その他

尿もれは医学用語で尿失禁といい、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義されています。尿失禁は高齢者の疾患というイメージがありますが、実は若い世代でも起こりうる症状で、ある企業が行ったアンケート調査では、20代で57%、30~60代では64%以上の方が尿もれを経験していると回答しています。

長いコロナの自粛生活中、時間に余裕ができたので久しぶりに子供達と楽しい縄跳び。「見ていてね!」と張り切って二重飛びを飛んだ途端、下着がジワッと濡れてドキッ…という方はいらっしゃいませんか?急な尿もれは不快なうえに、「私が!?」と結構ショックかも…

尿もれは誰にでも起こりうる?

尿もれは誰にでも起こりうる?

尿もれは医学用語で尿失禁といい、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義されています。尿失禁は高齢者の疾患というイメージがありますが、実は若い世代でも起こりうる症状で、ある企業が行ったアンケート調査では、20代で57%、30~60代では64%以上の方が尿もれを経験していると回答しています。

Q 尿もれの経験はありますか?

Q 尿もれの経験はありますか?

【日本女性 20代から60 40,000人 に聞く、UI(尿もれ)実態大規模調査より】

男性よりも女性の方が悩んでいる方が多いのは、その原因として女性の尿道が男性に比べて短いことと、出産経験等で骨盤底筋が緩んでしまうからです。妊娠中から産後、さらに更年期にかけて尿もれが増加すると言われています。

あなたの尿もれタイプは?

あなたの尿もれタイプは?

一口に尿もれと言っても、いくつかのタイプに分かれています。あなたの症状はどれに近いでしょうか?

腹圧性尿失禁

症状

尿意がないのにお腹に力を入れた時に尿もれが起こります。以下のような状況で起こる場合、腹圧性尿失禁の可能性が高いでしょう。

  • 重い荷物を持ち上げた時
  • ジョギングやジャンプをした時
  • 咳やくしゃみをした時
  • 大笑いした時
  • 階段や坂の上り下り
  • 急に立ち上がった時
  • 自転車を漕いだ時
  • テニスなどのスポーツをした時

原因

この腹圧性尿失禁は、膀胱や子宮などの臓器を下から支えている骨盤底筋が、妊娠や出産、加齢、肥満などが原因で緩むことで、膀胱が腹圧に耐えられずに尿もれが起きてしまいます閉経後は女性ホルモンの分泌が少なくなるためコラーゲンが減少し、筋肉の弾力性がなくなることも一因となっているようです。

     (引用元: https://makupo.chiba.jp/article/article-4500/

対策

まずは弱った骨盤底筋を鍛えてあげること。自宅で簡単にできる「骨盤底筋トレーニング」があるので後ほどご紹介します。肥満が原因となっている場合はダイエットが有効になることも。筋トレを続けてもなかなか症状が改善しない場合は、病院で治療を受けることをお勧めします。最近、軽度や中程度の尿もれであれば、女性器専用のレーザーを照射することで症状を改善する治療法も出てきました。手術は怖くて…と諦めていた方には朗報ですね。根本的に治療する手術になると、ポリプロピレンのテープを尿道の下に通して尿道を支える「TVT手術」や「TOT手術」、また骨盤臓器脱が見られる場合はメッシュを用いて修復するTVM手術も併用されるようです。

切迫性尿失禁

症状

急に尿がしたくなり我慢できずに漏れてしまう、尿意を感じて急いでトイレに向かったが間に合わなかったなど、突然の強い尿意により我慢できずに漏れてしまいます。特に外出時や電車やバスなどに乗っている時はいつもトイレが心配になるため、外出を控えてしまう方もいらっしゃるようです。いつもより水分を多く摂取した時や、水の流れる音を聞いた時、またシニアの方に多くみられるようです。日中8回以上トイレに行く昼間頻尿や、就寝中に1回以上トイレに起きる夜間頻尿なども「過活動膀胱」と呼ばれ、40歳以上の男女の約12%が悩んでいると言われています。

原因

通常、排尿は脳からの指令でコントロールされています。脳血管障害などの疾病により上手く伝達できなかった時に尿もれが起こりますが、実は膀胱が勝手に収縮してしまう原因不明のことが最も多いとされているようです。

対策

まずは自分でできる膀胱訓練(尿意があっても少し我慢する練習)、骨盤底筋トレーニングなどのセルフケアを。それと並行して適度な水分補給をする飲水コントロールも必要ですね。トイレが心配だからと水分を控えすぎると、逆に尿の比重が上がって膀胱を刺激してしまいます。症状が改善しない場合は、投薬療法も有効とされているので、我慢せずに受診することをお勧めします。

※混合型尿失禁…腹圧性+切迫性

閉経前後の女性に多いと言われている、腹圧性と切迫性の2つの要素を持ったタイプ。骨盤底筋が緩んでしまうことに加えて、膀胱や尿道の機能が低下したことが原因です。

溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)

症状

自分で尿を出したいのに出せない、尿が少しずつダラダラ漏れ出てしまう。膀胱に尿がいっぱいになっても気付かず溢れ出る、就寝中に尿が漏れるなど。女性よりも男性に多くみられる尿もれです。

原因

尿が出にくくなる排尿障害がある場合が多く、男性の場合は前立腺肥大症など、女性は子宮筋腫で尿道狭窄が起こった場合などにみられます。

対策

尿道を確保する手術や、カテーテルで尿を取り除く導尿法など。

機能性尿失禁

症状

歩行が困難なためにトイレまで間に合わない、洋服やトイレが汚れる、トイレの場所が分からない。

原因

排尿機能は正常ですが、認知症や身体運動機能が低下したためトイレで排尿できない、排せつ行為が認識できないことが原因として起こります。

対策

高齢者に多くみられるため、生活環境の見直しや決まった時間に排尿する習慣をつける対策を。

今からできるセルフケア

今からできるセルフケア

尿道を締めて骨盤底筋を鍛える訓練(骨盤底筋トレーニング)

骨盤底筋を鍛えることで筋力をつけ、臓器が下がってくるのを防ぎながら、肛門や尿道を締める訓練をすることで、尿もれを予防するトレーニングです。継続することで、軽い尿もれなら改善が期待できます。

【骨盤底筋トレーニング】

①仰向けになり、ヒザを肩幅に開いて力を抜きます。慣れてきたら四つん這い、椅子に座る、立った状態など姿勢を変えてチャレンジ。

②おならを止める感じで肛門と膣をギュッと締める。5秒間キープできたら力を抜いてリラックス。

③おしっこを途中で止める感じで、短くギュッギュッギュッと3回締めます。

これを10回で1セットとして、1日に3~5セットくらいが目標です。最初は短時間でも十分なので、慣れてきたら徐々に時間を増やしていきましょう。できれば3か月間続けることで、効果があらわれるようです。布団の中やテレビを見ながらでもできる、ちょっとしたトレーニングなので、毎日の隙間時間に筋トレを取り入れてみてはいかがでしょうか?

おしっこを我慢する訓練(膀胱訓練)

尿もれを気にするあまり頻繁にトイレに行く癖がついてしまうと、膀胱が小さく縮んで過敏になってしまい、尿を蓄えることができなくなることも膀胱訓練とは、尿意を感じたらまず5分だけ我慢してみる、または頻繁に行っていたトイレの回数を少しずつ少なくするなど、排尿と排尿の間隔を伸ばすことで膀胱の容量を増やし、尿を溜める能力を改善させる訓練です。個人差はありますが、正常な排尿は起きている間に3~5時間間隔で、1日に5~8回くらいが目安となるようです。

日常で気をつけるポイント

やってはいけないNG行動

ソファの背もたれに寄りかかってダラリと座ったり、長時間座りっぱなしはNG骨盤が後傾した姿勢は骨盤底筋の血流が悪化し、筋力を弱めてしまいます。コロナ自粛生活以降、在宅ワークが急増して気付かないうちに長時間座りっぱなしになることが多いため、自分で時間を決め立ち上がって休憩をとるなど、正しい姿勢を意識しましょう。

生活習慣の改善

肥満や便秘がある場合は、まず食生活の見直しや運動をして原因を改善させましょう。お酒やコーヒーなど利尿作用が高い飲み物の飲み過ぎは禁物ですが、適度な水分補給は忘れないでください。日中に水分を摂るようにし、夕方からは夜間に備えて水分を控えると良いでしょう。また刺激の強い食べ物を控えて、サプリなどで女性ホルモンの働きを整えてあげましょう。

尿もれ専用吸水シートを利用してみる

尿もれ対策として生理用ナプキンやおりものシートを利用している方も多いと思いますが、ナプキンは粘り気のある経血を吸収するために作られているため、量が多くさらっとした尿は吸収しにくく横漏れや逆戻りで肌トラブルが起きたり、ニオイが気になってしまうこともあるようです。

その点、尿ケア専用品は尿の吸収用に作られているため、吸収スピードが速く逆戻りせず、ニオイもしっかり閉じこめます。尿ケア専用というと「大人用おむつ」のイメージがありなんとなく敬遠されがちですが、最近は生理用品と同じ感覚で使える製品も販売されているので、一度試してみてはいかがでしょうか?

病院を受診する目安は?

将来どのくらいの症状になったら病院を受診した方が良いのでしょう?ひとつの目安としては、生活する上で不便を感じたり、生活に支障をきたすようになった時です。例えば1週間のうちに何度も尿もれがある、また頻繁にトイレに行きたくなるため、外出中にトイレが気になって不安になってしまう場面が多くなった時です。また不意に漏れてしまうという不快感をどうにかしたい、と強く思うようになった時もちょうど良いタイミングと言えるでしょう。

主に泌尿器科、産婦人科などで診てもらえるようですが、最近では「ウロギネセンター(泌尿器科+婦人科)」や「女性泌尿器科」がある病院もありますので、気兼ねせず受診を検討してみるのもいいでしょう。

まとめ

女性の尿もれの原因としては、骨盤底筋が緩んでしまうこと、膀胱の収縮が上手くコントロールできないことの2つが多いようです。まずは日常生活の見直しや、骨盤底筋や膀胱を鍛えるセルフトレーニングをしながら、最新の尿ケア専用製品を利用して上手く尿もれとお付き合いしていきたいですね。

※マッサージや化粧品などの情報が記載されている場合は監修範囲に含まれません。

※執筆・掲載日時点の情報を参考に医師監修しております。

※当サイト記事内の情報は一般的な知識であり、自己判断を促すものではありません。あらかじめ、ご容赦ください。

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