
肌の悩みや美容医療について説明する医療スタッフ。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
美容医療の利用者は、少しずつだが確実に広がっている。複数の調査から、その実態が見えてきた。
経験者は増えているが

鏡で肌の状態を確認する女性。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 年間経験者は約122万人→ 顔と肌に関連した美容医療を直近1年で受けた人は、推計約122万人とされた。
- 悩みは多いが利用は一部→ 肌の悩みを持つ人は59.9%に上る一方、美容医療の経験率は2.0%にとどまった。
- セルフケア市場も厚い→ 化粧品やサプリ、市販薬など、まず自分でできるケアを選ぶ人も多いと見られる。
調査会社のインテージヘルスケアが2026年6月に公表した自由診療の調査によると、顔と肌に関連した美容医療の直近1年間の推計経験者数は約122万人とされた。全国の20〜50代男女約5万5000人を対象にした調査に基づく数字で、同社はAGA治療の年間経験者数も約73万人とした。
ただし、美容医療が誰もが受けるものになったとまでは言いがたい。
同調査では、肌の悩みを抱える人は59.9%に上った一方で、顔と肌の美容医療の直近1年間の経験率は2.0%にとどまった。薄毛や抜け毛の悩みを抱える人は22.0%だったが、AGA治療の経験率は1.2%にとどまった。悩みを持つ人は多いものの、実際に自由診療を受ける人はまだ限られている。
この背景について、インテージヘルスケアは、化粧品やサプリメント、市販薬、育毛剤など、医療以外のセルフケア市場が厚いことを挙げている。悩みがあっても、まずは自分でできるケアから始める人が多いという見方だ。
利用先を見ると、こうした美容医療は大手美容外科および美容皮膚科チェーンが49.8%で最も多く、一般のクリニックや病院も39.1%だった。
心理的なハードルは下がる

美容医療や肌の悩みについて相談する診察場面。画像はイメージ。(写真:Adobe Stock)
- 市場は拡大傾向→ 2024年の国内美容医療市場は6310億円と推計され、前年より6.2%増えた。
- 心理的ハードルが低下→ 女性や若い男性、訪日外国人の需要も広がり、美容医療の裾野が広がっている。
- 今後の広がりに余地→ 安全性や価格の分かりやすさ、受けやすさが整えば、さらに一般化する可能性がある。
美容医療が広がる見通しもある。
矢野経済研究所は、2024年の国内美容医療市場を前年比6.2%増の6310億円と推計し、市場拡大が続いていると報告している。
美容医療は美容外科だけでなく、皮膚科、美容皮膚科、形成外科などにも広がり、特に非外科的な施術の広がりが目立つと見られている。
矢野経済研究所は、市場拡大の背景として、女性の美容医療に対する心理的ハードルの低下、20〜30代を中心とした男性需要の広がり、さらに訪日外国人による需要の増加を挙げている。美容医療は、まだ大多数が受ける段階にはないものの、その裾野は少しずつ広がっている段階にある。
ヒフコNEWSで伝えたボストンコンサルティンググループの分析によれば、美容医療の利用者は一様ではなく、まだ施術経験のない潜在層から、1回だけ受ける人、価格を重視する人、定期的に受ける人などに分かれるとされていた。
この見方を日本に当てはめるとすれば、今の美容医療は、「一部の熱心な利用者だけの市場」から、「興味はあるがまだ受けていない人も多い市場」へ移りつつあると考えられる。
悩みを持つ人の多さを考えれば、今後さらに広がる余地は小さくない。美容医療がもっと一般的な選択肢になるのかどうかは、安全性や価格の分かりやすさ、受けやすさがどこまで整うかも重要だろう。
参考文献
美容医療・AGA治療の直近1年間の推計経験者数は計195万人 公的データでは見えない「自由診療」の実態を可視化
https://www.intage-healthcare.co.jp/news/d20260615/
美容医療市場、引き続き拡大し6310億円、矢野経済研究所が報告、2024年も非外科的治療などがけん引、アンチエイジングへの注目など心理的ハードル下がる
https://biyouhifuko.com/news/japan/13379/
あなたはどの美容医療ペルソナ?6つの分類と施術の傾向、ニーズや受ける施術、頻度などが異なる、ボストンコンサルティンググループが分析結果
https://biyouhifuko.com/news/world/9012/
