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セルフHIFUが法の抜け穴か、国の委員会で懸念、自分でやるものは規制対象外の恐れ、消費者安全調査委員会で見直し求める意見

カレンダー2024.6.24 フォルダー 国内
ハイフの事故が問題に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

ハイフの事故が問題に。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 国の消費者安全調査委員会が2024年6月20日に開催され、HIFU(高密度焦点式超音波治療、集束超音波治療、ハイフ)の事故を受けた各省庁の対策が話し合われた。

 この中で、医師免許を持たずにハイフを行うことが医師法違反に当たるとする通知が出されたことなどが確認されたが、依然として課題が残っていることも明らかになった。

ホットペッパービューティーは削除依頼

ハイフ事故を受けた対策。(出典/厚生労働省)

ハイフ事故を受けた対策。(出典/厚生労働省)

 委員会では、厚生労働省、経済産業省、消費者庁がそれぞれの対策の現状を説明した。

 厚労省は、厚労科学特別研究としてハイフの事故を調査したことを報告し、東海大学の河野太郎教授による調査が行われたことを説明した。この調査はヒフコNEWSでも伝えている。これに基づき「HIFUを人体に照射し、細胞に熱凝固を起こさせ得る行為」について「医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反する」と通知を出したことを示した。

 また、ハイフ機器の流通規制について、「薬機法上の医療機器」に当てはまり、薬事承認されたハイフ機器が存在せず、流通しないように、監視指導の徹底を都道府県に周知したと説明した。

 経産省は、エステティックサロン関連団体に対してハイフ施術の危険性について注意喚起したことを説明し、ハイフ機器を医療機関のみが購入でき、エステでは購入できないことを示すチラシを提示した。

 また経産省の注意喚起を受けて、美容関連店舗の検索ができるホットペッパービューティーを運営するリクルートが23年8月に、店舗情報を掲載しているクライアントに対して、広告からハイフの表記を削除するよう依頼したことも紹介された。修正されない場合、掲載停止になる内容だ。

 消費者庁はハイフのリスクを啓発する情報提供をしたことを紹介した。

医師法の規制は他人に行った場合

ハイフでは超音波が熱を発生させる。(出典/消費者庁)

ハイフでは超音波が熱を発生させる。(出典/消費者庁)

 医師免許がなければハイフが行えないことがはっきりとしたが、委員会での質疑により法律の抜け穴ともいえる点も明らかになった。それは、自分で機器を操作して自分に施術を行うセルフハイフが規制対象外になり得るという点だ。

 質問の中でセルフハイフの取り扱いについて確認する意見が出た。この際、厚労省からは医師法の規制では他人に対して施術を行うことを対象とし、自分自身に対して行うセルフハイフは規制対象外になる可能性が示された。

 この点について委員会では、規制すべきではないかという意見が出され、今後の委員会で再び議論される見通しとなった。

 ハイフについては継続的に健康被害が報告されており、安心安全な施術が行われることが望まれる。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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