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PLLA注入後、頬のボリューム増加は1年後に最大 皮膚の変化と水分量は90日でピーク 6人を1年間調査

カレンダー2026.9.29 フォルダー最新研究
横たわる患者の頬に、医療従事者が注射器で注入治療を行っている様子。

PLLA注入後の中顔面の変化を、3D画像や超音波、水分量測定で1年間追跡した研究が報告された。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

 コラーゲン産生を促す注入剤として美容医療で使われる「PLLA(ポリ-L-乳酸)」について、注入後1年間の顔や皮膚の変化が示された。

 中国の研究グループが2026年9月に美容皮膚科学誌で報告した。

1年間、3D画像や超音波で調べる

美容医療の診察室で、医療従事者が患者の顔を支えながら注射器を準備している様子。

PLLAなどの注入治療では、治療後のボリュームや皮膚内部の変化が時間をかけて現れることがある。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • PLLA注入後を1年間追跡→ 22~53歳の6人を対象に、中顔面へのPLLA注入後の変化を3D画像、高周波超音波、肌水分量で調べた。
  • 複数の方法で変化を評価→ 顔のボリュームだけでなく、皮膚内部のリモデリングや水分量まで時間を追って確認した。
  • 評価は30~360日後まで実施→ 治療前に加え、30日、90日、180日、360日後に測定し、PLLA治療後の経時変化を詳しく見た。

 顔は加齢に伴って、皮下脂肪の変化や骨の吸収、コラーゲンの減少などが起こり、頬を中心にボリュームが失われていく。こうした変化に対して使われる治療の一つがPLLA注入だ。

 PLLAは、ヒアルロン酸のように注入した物質そのもののボリュームだけで形を整えるというより、皮膚や皮下組織に働きかけ、時間をかけて組織の変化を促す「バイオスティミュレーター」と呼ばれる注入剤の一つだ。

 ただ、研究グループによると、治療後にボリュームや皮膚内部の状態が1年間でどのように変化するのかについて、複数の方法を組み合わせて調べたデータはまだ限られているという。

 そこで今回の研究では、22~53歳の健康な女性5人、男性1人を対象に、PLLA注入後の変化を調べた。いずれも中顔面に軽度から中等度のボリューム減少が見られた。

 6人の左右合わせて12側の中顔面にPLLAを注入した。治療回数は最大3回で、3~4週間の間隔を空け、必要な量は、それぞれの参加者のボリューム減少の程度などに応じて医師が決めた。

 治療前と、治療後30日、90日、180日、360日に評価を実施した。

 研究では、顔のボリュームを3D画像で測定し、高周波超音波で皮膚内部の変化を調べた。肌の水分量も専用の機器で測定した。超音波で得られた値は、皮膚の組織が作り替えられていく「リモデリング」を間接的に捉える指標として使われた。

ボリュームは360日後に最大

美容医療の診察室で、医師が患者の顔の悩みを聞きながら相談している様子。

PLLAなどの注入治療では、治療目的や効果が現れる時期、限界を事前に確認することが重要となる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)

  • 頬のボリュームは360日後に最大→ 3D画像では、治療前からの平均増加量が1年後に1.44mLとなり、最も大きかった。
  • 皮膚内部と水分量は90日後にピーク→ 超音波によるリモデリング指標は約47%、肌の水分量は約44%増加し、ともに90日後が最大だった。
  • 皮膚内部の変化は1年後も持続→ リモデリング指標はピーク後に低下したものの、360日後でも治療前より約41%高い状態が続いていた。

 3D画像で顔のボリュームを測定すると、治療前と比べた平均増加量は、30日後が0.96mL、90日後が0.80mL、180日後が0.85mL、360日後が1.44mLだった。この研究では30日後から1年後まで治療前と比べてボリュームが増加し、平均増加量は360日後が最も大きかった。

 一方、皮膚内部の変化は違う動きを示した。

 超音波から算出した皮膚のリモデリングに関する指標は、治療前と比べて90日後に約47%増加し、最も高くなった。その後も180日後で約37%、360日後で約41%高い状態が続いていた。

 肌の水分量も90日後にピークとなった。治療前と比べ、30日後で約30%、90日後で約44%、180日後で約21%、360日後で約30%高かった。

 研究グループは、皮膚内部の変化と顔のボリューム変化では、ピークを迎える時期が異なる可能性があると見ている。360日後のボリューム増加には、治療後も続く組織の変化が関わっている可能性がある。

 また、注入したPLLAの量とボリューム増加の関係も調べたところ、最も強い関連が見られたのは90日後だった。ただし、治療量は無作為に決められたのではなく、元々のボリューム不足が大きい人ほど多く注入される可能性がある。そのため、論文でも「量を増やせば効果が大きくなる」という単純な用量反応を示した結果ではないとしている。

 安全性については、研究期間中に重い治療関連の有害事象は確認されなかった。赤み、痛み、腫れなどの軽い注射部位反応が一部で見られ、1人では痛みと腫れを伴う中程度の内出血が起きたが自然に改善した。

 6人という小規模な研究ではあるが、PLLA注入後に顔のボリュームや皮膚の状態が時間とともにどう変化するのかを考えるヒントになりそうだ。

参考文献

AL-Attab R, Li J, Lo C, Wang H, Liu S. Longitudinal Multimodal Imaging Assessment of Tissue Changes Following Poly-L-Lactic Acid Treatment for Midfacial Rejuvenation: An Exploratory Pilot Study. *Journal of Cosmetic Dermatology*. Published September 21, 2026.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.71178

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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