顎やその周辺にできる「顎ニキビ」は、大人ニキビの代表ともいえるやっかいな存在。ほかのニキビと比べて繰り返し発生しやすく、症状も悪化しやすい特徴があります。
顎ニキビが繰り返し再発するのは、ホルモンバランスの崩れや外的刺激、皮脂の過剰分泌による毛穴つまりが主な原因です。ここでは顎ニキビが繰り返される原因とその対処法について紹介します。
▼ニキビの種類や場所別の治療法・ケア方法を知りたい方は次の記事をご覧ください
顎ニキビの特徴とは
10代後半の思春期ニキビと比べ、繰り返し再発しやすいのが20代・30代以降に起こる「大人ニキビ」の筆頭ともいえる「顎ニキビ」です。文字通り顎や口の周りにできるニキビで、Tゾーンなどにできるニキビより治りにくく、ニキビの症状も悪化しやすい特徴があります。
顎ニキビが繰り返しできる原因は?
なぜ顎ニキビは治りにくく、再発しやすいのでしょうか。顎ニキビが繰り返しできてしまう原因について、代表的な理由を3つ紹介します。
「顎ニキビ」の原因① ストレスや生活リズムの乱れによるホルモンバランスの崩れ
女性も男性もホルモンバランスが崩れることでニキビが発生しやすくなります。女性の場合は生理前や妊娠中にホルモンバランスが崩れやすくなりますが、それ以外にも過度のストレスや生活リズムの乱れ、睡眠不足によってもホルモンバランスが崩れ、ニキビの発生や治りにくさに影響を及ぼすのです。
特に顎は顔の中でもヒゲが生える場所であり、男性ホルモンの影響を受けやすい部位です。性別を問わずホルモンバランスが崩れて男性ホルモンが優位になると、顎ニキビが繰り返しやすくなります。
「顎ニキビ」の原因② 皮脂のつまり
ニキビができる大きな原因は、毛穴に皮脂や古い角質などがつまることです。顎周りは皮脂を作り出す皮脂腺が多いうえ、汗を作り出す汗腺が少ないため、肌の乾燥を防ごうと皮脂が過剰に分泌されやすい環境にあります。
皮脂が分泌されやすいということは、その分皮脂の毛穴つまりも起こりやすくなります。治ったと思っても新たな顎ニキビが発生したり、黒ずみや炎症などニキビが悪化したり原因になっているんですね。
「顎ニキビ」の原因③ マフラーやマスク、うぶ毛処理、紫外線などの外的刺激
顎は頬杖などで無意識のうちに手で触れやすく、マフラーやマスク、洋服の襟などがこすれやすい部位です。さらに女性はうぶ毛の処理、男性ならヒゲ剃りを頻繁におこなう部位なので、なにかと外部からの刺激を受けやすくなっています。
また、口元から上は帽子や日傘で紫外線から守りやすいのに対し、顎周りはうっかり日焼けで紫外線を浴びやすいのも特徴です。
こうした刺激は肌を乾燥させ、場合によっては目に見えない傷をつけてしまいます。外的刺激が繰り返されることでニキビが発生し、治りにくい環境が続くというわけです。
しつこい顎ニキビには意外な原因が隠れているケースも
ホルモンバランスは生理だけでなく睡眠不足やストレス、食習慣、生活リズムの乱れによっても崩れやすいため、ホルモンバランスの影響を受けやすい顎ニキビは悪化しやすく治りにくい傾向にあります。
通常のニキビ治療を続けているのに顎ニキビがなかなか治らない、治療の効果を感じにくいという場合は、次のような症状が隠れている可能性もあるので注意しましょう。
月経の異常を伴う顎ニキビは「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の可能性アリ
多膿疱性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)は、生理が不順がちでニキビができやすく、体毛が濃くなりやすい体質のことで、女性なら20人にひとりの割合でいるという珍しくない症状です。
生理不順など月経異常があり顎ニキビが繰り返しやすい場合は、この多膿疱性卵巣症候群の可能性も考えられます。
多膿疱性卵巣症候群の原因についてはまだよくわかっていませんが、治りにくいニキビや生理不順、体毛の濃さだけでなく、将来的に糖尿病になりやすいともいわれています。
月経異常と繰り返すニキビ、体毛の濃さなど多膿疱性卵巣症候群の特徴に当てはまり、ニキビの治療がうまくいかないという人は、婦人科の受診やより詳しい検査も検討もしてみてくださいね。
顎ニキビは自己判断せず早めに医療機関を受診して
大人ニキビの代表「顎ニキビ」が治りにくく、繰り返し再発する原因を紹介しました。顎ニキビが繰り返されるのは、ホルモンバランスの崩れや外的刺激の影響を受けやすく、乾燥により皮脂の分泌が増えやすいことが主な原因です。
治りにくく繰り返し発生する顎ニキビは、多膿疱性卵巣症候群という隠れた症状が原因になっていることもあります。顎ニキビがなかなか治らないときは自己流のケアを選ばず、皮膚科などの専門機関で早めに治療を受けるようにしましょう。