
顔のたるみや肌質改善を目的に行われるレーザー治療のイメージ。(出典:Adobe Stock)
顔のたるみや肌質改善を目的に、2つの波長を組み合わせたピコ秒レーザー治療を行ったところ、肌の弾力や毛穴、シワなど複数の項目で改善が報告された。
韓国の研究グループが2026年9月に発表した。
1064nmと532nmを組み合わせ、4週間隔で3回治療

ピコ秒レーザーなどを用いた肌質改善治療では、弾力や毛穴、シワなど複数の項目が評価される。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 2波長のピコ秒レーザーを3回照射→ 1064nmと532nmを組み合わせ、顔のたるみなどがある20人に4週間隔で計3回治療した。
- 深部と表層の両方に作用→ 1064nmでは主に皮膚の深い部分、532nmではより表面に近い肌質や色調への作用を狙った。
- 12週間にわたり変化を測定→ 肌の弾力、メラニン、赤み、毛穴、シワなどを機器で評価し、医師と参加者による見た目の評価も行った。
顔の老化では、コラーゲンや弾性線維などが変化し、肌の弾力低下やたるみ、毛穴の目立ち、細かなシワ、肌色のばらつきなどが現れる。
今回使われたピコ秒レーザーは、短い時間幅で光を照射し、皮膚内部に微細な刺激を与える。研究グループは、こうした刺激によって皮膚の組織が作り替えられ、弾力や肌質の改善につながる可能性があると考えている。
今回の研究では、韓国・中央大学病院(Chung-Ang University Hospital)で20人を対象に前向き試験を実施した。平均年齢は57.6歳で、女性19人、男性1人。8人には治療前から頬の肝斑があった。
使用したのは、1064nmと532nmの2波長に対応するピコ秒Nd:YAGレーザー「スカルピオ(SCULPIO)」。1064nmでは主に皮膚の深い部分への作用を狙い、続いて532nmを照射して、より表面に近い肌質や色調の改善を目指した。
治療は顔全体に4週間隔で計3回行った。研究開始前と4週後、8週後、12週後に、肌の弾力、メラニンや赤み、毛穴やシワなどを機器で測定した。医師による見た目の評価と、参加者自身の満足度も調べた。
弾力は早い段階から変化、毛穴やシワも改善

ピコ秒レーザー治療では肌質改善が期待される一方、肝斑がある場合には一時的な悪化にも注意が必要となる。画像はイメージ。(出典:Adobe Stock)
- 弾力は4週後から改善→ 肌が伸びた後に戻る力に関する複数の指標が早い段階から改善し、その変化は12週後まで続いた。
- 毛穴やシワ、色調にも変化→ 12週後には毛穴、シワ、色素、メラニン、赤みなどの指標が改善し、肌のつやにも変化が見られた。
- 肝斑の一時的悪化に注意→ 重い有害事象はなかったが、もともと頬に肝斑があった2人で一時的な悪化が確認され、その後は追加治療なしで改善した。
結果で目立ったのは、肌の弾力の変化だった。
専用機器で測定すると、肌が伸びた後に戻る力に関する指標は4週後から改善し、その改善は12週後まで続いた。
肌色にも変化があった。メラニンの程度を示す数値は80.1から12週後に67.7へ、赤みを示す数値は201.3から169.3へ低下した。いずれも明確な変化が確認されたのは12週後だった。
顔の画像分析では、毛穴のスコアは58.9から12週後に53.45、シワは28.95から26.05、色素は37.20から32.75へ低下し、いずれも改善を示した。肌色やつやを示す数値も上昇しており、弾力だけでなく複数の肌の状態に変化が見られた。
医師による5段階の見た目の改善評価は、12週後に平均4.70だった。参加者自身の満足度も5段階で平均4.50と高かった。
安全性では、一時的な赤みが見られたほか、治療前から頬に肝斑があった2人で肝斑が一時的に悪化した。いずれも追加治療をせずに改善し、重い有害事象は確認されなかった。
研究グループは、2つの波長を組み合わせたピコ秒レーザーによって、肌の弾力だけでなく、毛穴やシワ、色調、つやなどにも改善が見られたとしている。今回の研究は20人を対象にした小規模な試験であり、今後さらに検証が必要になる。
なお、この研究は、今回使用したレーザー機器のメーカー、韓国レーザーオプテック(Laseroptek)の資金提供を受けており、著者の一人は同社のコンサルタントを務めている。論文では、同社は研究計画、データ収集および解析、論文作成などには関与していないとしている。
参考文献
Y. H. Lee, S. W. Sung, J. Y. Hong, and K. Y. Park, “ Facial Lifting and Skin Rejuvenation Using a Dual-Wavelength Picosecond Nd:YAG Laser in Asian Skin: A Prospective Pilot Study,” Journal of Cosmetic Dermatology 25, no. 10 (2026): e71206.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jocd.71206
