティックサロン市場。6期連続で減少。(出典/矢野経済研究所)
エステティックサロン市場の縮小が続いている。
矢野経済研究所が2026年5月に調査結果を公表した。
脱毛サロンの混乱が市場全体に波及

脱毛サロンが大量閉店。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 2025年度は6年連続減少→ エステサロン市場は2797億円見込みで、前年度を下回る状況が続いた。
- 脱毛サロンの混乱が影響→ 大量店舗閉鎖や運営トラブルが、女性向け市場を中心に重荷となった。
- 男性向けは下支え→ メンズエステは美顔や痩身が伸び、市場全体を一部支えた。
同社の調査によると、2025年度の国内エステティックサロン市場規模は事業者売上高ベースで2797億円となる見込みで、前年度比92.1%だった。
2020年以降続く市場のマイナス推移は、これで6期連続となった。
今回の縮小では、総市場の6割超を占める女性向け施術市場の落ち込みが大きかった。美顔、痩身・ボディ、脱毛などを含む女性向け市場は1688億円で、前年度比88.2%と大きく後退した。背景には、脱毛市場における企業の大量店舗閉鎖がある。
脱毛サロンの運営をめぐるトラブルは、脱毛分野だけでなく、エステ業界全体のイメージにも影響したとみられる。
一方で、男性の美容意識の高まりを背景に注目されるメンズエステ市場は、2024年度より高い伸びとなった。ただ、メンズでも脱毛サロンの伸びは抑えられており、美顔や痩身が市場を下支えした形となっている。
ヒフコNEWSで昨年伝えた通り、2024年度のエステ市場も3043億円で5年連続縮小となっていた。その時点ですでに、脱毛サロンの経営破たんが相次いだことに加え、エステで行われていたHIFUが医療機関以外では認められなくなったことが、市場の重荷になっていた。女性向け市場の落ち込みが大きい一方で、男性向け市場がわずかに伸び、市場全体を下支えする構図も指摘されていた。
今回の2025年度見通しは、そうした流れがさらに悪化した形といえる。昨年は脱毛サロンの倒産や規制強化が逆風として意識されていたが、今回は大量店舗閉鎖という形で負の影響がより明確に表れた。
矢野経済研究所も、2025年3月に起きた脱毛サロン運営をめぐるトラブルが、業界や利用者に与えた影響は大きく、ダメージは避けられないとみている。
昨年の縮小要因に続き、都度払いが回復策として浮上

エステティックサロンに明るい兆しも。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 2026年度はプラス予測→ 市場規模は2803億円と、7期ぶりにわずかな回復が見込まれている。
- 都度払いに注目→ 前払い後の閉鎖や返金トラブルを避けやすい支払い方法として広がっている。
- 信頼回復が焦点→ 料金表示や支払い方法の見直しが進む中、堅実な運営がより求められそうだ。
その中で注目されたのが、都度払いの広がりだ。
脱毛特化型サロンだけでなく、医療脱毛クリニックでも経営や運営をめぐるトラブルが起きたことで、一括前払いではなく、施術ごとに支払う都度払いを打ち出す施設が増えている。料金をサイトに分かりやすく掲示する動きも広がっているという。
都度払いは、一括前払いより割高になる場合もあるが、利用者にとっては、前払い後に店舗が閉鎖し返金トラブルに巻き込まれるリスクを避けやすい。矢野経済研究所は、こうした支払い方法の見直しや情報開示が、業界への信頼回復の一歩になる可能性があるとみている。
2026年度の市場規模は2803億円で、前年度比100.2%とわずかな回復が予測された。ただ、市場の本格回復にはなお時間がかかる見通しだ。脱毛サロンをめぐる一連の混乱に加え、昨年から続く規制や業界不信の流れも重なっており、今後は堅実な経営や企業運営がこれまで以上に問われそうだ。
参考文献
エステティックサロン市場に関する調査を実施(2026年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/4044
エステ市場が5年間で1割縮小、活路は男性向け?脱毛サロン倒産にハイフ規制が追い打ち、矢野経済研究所が予測を公表
https://biyouhifuko.com/news/japan/12522/
