2024年9月11日、東京大学皮膚科教授の佐藤伸一氏と特任准教授の吉崎歩氏が、家庭用美顔器メーカーのヤーマンとの共同研究結果を報告する会に出席し、美容研究を進める意義について語った。
佐藤教授は、「エビデンスに基づいた美容の選択が重要である」と強調している。
CERTEC技術によるシワ・たるみの改善効果
東京大学とヤーマンは共同研究を実施し、その成果を美容皮膚科分野の国際誌「Journal of Cosmetic Dermatology」に論文として発表した。
この研究では、「CERTEC(Cell Energy Regeneration Technology)」という技術を搭載した美容機器が用いられた。CERTEC技術は、10kHzから200kHz未満の周波数を使用し、熱と電気による刺激を同時に与えることで、シワやたるみの改善に寄与する。
30歳から59歳の健康な成人女性24人を対象に、片側の顔にこの美容機器を使用し、もう片側には基礎化粧品のみを使用する「スプリットフェイス法」で8週間の試験が行われた。その結果、機器を使用した側の顔ではシワやたるみの減少、皮膚の弾力性の向上、血流の改善が確認された。参加者からも皮膚の引き締まり感や若返り感が報告され、治療中止につながる有害事象はなかった。
科学的根拠に基づく製品選びの重要性
佐藤氏は、「目に見える皮膚という臓器を扱うことで、エイジング研究がやりやすい。アンチエイジングはもう若くならないというニュアンスだが、美容医療も一時的に若く見せるという否定的な意味を持つ。一方で、リバースエイジングは一時的ではない、持続的な若返りにつながる意味を持つ。そういう研究が進んでいて、可能であると分かってきた」と説明する。
老化した細胞が、周りの細胞を老化し、老化細胞を除くことで、老化を防ぐことも分かってきたと説明する。
ヒフコNEWSでも、レジュビネーション、若返りのトレンドについて伝えているが、リバースエイジングというワードも言われている。また、SASPという、老化を引き起こす仕組みについても伝えた。年齢を巻き戻すような研究は今後も進みそうだ。