ニキビ跡改善に効果的なピーリングの種類は「ケミカルピーリング」
ニキビ跡の赤みや色素沈着を改善したい場合は、表皮の不要な角質を剥離させてターンオーバーを活性化する「ケミカルピーリング」がおすすめです。
肌のターンオーバーが正常化されることでニキビ跡やニキビだけでなく、美肌、美白、シミ、小じわといった肌質改善効果にも期待できます。
使用される薬剤にはさまざまな種類がありますが、日本皮膚科学会による尋常性痤瘡(ニキビ)治療ガイドラインでは、他の治療が効果なし、または実施できない状況となった際に「グリコール酸」と「サリチル酸マクロゴール」を選択肢の一つとして推奨しています。
皮膚科や美容クリニックの医師に肌状態を診察してもらった上で検討するとよいでしょう。
コラーゲンピールとケミカルピーリング、ニキビ跡改善におすすめなのはどっち?
薬剤を使うピーリングを大きく分けると、先ほどご紹介した「ケミカルピーリング」の他に「浸透型ピーリング」と2種類に分かれています。
ツヤ肌作りに欠かせない施術として大人気のマッサージピールは、表皮ではなく皮膚のより深層にある真皮細胞に働きかける浸透型ピーリングで、コラーゲンの生成を促進させるため小じわやハリ、弾力といった「年齢肌の改善」が得意な美容治療です。
また、リバースピールやミラノリピールなども浸透型ピーリングに当てはまります。
ニキビ・ニキビ跡、毛穴詰まりやベタつき改善には、表皮や皮脂抑制へのアプローチ力が高い「ケミカルピーリング」を、エイジングケアを希望する人は肌のハリ・弾力に関連性の高い真皮層まで作用する「浸透型ピーリング」を選ぶとよいでしょう。
ニキビ跡に効果的なケミカルピーリングの種類について
おすすめ①グリコール酸ピーリング
グリコール酸は、サトウキビやリンゴなどから抽出されるフルーツ酸の一種。
日本人の肌との相性がよい上に細かく濃度を調整できるため、肌状態に合わせた施術をしやすいのが特徴です。
また、ニキビの原因菌であるアクネ菌殺菌効果が高いため、赤みや痛みを伴う炎症性ニキビができた時に受けると炎症が落ち着きやすくなり、ニキビ跡を残りにくくする効果にも期待できます。
グリコール酸は、皮膚表面の角質層だけでなく表皮の一番下に位置する基底層にまで作用し、基底層にとどまりやすいシミの原因・メラニン色素の排出をスムーズにすると同時に、コラーゲン・エラスチンといった肌のハリ・弾力に関わる物質を生成するため、シミやハリ・弾力改善にも効果的といえます。
治療の目安
約2週間に1回を5〜6回
料金の目安
1回あたり3,000円〜8,000円
治療のポイント
- 数日間赤み・皮剥けが起こることもある
- 炎症が強く赤みや膿を伴うニキビ改善にも効果的
- ニキビ・ニキビ跡・肌弾力UPを同時に目指したい人におすすめ
おすすめ②サリチル酸ピーリング
サリチル酸ピーリングは、角質を溶かす作用のあるサリチル酸を、皮膚を保護する働きのあるマクロゴールに溶解した薬剤です。
痛みや赤み、炎症などの副作用が起こりやすいサリチル酸のデメリットが軽減されています。
高濃度でも肌への負担は少なく、副作用の心配もほとんどありません。
グリコール酸と比較して、ムラなくきれいに角質を剥がせることがサリチル酸ピーリングの特徴で、角栓の改善や予防の効果が高く、毛穴の黒ずみや開きの改善にも期待できます。
また、副作用が少ないため短いダウンタイムでしっかりと効果を得ることが可能です。
特に、初めてケミカルピーリングを受ける方がトライしやすい施術といえるでしょう。
治療の目安
約1ヶ月に1回を5〜6回
料金の目安
1回あたり5,000円〜10,000円
治療のポイント
- 赤みや皮剥けが比較的出にくい
- 白~黒ニキビ(毛穴詰まり)に効果的
- 月に1回でOKのため、一月に何回も通院できない人におすすめ
おすすめ③アミノ酸ピーリング
アミノ酸ピーリングは、アメリカの皮膚科医であるクライン博士が開発し、アメリカの皮膚科医や形成外科医の間で広く支持されているピーリングです。
ケミカルピーリングの中でもダントツで保湿力が高く、ピーリングをした後に肌が乾燥したり、つっぱったりするような施術のデメリットがほぼないのが特徴。
皮膚の水分をキープする作用に優れており、保湿しながらピーリングをすることが可能です。
さらに、アミノ酸ピーリングに含まれるAFAsは抗酸化作用もあるため、シミやにきび、ニキビ跡、肝斑などの改善にも期待できます。
グリコール酸と比較して刺激が少なく角質除去効果が穏やかなため、敏感肌や乾燥肌、フルーツ酸で色素沈着を生じやすい方(皮膚の色が濃い方や反応しやすい方)でも安心して受けることができます。
治療の目安
約2週間に1回を5〜6回
料金の目安
1回あたり10,000円
治療のポイント
- 治療後、肌の乾燥や皮剥けはほぼなし
- シミ・肝斑などの色ムラ改善も期待できる
- 他のピーリング剤が肌に合わなかった人におすすめ
市販品のセルフピーリングとクリニックの施術はニキビ跡改善効果がどれだけ違う?
最近は、自宅で気軽にできる市販のセルフピーリング製品が増えており、石鹸やジェルなどさまざまなタイプのアイテムが揃っています。
しかし、ドラッグストアなどで購入できる市販品のピーリング剤は「化粧品」に分類されるため、ニキビ跡にしっかりアプローチできるクリニックの薬品よりも有効成分の濃度が低く、実際に使用した人からは効果なしとの声も。
また、海外製品を個人輸入している人もいますが、日本で認可されていない肌刺激の強い成分が含まれていることもあるため、肌トラブルの危険が伴います。
もしも自宅でセルフピーリングケアをしたい場合は「サリチル酸」「グリコール酸」「乳酸」などを含む「医療機関専売ピーリング成分配合スキンケア」の中から、医師と相談の上、自分の肌質に合うものを選んでもらうとよいでしょう。
ケミカルピーリングではクレーターやしこり状のニキビ跡改善が難しい
ケミカルピーリングは、ニキビ跡の赤みや色素沈着といった表皮層で起きている症状には効果的です。
しかし、さらに深い層である真皮層までダメージが及んでいるクレーターやしこりなど、凹凸ができたニキビ跡の改善は何回施術を繰り返しても、改善が難しいケースがあります。
凹凸になっているニキビ跡には、ダーマペンやフラクショナルレーザーの方が効果が得られるため、医師と相談して同時施術をするなど自分の肌に合った施術を受けることをおすすめします。
ケミカルピーリング後のニキビ跡改善効果はいつから実感できる?
「ケミカルピーリングの効果はいつから現れる?」「何回の施術が必要?」などと気になっている方も多いのではないでしょうか。
ピーリング効果の実感には個人差があり、1回のピーリングで赤みや色素沈着の改善を実感できたという人もいますが、ニキビ跡改善はどの製剤を使用する場合でも、
平均して5〜6回程度施術を繰り返す必要があることが多いようです。
ピーリングの間隔は、2週間〜4週間に1回程度が推奨されています。
ただし、ニキビ跡改善効果を実感できたら徐々に施術間隔を空け、1ヶ月〜2ヶ月程度に1回のペースに変更してもOK。
効果の感じ方は個人差があるため、何か気になる点があればすぐにクリニックへ相談をしてくださいね。
ケミカルピーリングと組み合わせるとニキビ跡改善効果がUPする施術
ケミカルピーリング単体でもニキビ跡改善効果がありますが、同時に組み合わせることで相乗効果が期待できるおすすめ施術をご紹介します。
イオン導入
弱い電流を用いて、ビタミンCやトラネキサム酸といった美白有効成分を、スキンケアでは浸透の難しい真皮層にまで浸透させる施術です。
ケミカルピーリングで肌表面の不要な角質が取り除かれた後にイオン導入を行うと、より有効成分の浸透率が高まり、ニキビ跡改善効果が高まります。
レーザートーニング
低出力のレーザーをシャワーのように照射する「レーザートーニング」。
ニキビ跡だけでなく、シミや肝斑、そばかすといった肌の色ムラを徐々に改善する施術です。
レーザートーニングで細かく粉砕された色ムラの原因・メラニン色素を、ケミカルピーリングのターンオーバー促進作用で効率よく排出することで、効果的にニキビ跡の赤みや色素沈着の改善が期待できるでしょう。
ピーリングでニキビ跡治療後のダウンタイムや注意点
ケミカルピーリングは副作用がほとんどないのが特徴ですが、施術後のダウンタイムでは、皮剥け、肌の赤み・肌荒れ、肌の乾燥といった症状が報告されています。
また、施術直後は、赤みや乾燥による肌荒れが、敏感肌の方は薄皮がむけるような症状が出ることがありますが、いずれも2〜3日で症状が改善するケースがほとんどのようです。
施術後の肌は非常に紫外線の影響を受けやすい状態となっているため、施術後1~2週間は冬場や天気の悪い日、一日中室内で過ごす日でもUVカット効果のある日焼け止めを使用しましょう。
ピーリングによるニキビ跡改善方法まとめ
この記事では、ニキビ跡改善の効果が高いとされる「ケミカルピーリング」について、種類や何回受ければよいのか、料金の目安、市販品との違いなどを解説しました。
医師としっかり相談して自身に合ったケミカルピーリングで美肌を手に入れてくださいね。