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VIO脱毛後に黒ずみやくすみ、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムが効果、大正製薬が報告

カレンダー2023.12.30 フォルダー 国内

ポイント

  • VIO脱毛は人気だが、脱毛後に黒ずみやくすみが発生することがある
  • VIO脱毛後は下着との摩擦により、炎症やメラニン生成が促されやすい
  • トラネキサム酸とグリチルリチン酸ジカリウムで、これらの問題は抑制される
VIO脱毛。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

VIO脱毛。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ワキや顔などと同じく、VIO脱毛も一般的な脱毛部位になっているが、VIO脱毛後に肌の黒ずみやくすみが発生することが問題になっている。大正製薬は2023年11月にその原因について報告している。

VIO脱毛後に黒ずみやくすみ

VIO脱毛。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

VIO脱毛。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 VIOはアンダーヘアの生えている部位を指し、Vゾーンは下腹部、Iゾーンは股の間、Oゾーンは肛門の周辺を意味する。VIO脱毛は「ハイジニーナ脱毛」や「デリケートゾーン脱毛」と呼ばれることもある。

 VIO脱毛は、快適さや美的な好みといった理由に加えて、介護時の衛生面などの目的もあり、女性だけではなく男性にも普及している。

 VIOの脱毛を行うと、レーザーやカミソリによる刺激を受けるほか、毛がなくなることから、下着と肌が直接触れあうことで摩擦が起きて、黒ずみやくすみが生じることがあるという。

 このたび大正製薬の検討によると、Vゾーン脱毛後の黒ずみやくすみに関連して、次のような原因や対処法が明らかとなった。

  • 下着素材との摩擦が肌のバリア機能を低下させ、炎症及びメラニン生成刺激因子を上昇させる
  • トラネキサム酸とグリチルリチン酸ジカリウムが炎症及びメラニン生成刺激因子の上昇を抑制する

炎症やメラニン生成を防ぐ効果

炎症やメラニン生成を促す要因が上昇(上)、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムで抑制(下)(出典/大正製薬)

炎症やメラニン生成を促す要因が上昇(上)、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムで抑制(下)(出典/大正製薬)

 VIO脱毛後の肌トラブルとして、下着素材との摩擦による肌バリア機能の低下が挙げられた。これについて大正製薬では実験を行っている。これによると、下着素材との摩擦によって、炎症やメラニン生成を促進する要因である「PGE2合成酵素」「エンドセリン-1」の上昇を引き起こして、肌のバリア機能低下をもたらすことが確認された。

 しかし、トラネキサム酸とグリチルリチン酸ジカリウムの使用により、逆にPGE2合成酵素、エンドセリン-1という要因の抑制が確認された。つまりトラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムの使用により、肌トラブルの予防につながる可能性がある。

 トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムは化粧品や美容医療でも一般的な成分であり、脱毛後の利用が注目されるかもしれない。

参考文献

Vゾーンの脱毛後は肌トラブルが多い!?Vゾーンの脱毛後、黒ずみ・くすみが起こる原因を解析~美容医学の専門家 日本医科大学皮膚科教授 船坂陽子先生にインタビュー~
https://www.taisho.co.jp/company/news/2023/20231115001435.html

トラネキサム酸の最適な使い方とは?肝斑の改善、美容皮膚科医学雑誌で発表
https://biyouhifuko.com/news/research/4665/

看護師覆面座談会vol.9 「タレントやモデルに人気な美容施術と困ったお客さまの実態」
https://biyouhifuko.com/news/column/3808/

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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