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「夏じゃないから日焼け止めはしなくても大丈夫」と油断して、アウトドアを楽しんだり、日差しを気にせず外出したり……。しかし、今や紫外線対策は一年を通じて行うのが基本です。うっかり日焼けしちゃった!気がついたらシミが!なんてことにもなりかねません。そんな時の対策として、お助けケアの方法を解説します。
うっかり日焼け!すぐに行いたい対処は?
うっかり日焼けしてしまった時は、早めの対応をおすすめします。「してしまったものは仕方ない」とそのままにしておくと、シミやそばかすなどの色素沈着や、さまざまな肌トラブルの原因になる恐れがあります。将来の自分のためにも、肌をいたわってあげましょう。
日焼け直後はとにかく冷やす
日焼け直後は肌が紫外線によって炎症を起こしている状態です。赤みやほてりを感じたら、まずしっかり冷やすことが大事です 。
流水や濡れタオル、氷や保冷材など、日焼け部分を冷やせるもので、赤みやほてりが治まるまで行ってください。ただし、日焼けした肌は敏感になっているので、冷やしすぎにも注意が必要です。氷や保冷材はタオルにくるんであてるようにしましょう。氷水を含ませたコットンパックや冷蔵庫で冷やしておいたシートマスクなどで冷やすのもおすすめです。
冷やした後はしっかり保湿
日焼け後のケアは保湿も重要なポイントです。炎症と同時に乾燥も起こっているので、化粧水を数回に分けて優しくなじませたり、シートパックにたっぷり含ませて顔に乗せたりして水分を補給します。また、保湿力の高いセラミドやプロテオグリカンなどが配合された美容液やクリーム、さらに炎症が残っているようであれば抗炎症成分であるグリチルリチン酸などが配合されたスキンケア製品を使うと良いでしょう。この時顔を強くこすったり、パッティングしたりすると肌への刺激になるので、避けるようにしましょう。
痛みがある時は皮膚科を受診
冷やしたり保湿したりといったケアはもちろん大切ですが、水ぶくれができていたり、痛みを感じたりするほどの日焼けは、皮膚科を受診する方が無難です。炎症を抑える塗り薬など、症状に応じた治療をしてもらえます。
美白ケアは1週間後から
化粧品を使った美白ケアは、日焼けの赤みやほてりが治まってから行いましょう。これは、強い美白成分やクリームを過剰に塗り込んだりする動作による摩擦が刺激になることがあるためです。少なくとも日焼け後赤みが治まるまでは、避けたほうが無難でしょう。なお、美白におすすめの成分としては、高い抗酸化作用でシミを予防するビタミンCや、シミの元となるメラニン色素の産生を抑制し、肝斑にも効果の高いトラネキサム酸などがあります。
うっかり日焼けをなかったことにするお助けケア
赤みやほてりが落ち着いてきたら、いよいよ美白ケアのスタートです。専門家による美容医療でうっかり日焼けを改善して、前よりもきれいな肌を目指しましょう!
イオン導入→ビタミンC、トラネキサム酸など
肌に微弱な電流を通して肌をプラスに帯電することで、マイナスにイオン化された成分が バリア機能を通過して肌の奥まで浸透するという手法です。手やコットンで塗布する よりも数十倍の浸透率だと言われています。
日焼け後のケアとして導入する成分としては、美白に効果が期待できるトラネキサム酸やビタミンCがあります。トラネキサム酸はシミやそばかすの改善、ビタミンCは抗酸化作用やコラーゲンの産生促進などの働きがあるとされています。
施術中の刺激はほとんどなく、当日メイクをして帰ることも可能です。費用は1種類の成分につき1回5,000~10,000円ほどが一般的です。
エレクトロポーション
エレクトロポーションは肌に特殊な電圧を加えることで、肌に一時的に隙間をあけて美容成分の通り道を作り、肌の深部にまでダイレクトに届ける方法です。イオン導入が水溶性の成分に限定されるのに対し、エレクトロポーションはEGF(上皮成長因子)やコラーゲ、ンヒアルロン酸 など、分子量 の大きいものや脂溶性の成分も浸透させることができます。導入効果はイオン導入の20倍とも言われており、導入する成分によって美白を始め、シミ・そばかす、くすみの改善やシワ、たるみの改善などに有効とされています。
電圧を加える時にピリピリした刺激を感じることがありますが、痛いというほどではないと言われています 。ダウンタイムもなく、施術後すぐにメイクもできます。費用は1回あたり5,000~10,000円ほどが相場ですが、効果を実感できるまでに2〜4 週間おきのペースで4〜6回ほどの施術が必要だとされています 。
美白点滴
美白点滴は美白成分を直接血管に注入するので、効果が比較的早く実感できるとされています。うっかり日焼けのケアの強い味方と言えるでしょう。
高濃度ビタミンC
点滴により、短時間で血中のビタミンC濃度が上昇して全身に行き渡るため、さまざまな美容効果が期待できます。ビタミンCにはメラニンの生成を抑制したり、黒くなったメラニン色素を無色化する還元作用があったりするため 、日焼けによるメラニンの過剰生成を予防することで、シミやそばかすの予防や改善につながるとされています。また、コラーゲンの産生やターンオーバーを促進するという作用から、肌のハリや小じわの改善にも効果があるとされています。
美容目的の場合、費用は25g1回あたり10,000~20 ,000円が相場です。ただし、ごく稀な疾患ですが、G6PD欠損症の人が25g以上のビタミンCを注入すると、赤血球の細胞膜が破壊される恐れがあるため、初回にG6PDスクリーニング検査を行うクリニックもあります。この費用は別途必要なので、事前に確認しておきましょう。
白玉点滴
グルタミン・システイン・グリシンの3つのアミノ酸から成るグルタチオンという成分を高配合した点滴です。グルタチオンはメラニンの生成を抑制・還元する作用があるため 、できてしまったシミだけでなく、肌の奥に隠れているシミ予備軍にも働きかけて予防・改善するとされています 。また、抗酸化作用やデトックス、慢性的な疲労回復、二日酔いの緩和など、健康面もサポートも期待できます。もともと体内にある成分なので、安全性も高いのが魅力です。
費用は1回あたり5,000~10,000円が目安です。1~2週間に1回のペースで5~10回の施術が望ましいとされています。

2020.02.12

2020.10.26

2020.05.01

2020.02.21
合わせて行いたいホームケア
うっかり日焼けのケアや予防は毎日行いたいもの。内服薬やサプリメント、美白作用のある化粧品などを活用して、クリニックでのケアとの相乗効果を狙いましょう。
内服薬で体の内側からケア
レーザーなど外的な日焼け治療のサポート役として、美容クリニックでは内服薬を処方することがあります。
トラネキサム酸
アミノ酸の一種で、もともとは湿疹や蕁麻疹の治療や止血剤として医療の現場で使われていました。しかし、メラニンを生成するメラノサイトの活性を抑制する働きがあることが発見されて以降は、シミやそばかす、肝斑の治療にも処方されています。副作用はほとんどありませんが、止血作用があるため、血液が固まりやすくなる可能性が考えられます。必ず医師の診察・指導を受け、正しく服用するようにしましょう。
ヘリオケア
シダ植物から抽出されるFernblock®という成分を主にした「飲む日焼け止め」です。メラニン産生を促す活性酸素の生成を防ぐ抗酸化作用や、肌の免疫機能を正常化する作用などがあります。紫外線を浴びる前に飲むのが一般的な服用方法ですが、サプリメントとして毎朝1カプセルを飲むことで、通年の紫外線対策ができます。ただし、塗る日焼け止めほどの日焼け止め効果はないため、併用が必須です。また、妊娠中・授乳中の人は服用不可となっています。
クリニック専売化粧品でお手入れを
毎日のお手入れに美白化粧品を使うのもおすすめです。様々なメーカーから発売されていますが、クリニックでしか販売されていない専売品があるのをご存知でしょうか?ここでは、医療機関でシミケア用の化粧品として販売されている化粧品をいくつがご紹介いいたします。
ナビジョンDR
ナビジョンDRは資生堂がクリニック向けに開発した専売化粧品です。トラネキサム酸や4-メトキシサリチル酸カリウム塩などの美白成分やグリチルリチン酸ジカリウムなどの抗炎症成分配合で、ダメージ肌を整え、改善へと導きます 。
費用は洗顔料・化粧水・乳液・クリーム・美容液・日焼け止めで4万円ほどです。
ルミキシル
メラニンの生成に関与する酵素「チロシナーゼ」の働きを阻害する成分、ルミキシルペプチドを配合したクリームです。その有効性は美白成分として有名なハイドロキノンの約17倍とも言われています。低刺激なので敏感肌の人も使えるというメリットがあります。
朝晩の洗顔後、水気を拭き取った肌に豆粒大を伸ばしてなじませます。その後、普段のお手入れを行ってください。早ければ約8週間で肌に透明感が感じられるようになります。費用は1本(30ml)15,000円前後が相場です。
ゼオスキン
ダメージ肌からの回復を目指すセラピューティックプログラムを始めとする4つのプログラムで、美しく健やかな肌の維持を目指す基礎化粧品です。セラピューティックプログラムは12~18週間かけて古い角質を取り除き、新しい肌細胞の生まれ変わりを促す集中プログラム。美白成分のハイドロキノンや医師の処方するトレチノインの働きで、シミや細かいシワなどの悩みを改善し、美しく健やかな肌へと導きます。
費用は洗顔料・化粧水・美容クリーム・日焼け止めにトレチノインの処方料や医師の診察料などを含めて約80,000円ほどです。
まとめ
うっかり日焼けは誰でもしてしまう可能性があります。でも、対処するためのお助けケアを知っていれば、その後の肌のコンディションに差がつくはず。いざという時にはぜひ活用してくださいね。