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脱毛や痩身関連の施術でヤケド、消費者庁が12月に報告、重いヤケドの被害も発生

カレンダー2023.12.27 フォルダー 国内

ポイント

  • 消費者庁から12月、エステでの美容関連施術による事故が4件報告された
  • 脱毛や痩身機械を使用した施術でヤケドが発生していた
  • 脱毛に関連しては企業の倒産が続くなど、トラブルが続いており要注意

 2023年12月、消費者庁から、エステでの脱毛や痩身関連施術による事故が複数報告された。中には重いヤケドも含まれ、施術後のトラブルにはあらためて気を付けておくとよさそうだ。

痩身機械で皮下組織におよぶヤケドも

消費者庁は定期的に事故を報告している。(出典/消費者庁)

消費者庁は定期的に事故を報告している。(出典/消費者庁)

 消費者庁では、消費者が遭遇したトラブルによる被害を、重大事故と、それ以外に分けて毎週報告している。

 12月にも複数の被害が報告されているが、このうち美容関連の事故として、ヤケドを含む新たに4件の事故が報告された。

 12月7日には、エステ関連の事故が1件報告されている。このケースでは、9月30日に千葉県のエステで眉間の脱毛を受けた人が被害を受けた。施術後の痛みで医療機関を受診したところ、顔面にII度のヤケドが確認されたというものだった。

 12月14日には、大阪府、徳島県、愛知県で発生したエステ関連の事故が報告された。

 大阪府では6月3日に脱毛施術を受けた人が顔面皮膚損傷の被害を受けている。顔面に痛みが生じ、医療機関を受診して診断されたという。

 徳島県では、9月28日に脱毛施術を受けた人が炎症性色素沈着の被害を受けた。やはり施術後の痛みで医療機関を受診し診断を受けたものだ。

 愛知県では6月30日に痩身機械を使った施術で事故が発生し、両腕にIII度熱傷の被害を受けた。

脱毛関連のトラブルが相次ぐ

トラブルが続く。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

トラブルが続く。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 脱毛業界では、12月に銀座カラーの経営破たんが注目を集めたが、23年はこのほかにも脱毛関連の倒産が相次いだ。加えて、成人年齢の引き下げに伴い、18、19歳が契約できることになり、脱毛を巡るトラブルに低年齢が巻き込まれるケースも問題となっている。消費者庁が報告するような健康被害も問題になっている。

 消費者庁に届けられた被害情報は氷山の一角かもしれない。事故は身近な問題であり、被害に遭った場合には迅速に対処することが重要だ。

 また、脱毛業界は競争激化で店舗数が増えており、人手不足がかねて指摘されている。こうした状況では、不慣れな施術者が対応せざるを得ないケースも考えられる。施術を受けるに当たっては、施設や施術者の実績について確認するなど、情報収集を怠らないことは大切だろう。

参考文献

消費者安全法に基づく重大事故等以外の消費者事故等の事故情報データバンク登録について(12月7日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/035624/

消費者安全法に基づく重大事故等以外の消費者事故等の事故情報データバンク登録について(12月14日)
https://www.caa.go.jp/notice/entry/035678/

美容医療トラブル、弱みにつけ込む医師やクリニックの問題とは、日本医科大学の朝日林太郎氏に聞く、前半
https://biyouhifuko.com/news/interview/4305/

美容医療トラブル、身を守るために必要な知識とは、日本医科大学の朝日林太郎氏に聞く、後半
https://biyouhifuko.com/news/interview/4413/

美容に関する深刻なトラブル続く、2023年振り返り、ヒフコNEWSの記事からまとめ
https://biyouhifuko.com/news/japan/4286/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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