米食品医薬品局(FDA)は2026年6月、市販の日焼け止めに使える新たな有効成分を追加したと発表した。新しい成分の追加は20年以上ぶりになる。
この成分は欧州などでは既に長く使われてきたもので、日本でも普通に使われている。米国の日焼け止め成分の選択肢は、他国より限られていたようだ。
ベモトリジノールはUVAとUVBの両方を防ぐ成分

日焼け止めは肌の紫外線対策として重要。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 20年以上ぶりの追加→ FDAが市販の日焼け止めに使える新しい有効成分として、ベモトリジノールを認めた。
- UVAとUVBをカバー→ ベモトリジノールは、紫外線のUVAとUVBの両方に対応する成分として知られている。
- 米国では選択肢が限定→ 欧州や日本では既に使われていた成分で、米国の日焼け止め規制の遅れも浮かぶ。
今回追加されたのは、「ベモトリジノール」と呼ばれる紫外線吸収剤だ。
紫外線は大きくUVAとUVBに分けられるが、ベモトリジノールはその両方をカバーできる成分として知られている。FDAは、皮膚から体内への吸収が低く、6カ月以上の子どもと成人向けの日焼け止め成分として「一般に安全かつ有効」と判断したと説明している。
今回の決定は、企業側の申請を受けて進んだ。ベモトリジノールは最大6%まで配合できることになり、米国では2026年8月9日から、メーカーがこの成分を配合した日焼け止めを出せるようになる。
FDAは、申請から最終決定までの手続きが7カ月でまとまったことを、市販薬の制度改革が進んでいる成果として強調している。ただし、見方を変えれば、これは米国で日焼け止めに使える成分の更新が、長く止まっていたことの裏返しでもある。
実際、日焼け止めの新しい有効成分が米国で追加されるのは、1990年代後半以来で、FDA自身も「20年以上ぶり」と位置づけている。欧州や日本などでは既に使われてきた成分が、米国では制度の壁を越えるまでに長い時間を要した形だ。
米皮膚科学会も今回の決定を歓迎しつつ、米国ではなお、承認されている日焼け止め成分の数が多くの国より少ない状態が続いていると指摘している。
米国では、国内で多い皮膚がんの予防という点で日焼け止めの使用が強く勧められてきた。その一方で、日焼け止め自体の成分の選択肢がなかなか広がっていなかったところは皮肉でもある。
日本では既に使われ、米国の遅れが浮かぶ

日焼け止めの意義。画像はイメージ。(写真/Adobe Stock)
- 日本では既に使用→ 日本では別の表示名で、市販の日焼け止めにも使われている。
- 紫外線対策は基本→ 日焼け止めに加え、日差しを避ける、帽子や衣服で守ることも重要。
- 肌トラブルには注意→ 赤みやかゆみ、湿疹が出る場合は、無理に使い続けないことが大切。
日本では、ベモトリジノールに相当する成分は「ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン」という表示名で、市販の日焼け止めにも既に使われている。日本にとっては、新しい成分の登場というより、米国がようやく追いつき始めたという位置づけになる。
あらためて日焼け止めの大切さと、自分の肌に合う製品を選ぶことを考えるきっかけにするとよいかもしれない。日焼け止めの使用に加え、日差しを避ける、帽子や衣服で肌を守るといった基本的な紫外線対策は、国を問わず重要だ。
一方で、日本などからは、ベモトリジノールを含む日焼け止めによるアレルギー性接触皮膚炎の症例報告もある。使用後に赤みやかゆみ、湿疹などが出る場合には、無理に使い続けないことも大切だ。
参考文献
FDA Expands Sunscreen Options for the First Time in 20 Years
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-expands-sunscreen-options-first-time-20-years
American Academy of Dermatology Association praises FDA for approving new sunscreen ingredient
https://www.aad.org/news/fda-approves-new-sunscreen-ingredient
