40代以上になると加齢やホルモンバランスの変化による影響だけでなく、生活習慣や毎日のお手入れなど、それまでのさまざまな蓄積が肌に表れてくると言われています。
例えば「若い頃から紫外線を浴びる機会が多かった人は、シミやそばかすが増えたり濃くなったりする」「肌の皮脂バランスが崩れやすくなるため、脂性肌の人でも乾燥することがある」といった具合です。
そこで、40代以上はどのような肌悩みを抱えているのか、アンケート調査を実施。悩んでいる順に3つ、コメントとともに挙げてもらった結果、ランキングは以下のようになりました(最も気になる肌悩みを3点、2番目を2点、3番目を1点として集計しています)。
1位:シミ・そばかす
- 年齢とともに明らかに増えてきた!
- 肝斑のせいで肌が黒ずんで見える
- 濃く、目立つようになってきた気がする
20代・30代に比べて、できてしまったシミや元からあるそばかすが濃くなってきたというコメントが目立ちます。また、肝斑の悩みも30代より増えてくるようです。
ファンデーションやコンシーラーでカバーするのも一つの方法ですが、それなりにテクニックが必要、メイクに時間がかかるといったデメリットがあります。できればより手軽で確実な対策をしたいものです。
2位:目の下のくま
- 表情が暗く見える
- 体調が悪いのかと心配されてしまった……
- 鏡を見て、疲れ切っているような自分の顔に愕然とした
目の下のくまには、疲労や睡眠不足による血行不良が原因の青ぐま、色素沈着による茶ぐま、加齢による肌のたるみで起こる黒ぐまなどがあります。
改善するには自分のくまのタイプを知り、それぞれの原因に応じたケアをすることが必要です。いつの間にか定着してしまった……ということにならないよう、早めに対策しましょう。
3位:小じわ・しわ
- 目元や笑った時のしわが深くなってきた気がする
- 目尻のしわが気になって思い切り笑えない
- やっぱり老けて見えるから
しわの主な原因は、加齢や紫外線の影響で肌の水分量やコラーゲンが減少することです。表情じわがなかなか消えなかったり、目元や口元の小じわがいつの間にかくっきりとしたしわに変化してしまったりするのはこのためです。年齢に応じたスキンケアに切り替え、乾燥やハリ不足などの肌悩みに合わせたスペシャルケア用アイテムをプラスするとよいでしょう。また、できてしまったしわや、将来定着してしまいそうな小じわには美容クリニックでの治療もおすすめです。
40代以上の肌悩み別にはどんな治療法がある?
しみ・そばかす
しみやそばかすの原因であるメラニンは、実は肌の色を濃くして紫外線などの外的刺激から体を保護するという働きがあります。本来なら役目を果たした後、ターンオーバーによって排出されるため、日焼けをしても元の肌色に戻ります。しかし、40代以上になると、それまでよりもターンオーバーのサイクルがゆっくりになるので、メラニンも徐々に肌の内側に蓄積されるようになります。以前よりも濃くなった、増えたという人はこうした原因があることを知っておきましょう。
そして、忘れてはならないのが肝斑対策です。しみの一種ですが、頬の両側など、左右対称に表れるのが特徴で、ホルモンバランスの変化と関連があるとされています。
レーザートーニング・ピコトーニング
レーザーを低出力で均一に照射することでメラニンを分解し、排出されやすくする治療法です。しみやそばかす、色素沈着に加えて、従来のレーザーでは不向きとされていた肝斑の治療もできます。また、真皮層にまで熱エネルギーが到達して、コラーゲンの生成を促すため、肌のハリ回復や開いた毛穴の改善にも効果が期待できます。
レーザーには従来のナノレーザーと、よりパルス幅(照射時間)の短いピコレーザーがあります。ピコレーザーの方が施術回数や施術時の刺激が少ないというメリットがありますが、費用はナノレーザーに比べるとやや高くなることが多いようです。自分のしみやそばかす、肝斑の状態やクリニックに通う条件などを医師とよく相談して決めるようにしましょう。
ダウンタイムはどちらのレーザーでもほとんどありません。1回あたりの費用は15,000~20,000円ほどで、5~10回の施術を集中的に受けることが望ましいとされています。
ピコスポット・しみ取りレーザー
気になるしみやそばかすにピンスポットでレーザーを照射してメラニンを破壊する治療法です。ピコスポットは衝撃波で従来のレーザーよりも細かくメラニンを破壊することができ、ダウンタイムや施術中の痛みも少なく済むというメリットがあります。また、かさぶたはできますが、照射跡にテープを貼る必要もありません。通常のレーザー治療では取り切れなかったしみやそばかす、肝斑などの治療におすすめです。
費用はしみやそばかすの大きさによって異なりますが、5ミリ×5ミリで5,000~10,000円ほどが相場です。広範囲にそばかすがあったり、しみの数が多い場合には「取り放題」メニューを用意しているクリニックもあるので、相談してみるとよいでしょう。
光治療
IPL(Intense Pulsed Light)と呼ばれる光を広範囲に照射することでしみやそばかすを始め、開いた毛穴や赤ら顔などを改善する治療法です。フォトフェイシャルM22やフォトRFなど、さまざまな機種があります。レーザーよりもパルス幅が長いため、作用は緩やかですが、その分刺激も少ないのが特徴です。広い範囲にしみやそばかすが広がっている、小さいしみが多いという人には、光治療の方が向いている場合もあります。
施術中の痛みやダウンタイムはほとんどなく、当日からメイクや洗顔が可能です。費用の相場はフォトフェイシャルの場合、顔全体で1回20,000~30,000円ほど。ただし3~4週間に1回のペースで4〜6回の施術が必要とされています。
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目の下のくま
疲労や睡眠不足による青ぐまは、生活習慣の見直しやマッサージなどである程度改善しますが、茶ぐまや黒ぐまはそうもいきません。
茶ぐまの原因は色素沈着。紫外線を浴びたりクレンジングや目のかゆみなどでこすりすぎたりすることが刺激となり、メラニンが過剰に生成されて沈着してしまったものです。原理はしみと同じということですね。
また、黒ぐまは主に肌のたるみによる影が正体。仰向けに寝て上から光を当てたり、こめかみを押し上げたりした時に薄くなるようなら黒ぐまだと考えて間違いないでしょう。
これらのくまを改善するには、それぞれの原因に応じた対策が必要です。
ヒアルロン酸注入
目の下がたるむことによってできるくぼみにヒアルロン酸を注入し、頬との段差をなくして目立たなくする治療法です。また、頬がたるむと目の周りの皮膚も下へ引っ張られて、同様にくぼみができます。この場合は頬の上部にヒアルロン酸を注入することでハリを持たせて改善します。
ヒアルロン酸はもともと人体に備わっている成分なので安全面での問題がなく、施術直後から変化が実感できるのがメリットです。ダウンタイムもほとんどありません。
しかし、年月がたつと体に吸収されてしまうため、効果を持続させるには定期的な施術が必要になります。
費用は注入する部位や量、製剤の種類によって変わりますが、通常1本(1cc)あたり50,000~100,000円と幅があります。ヒアルロン酸の他、マイクロカニューレや麻酔などが別料金になっているクリニックもあるので、事前に確認しておきましょう。
エレクトロポレーション
肌に特殊な電圧をかけて一時的に極小の穴を開け、ヒアルロン酸や成長因子といった分子量の大きい有効成分をダイレクトに皮膚の深部に届ける治療法です。イオン導入や超音波導入よりも浸透力が高く、肌悩みに合わせた成分を使用できるというメリットがあります。針を使わないので施術中の痛みや内出血などのダウンタイムもなく、施術直後からもっちりとした潤いのある肌を実感できます。
肌の引き締めや開いた毛穴、しみ・そばかす、乾燥など、くまの原因となる症状を改善する成分が導入可能なので、カウンセリング時に医師とよく相談して決めるとよいでしょう。
費用は使用する成分によって異なりますが、1回5,000~20,000円ほどが一般的です。
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小じわ・しわ
しわには「小じわ」に分類される乾燥じわや表情じわと、真皮にまでダメージが及んで肌にくっきりと刻まれてしまった「しわ(真皮じわ)」があります。小じわは保湿やマッサージ、表情や姿勢に気をつけることである程度改善できますが、紫外線やコラーゲンの減少などによる肌のたるみが引き起こす真皮じわは、セルフケアに加えて特別なお手入れが必要でしょう。肌にハリを与える美容液やクリーム、パックなどのアイテムをプラスしたり、クリニックでの治療を取り入れたりするのがおすすめです。
ボトックス
ボトックスという薬剤を額や眉間、目尻、あごなどのしわの気になる部分の筋肉に注射することで改善する治療法です。また、口角を上げたり、フェイスラインをすっきりさせたりしたい場合にも有効です。
ボトックスはボツリヌス菌の産生するA型ボツリヌス毒素が持つ、筋肉の収縮を抑制する働きを利用したもので、一時的に表情筋の動きを抑制することができます。また、筋肉でなく皮膚の浅い部位に広く注射をする「マイクロボトックス」という手法を用いると、小じわの改善や毛穴の縮小、リフトアップ効果も期待できるとされています。表情ジワの予防にもよいとされており、近年では20代から施術を受ける女性も増えているほど。
1回の注入で3~6カ月効果が持続するので、3~4か月ごとの施術が推奨されています。1回あたりの費用の相場は部位によって異なりますが、20,000~50,000円ほどです。施術時に必要な麻酔は別途費用が必要なことがほとんどなので、事前に確認しておきましょう。
エランセ
PCL(ポリカプロラクトン)という、外科手術時に使う溶ける糸と同じ成分を主成分とする注入剤を使用する治療法です。しわや肌のくぼんだ部分に注入することでボリュームを持たせて改善します。また、注入後はコラーゲンの増生を促す働きもあるので、肌のハリの回復や美肌効果も期待できます。
エランセにはいくつかの種類があり、持続期間も1~4年と異なります。しかし、どの種類でも最終的には体に完全に吸収されるので、異物として残る心配はないとされています。
費用はエランセ1本につき100,000~150,000円ほどが平均的です。麻酔や注入用のカニューレは別料金になっていることが多いようです。
注入個所に軽い内出血や腫れが起こることがありますが、数日で治まります。また、エランセにはヒアルロン酸のような溶解剤が今のところありません。一度注入したら取り除くことができないので、医師とよく話し合って注入箇所や量を決めるようにしてください。
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まとめ
40代以上の肌悩みは改善が難しいと思われるかもしれませんが、美容クリニックではさまざまな症状に合わせた治療法を用意しています。きっと年を重ねても生き生きとした自分でいたい女性の味方になってくれることでしょう。改善したい症状があったら、ぜひ相談してみてくださいね。