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化粧品の6パーセントに規制違反成分を確認、あなたの化粧品も成分表示のチェックを、欧州の公的調査で判明

カレンダー2024.10.31 フォルダー 海外
化粧品の安全性に関心が寄せられている。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

化粧品の安全性に関心が寄せられている。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 欧州で販売されている化粧品の成分を調査した結果、6%の製品に規制違反成分が含まれていることが明らかになった。欧州化学品庁(ECHA)が2023年10月30日に発表した。

パッケージに違反の成分を確認

化粧品のパッケージに違反成分が載っていることも。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

化粧品のパッケージに違反成分が載っていることも。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 ECHAは、規制が適切に守られているかを確認するため、13カ国で約4500件の化粧品を対象に成分表示を調査。その結果、6%にあたる285製品に禁止物質が含まれていることが判明した。

 調査によると、規制違反とされた化粧品には以下の成分が含まれていた。これらの成分は人体や環境への蓄積によるリスクがあり、特に注意が必要とされている。

欧州で確認された規制違反成分(ECHA調査)

化粧品の種類 確認された成分 主な影響
アイライナー、リップライナー(ペンシル・クレヨンタイプ) ペルフルオロノニルジメチコン PFOAや長鎖パーフルオロカルボン酸類に分解される
アイライナー、リップライナー ペルフルオロオクチルトリエトキシシラン 持続性が高く、環境や人体に蓄積されるリスク
アイライナー、リップライナー ペルフルオロノニルエチルカルボキシデシルPEG-10ジメチコン 環境での持続性や人体への蓄積性
ヘアコンディショナー、ヘアマスク シクロペンタシロキサン(D5)、シクロメチコン(D4、D5、D6の混合物)、シクロテトラシロキサン(D4) D4は生殖毒性の疑い、D5は環境残留

 化粧品を購入する際には、パッケージの成分表示を確認することが重要だ。美容医療の分野では、国内未承認の成分を含む化粧品が販売されている場合もあり、一般の店舗で販売される製品よりも多様な成分が含まれている可能性がある。注意深く成分を確認することで、有害物質との接触を避ける手助けとなるだろう。

注目されている「PFAS」

化粧品の成分を確認することは重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

化粧品の成分を確認することは重要。写真はイメージ。(写真/Adobe Stock)

 化粧品に含まれる有害化学物質への懸念は国際的にも高まっている。

 特に注目されているのが、「永久化学物質」として知られるPFAS(パーフルオロアルキル化合物)だ。これらは持続性が高く、環境汚染のリスクから国際的に規制の対象となっている。

 ニュージーランドでは2026年末までに化粧品でのPFAS使用を全面禁止する方針を打ち出し、マニキュアやファンデーションなども対象となる予定だ。PFASは撥水性や耐久性を高めるために使用されるが、分解されにくく、人体や環境に蓄積しやすいため、健康リスクが懸念されている。

ニュージーランドで2026年末から禁止される成分

化粧品の種類 禁止対象成分 主な影響
マニキュア、ファンデーション PFAS(パーフルオロアルキル化合物) 撥水性向上のため使用されるが、人体や環境に蓄積しやすい

 この動きは、化粧品業界における有害物質削減のための規制強化の一環となる。

 化粧品に予期せぬ有害物質が含まれている可能性もあるため、消費者として意識を高めることが重要だ。購入時にはパッケージの成分表示を確認し、安全な製品を選ぶよう心がけたい。

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Author

ヒフコNEWS編集長。ステラ・メディックス代表 獣医師/ジャーナリスト。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BPで「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年にステラ・メディックス設立。医学会や研究会での講演活動のほか、報道メディアやYouTube『ステラチャンネル』などでも継続的にヘルスケア関連情報の執筆や情報発信を続けている。獣医師の資格を保有しており、専門性の高い情報にも対応できる。

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