目の下のたるみ手術で重大事故、下まぶたが外に反り閉じられず、消費者庁公表
ポイント
- 目のたるみ取り手術で下まぶたが閉じられなくなり、手術に至る重大事故を消費者庁が公表
- まぶたが外側に反ってしまい、腱膜移植手術などの治療が必要となるトラブルだった
- 消費者庁はHIFU(ハイフ、集束超音波治療)治療によるヤケドのトラブルも報告した
目の下のたるみを取る手術を受けたら、下まぶたが閉じられなくなった──。そんな事故が発生していたことが明らかになった。消費者庁が9月7日、発表した。
下のまぶたが外側に反る
消費者庁は、一般人が巻き込まれた製品やサービスの消費に関連した重大事故を公表している。その中には美容医療に関連したトラブルも含まれてくる。ヒフコNEWSでも、2023年5月に発生した脂肪吸引に伴う死亡事例について消費者庁の重大事故の公表に基づいて記事で伝えた。
※消費者安全法に基づいて、消費者事故のうち重大なものについて定期的に公表。
今回、新たに5月19日に大阪府で発生した美容医療によって引き起こされた重傷ケースが8月30日に消費者庁に通知され、その情報が公表された。
事故の詳細は、冒頭に紹介したように、目の下のたるみ取り手術を受けた人が手術後に下まぶたが閉じなくなったというケースで、手術に至る重傷と判定されるものだった。
病院での診断は、「左下眼瞼術後拘縮性外反症」。簡単に言えば、左の下のまぶたが外側にめくれた状態である。腱移植手術などにより治療されたという。
ハイフによる事故の報告も
さらに、消費者庁は同日、重大事故までは至らないまでも、消費事故のデータバンクに登録された事例として、美容医療関連の事故についてもう1件公表している。それはHIFU(ハイフ、集束超音波治療)によるヤケドだ。
事故発生は7月2日で、東京都のクリニックで、HIFU(ハイフ、集束超音波治療)による施術を受けた後、左足ふくらはぎに水ぶくれとヤケドが生じたというものだった。
ヒフコNEWSでも伝えているように、今美容医療をめぐるトラブルが大きな注目を集めている。国民生活センターが美容医療のトラブルに関連して注意喚起をしたばかりだが、22年度は3000件を超え、23年度はさらにハイペースでトラブルの増加が報告されている。今回の消費者庁が公表したケース以外にも問題が起きていると考えられるだろう。
施術を受ける立場で考えると、施術を検討するときにはリスクや副作用についての情報も集めるのが重要だとあらためて認識すべきだろう。また、万が一トラブルが発生した際には消費生活センターなどを案内する、全国共通の3桁の電話番号「188(いやや!)」に電話をかけることも知っておくとよいだろう。
参考文献
消費者安全法の重大事故等に係る公表について(9月7日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/034714/
消費者安全法に基づく重大事故等以外の消費者事故等の事故情報データバンク登録について(9月7日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/034712/
脂肪吸引のリスク、施術後、気道閉塞で窒息死するケースも
https://biyouhifuko.com/news/japan/2966/
美容医療のトラブル急増、過去最多の相談件数に国民生活センターが注意喚起
https://biyouhifuko.com/news/japan/3141/
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