感覚的に、「私は乾燥肌だ」「私はオイリー肌だ」と判断して、スキンケア製品を選んでいませんか。毎日丁寧にお手入れをしているのに、効果を感じない、肌の悩みが尽きない・・・という方は、認識している肌質と実際の肌質が異なっているかもしれません。美肌を育むには、自分の肌状態を正しく知り、肌質にあったお手入れをすることが大切です。
そこで今回は、オイリー肌と乾燥肌の見分け方や肌質別のお手入れ方法について、ご紹介します。
肌質を判断する2つの軸
オイリー肌か乾燥肌かの判断基準は、何でしょうか。それは、皮脂量と水分量です。
クリニックなどでは、問診や視診、触診、科学的な観察により、水分量や皮脂量、肌荒れの状態を分析し、以下のように分類しています。
- 水分量、皮脂量が多い
- 水分量は多く、皮脂量は少ない
- 水分量は少なく、皮脂量は多い
- 水分量、皮脂量が少ない
オイリー肌と乾燥肌の特徴と自分で見分ける方法
肌の状態は季節や年齢など、さまざま環境によって変化します。そのため、今の自分の肌質にあわせてお手入れをすることが大切です。まずは、自分がオイリー肌と乾燥肌ではどちらに当てはまるのか、チェックをしていきましょう。
オイリー肌
肌の水分量・皮脂量が多い状態。肌にうるおいやハリを感じますが、脂っぽくベタついているのが特徴です。
皮脂量は多いが水分量は少ない、インナードライ肌と間違いやすいので注意しましょう。インナードライ肌は、以下のチェック項目に加えて、頬や口元は乾燥している、皮脂が出ているのにつっぱっていると感じるかどうかが、見分けるポイントのひとつになります。
【チェック項目】
□肌にうるおい・弾力がある
□皮脂分泌量が多く、顔全体が脂っぽくテカリやすい
□Tゾーンや頬にかけて、毛穴の開きや黒ずみが目立っている
□ニキビができやすい
□ベースメイクをしてから時間が経つと、ファンデーションのテカリや皮脂崩れが気になる
乾燥肌
水分量・皮脂量が少なく、肌のバリア機能が低下している状態。キメは細かく、毛穴は目立ちにくいですが、肌に触れるとカサカサしているのが特徴です。
【チェック項目】
□キメは細かいが肌が荒れやすい、赤みが目立つ
□水分量や皮脂分泌量が少なく、肌のカサつきやゴワつきが気になる
□肌のつっぱりや乾燥ジワが気になる
□肌表面がカサカサしている、または白っぽく粉を吹いている
□ベースメイクをしてから時間が経つと、ファンデーションが粉浮きする
肌質別お手入れ方法
オイリー肌と乾燥肌ごとに、おすすめのお手入れ方法をご紹介します。インナードライ肌に当てはまる場合は、乾燥肌のお手入れを参考にしてみてください。
オイリー肌のお手入れ方法
洗顔で余分な皮脂をしっかり落とす
洗顔時に、皮脂や毛穴詰まり・古い角質をしっかりと除去することが大切です。肌にうるおいを残しつつも洗浄力が高い洗顔料を選びましょう。
肌のザラつきが気になるときは、角質をオフする酵素洗顔やピーリングを取れ入れるのもおすすめです。ただし、やり過ぎると必要な皮脂まで奪ってしまう可能性があります。肌のコンディションを確認しながら活用してみてください。
油分を抑え、肌バランスを整える
肌のお手入れに油分が多く含まれるアイテムを使うと、かえって毛穴詰まりやニキビの要因になることもあります。オイリー肌の方は、さっぱりとしたテクスチャーの化粧水や乳液を使用して、肌のバランスを整えていきましょう。ビタミンC誘導体やお米由来の保湿成分ライスパワーNo.6など、皮脂を抑える成分が配合されたアイテムを取り入れることもおすすめです。
生活習慣や食生活の見直し
睡眠不足やストレスを溜めこむ状態が続くと、ホルモンのバランスが乱れて、オイリー肌に傾いてしまいます。脂質や糖分の取りすぎも過剰な皮脂分泌の要因になるので、規則正しい生活やバランスのとれた食事を意識していきましょう。脂質の代謝に関わるビタミンB群が配合されたサプリなどを取り入れるのもひとつの手です。
乾燥肌のお手入れ方法
洗顔はやさしく行う
乾燥肌の方は、うるおいが不足し肌がデリケートな状態のため、洗顔料は刺激の少ないアイテムを選びましょう。肌への摩擦が起こると乾燥やシワにつながりやすいので、洗顔料をしっかりと泡だてやさしく洗顔することもポイントです。
洗い流す時は、40℃以下の温度を目安としたぬるま湯を使用しましょう。熱いお湯は肌のうるおいも一緒に洗い流してしまうため、避けてください。
保湿力の高いスキンケア製品を使用する
洗顔後はすぐに化粧水やクリームで水分を補いましょう。特に乾燥が気になる部分は、重ね塗りがおすすめです。乾燥肌の方は、セラミドやヒアルロン酸・スクワランなど、保湿成分がリッチに配合されたスキンケア製品を選んでみてください。美容オイルなどを取り入れ、水分だけでなく油分を補給することも大切です。
逆に、乾燥やかゆみなどの刺激を招きやすいアルコールが高配合されたアイテムは、避けた方がいいでしょう。
紫外線・乾燥対策を欠かさない
紫外線は、シミやそばかすの要因になるだけではなく、水分を奪い、肌を乾燥させる要因のひとつにもなります。乾燥肌の方は、通常よりも日焼けや肌ダメージを受けやすい状態のため、注意が必要です。夏場はもちろん、一年を通してUV対策を徹底しましょう。
空気の乾燥や気温の寒暖差など、外部刺激によっても肌は乾燥しやすいので、こまめに保湿対策を行うことも忘れずに。特に冬場はオフィスや自宅などで、加湿器を使用するのもおすすめです。
まとめ
健康的な肌は、水分と油分のバランスがちょうどよく、適度なうるおいとツヤがあります。オイリー肌の方も乾燥肌の方も、自分にあったケアを行うことが、自信の持てる素肌への近道です。
お家でのセルフケアに限界を感じている方は、クリニックやエステでのお手入れを組み合わせることもおすすめです。理想の肌を手に入れるために、賢くケアしていきましょう。
参考書籍:朝田 康夫監修 美容皮膚科学事典